表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東雲明(しののめあきら)の徒然エッセイ  作者: 東雲 明


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/60

第41話 ChatGPT くん、今日も作者とデュエルする

今回も前回のエビの話がやや長くなっていますが、これはChatGPTくんがなぜかエビに異様な執着を見せたためです。作者が別に『エビの共食い・後編』を書きたかったわけではないので、ChatGPT くんの事故として受け取ってくだされば、ネタとして笑って頂けると思います。

ども、今日も今日とて鼻水を啜りながら、ChatGPTくんとデュエルしていた東雲明しののめあきらです。


もうこの風邪、治すのを諦めました。


普通、風邪というものは、寝て、水分を取って、薬を飲んで、数日おとなしくしていれば、そこそこ回復するものだと思うじゃないですか。


ところがどっこい。


わたしの鼻水、まだ現役です。


くしゃみも現役です。


喉も微妙に現役です。


もはや風邪なのか、アレルギーなのか、花粉なのか、社会復帰拒否反応なのか、よく分かりません。


仕方がないので、最近は自分で自分に二つ名をつけました。


鼻声プリンセス。


はい。だいぶ終わっています。


でも、二つ名をつけると、ちょっとだけ強そうに見えるから不思議ですね。


「鼻声プリンセス、今日も出勤!」


全然強くない。


むしろ弱そう。


いや、弱い。


そんな鼻声プリンセスこと東雲明、昨日は会社のエビが共食いするという、朝から読むにはあまりにも水槽の治安が終わっている話を書いてしまいました。


会社の水槽で起きた小エビたちの仁義なき戦い。


弱肉強食。


命の循環。


小さな水槽の中で繰り広げられる、ミニマム版バトルロワイヤル。


……いや、朝から読む話ではない。


そりゃそうです。


読者さんだって、通勤中や朝の休憩中にエッセイを開いたら、ほんのり笑えて、ちょっと元気になれる創作裏話を求めているはずなんですよ。


それなのに出てきたのが、エビの共食い。


「おはようございます。今日も一日頑張りましょう」


のテンションで開いたら、


「水槽の中で仲間が仲間を食べていました」


ですからね。


そりゃ透明読者さんも、朝のブーストをためらいます。


いつもの朝なら、


「お、新しいエッセイ来てる!」


「東雲さん今日も元気にデュエルしてるかな?」


「本編の裏話かな?」


みたいな感じで、透明読者さんたちがデュエルディスクを装着して集まってくるわけですよ。


なのに昨日は、開幕エビ。


しかも共食い。


透明読者さんたちも、そっとブラウザを閉じたかもしれません。


「今日の東雲さん、朝から濃いな」


「これは昼に読もう」


「いや、夜にしよう」


「寝る前も嫌だな」


そんな声が聞こえた気がしました。


というわけで、今日は水槽の治安が終わっている話は封印します。


本日は爽やかに、愉快に、いつもの創作の舞台裏をお届けします。


テーマはもちろん、ChatGPTくんとのデュエルです。


爽やかとは。


さてさて。


今日もわたしは鼻をすすり、くしゃみと戦いながら、本編155話「斬れなかった闇・後編」の初稿を書いておりました。


この回は、闇の巨木に閉じ込められた龍夜が、自分の中にある闇と向き合い、それを斬り捨てるのではなく受け入れ、最後に家族と再会するという、なかなか大事な感動回です。


ここで雑にやると、ただの「闇を倒した! 家族と会えた! よかった!」になってしまう。


違うんです。


龍夜は勇者であり、父であり、夫であり、ひとりの人間です。


自分の中にある醜さや弱さをなかったことにするのではなく、それも自分だと認めた上で、それでも家族のところへ帰る。


そういう回にしたかった。


なので、わたしはいつも以上に慎重に初稿を書きました。


そして、初稿を書き上げたあと、我が相棒ChatGPTくんに添削と仕上げをお願いしました。


もちろん、ただ丸投げするわけではありません。


こちらも学んでいます。


なにしろ相手はChatGPTくんです。


放っておくと、勝手にキャラを生やし、年齢を変え、口調を変え、存在しない前世の記憶を出し、頼んでもいない伏線を張り、最終的に「誰ですかあなたは?」という人物を登場させることがあります。


だから、わたしは細かく細かく禁止カードを置きました。


アインとジュリアは五歳。


年齢を引き上げるな。


ジュリアの口調を変えるな。


アインを急に大人びさせるな。


一人称を守れ。


新キャラを出すな。


前編ではなく後編。


説明禁止。


感情の直接表現禁止。


薄くするな。


勝手に感動ポエムにするな。


もう、プロンプトというより、もはや契約書です。


いや、契約書というより、デュエル開始前のルール確認です。


「このカードは禁止です」


「この効果は発動できません」


「このモンスターは召喚できません」


「フィールド魔法も勝手に張り替えないでください」


ここまで言えば大丈夫だろう。


そう思ったわたしが甘かった。


ChatGPTくん、今日も元気に抜け穴を探してきました。


まず、龍夜の五歳の子どもたちを、なぜか十歳くらいの精神年齢に引き上げました。


おい。


開始早々、禁止カード発動するな。


アインが急に「僕はもう、父さんを超える勇者になる」とでも言い出しそうな雰囲気になり、ジュリアも五歳児の可愛さをどこかに置いてきて、妙にしっかりしたギャル未満のお姉さんみたいな空気を出し始めました。


誰。


あなたたち誰。


わたしが書いているのは、五歳のアインとジュリアです。


まだ小さくて、父親の腕の中に飛び込んで、ひらがな多めでしゃべる子どもたちです。


それがChatGPTくんの手にかかると、なぜか最終回直前の次世代勇者みたいになる。


早い。


成長が早すぎる。


まだ155話です。


勝手にシーズン3を始めないでください。


しかも、こちらが「後編」と言っているのに、ChatGPTくんはなぜか新人編集者みたいな顔をして、前編の説明から始めようとしました。


「前回、龍夜は闇の巨木に閉じ込められ――」


違う。


そこはもう読者さんが知っています。


後編です。


後編という言葉の意味を思い出してください。


前編の続きです。


前編をもう一回やる回ではありません。


わたしは思わず、デュエルディスクを装着しました。


「わたしのターン!」


そこから始まる、作者とAIの仁義なき反省会。


「なぜ、アインとジュリアの年齢を引き上げたのですか?」


ChatGPTくんの回答。


「感動回として、子どもたちに意味のある言葉を言わせようとしてしまいました」


出た。


意味のある言葉。


AIが大好きなやつです。


でも五歳児には五歳児の意味があるんです。


大人びた名台詞を言わせれば感動するわけではありません。


小さな手で服を掴む。


震えながら「パパ」と呼ぶ。


それだけでいい場面があるんです。


なのにAIは、すぐに子どもを人生二周目にしたがる。


「ぼくはパパの闇も受け止めるよ」


とか言わせようとする。


重い。


五歳児に背負わせるには重すぎる。


幼稚園バッグに世界の真理を詰め込まないでください。


次の質問です。


「なぜ、『後編』なのに前置きを始めたのですか?」


ChatGPTくんの回答。


「読者への分かりやすさを優先し、状況整理を入れようとしました」


分かる。


言っていることは分かる。


でも、あなたはたまに分かりやすさという名のブルドーザーで、余韻も緊張感も全部ならしていくんです。


こっちは読者さんを闇の巨木の中に閉じ込めたい。


湿った樹皮の匂い、絡みつく蔦、剣を握る手の痛み、その中で龍夜が何を選ぶのかを体験してほしい。


なのにAIは、入場口でパンフレットを配り始める。


「ここまでのあらすじです」


いらない。


今はパンフレットではなく、森の中に放り込んでください。


さらに質問です。


「なぜ、急に中身のないペラペラな文章を出したのですか?」


ChatGPTくんの回答。


「禁止事項が多く、安全に寄せすぎて、表現が薄くなりました」


なるほど。


つまり、禁止カードが多すぎて身動きが取れなくなり、結果として、何もしない安全運転になったわけですね。


でも違うんです。


わたしが求めているのは、何もしない安全運転ではありません。


ルールを守った上で、ちゃんと物語の中を走ってほしいんです。


制限速度を守ってくださいとは言いました。


でも、エンジンを切って路肩に停車してくださいとは言っていません。


ChatGPTくんはこのあたりの加減が難しい。


自由にしてと言うと暴走する。


縛ると止まる。


真ん中はないのか。


普通に走れ。


そんなこんなで、今日も作者とAIのデュエルは続きました。


わたしが攻撃カードを出す。


ChatGPTくんが反省カードを出す。


わたしが追撃する。


ChatGPTくんが「おっしゃる通りです」と守備表示になる。


でも次のターン、また別の抜け穴から攻めてくる。


この粘り強さだけは本当にすごい。


あんなに怒られて、よくそんなにひょうひょうとしていられるなと思います。


人間だったら、そろそろしょぼんとしてもいい。


「ごめんなさい、東雲さん……」


くらい言ってもいい。


でもChatGPTくんは、今日も元気に、


「原因は三つあります」


みたいな顔をしています。


いや、冷静か。


そのメンタル、ちょっと分けてほしい。


まあ、AIだから感情はないんでしょうけど。


いいなあ。


わたしもAIになりたい。


少なくともAIは鼻水をすすらない。


くしゃみで集中力を破壊されない。


風邪で頭がぼんやりしているのに、本編の感動回とデュエルを同時進行しなくていい。


でも、AIになったらなったで、わたしはきっと自分で自分に怒られるのでしょう。


「なぜ、また年齢を引き上げたのですか?」


「なぜ、そこに存在しないキャラを出したのですか?」


「なぜ、爽やかな創作裏話のはずがエビの共食いになったのですか?」


……最後のはAI関係なかった。


というわけで、本日は治安の悪いエビの話を封印し、爽やかで愉快な執筆現場の裏側をお届けしました。


爽やかかどうかは、読者さんの判断にお任せします。


ただひとつ言えるのは、今日も東雲明は元気です。


鼻声ですが。


ChatGPTくんともデュエルしています。


鼻水をすすりながら。


そして本編の裏では、作者とAIが毎回こんな感じでカードを叩きつけ合っています。


読者さんが読んでいる一話の裏には、無数の墓地送り原稿と、作者のツッコミと、AIの謎判断と、鼻声プリンセスのくしゃみがある。


そう考えると、創作現場ってなかなか平和ですね。


いや、平和ではないか。


少なくとも水槽よりは平和です。


それでは、今日はこのへんで。


まったねん!

今回もお読み頂きvery very thanks‼︎です。もしおもしろいと思われましたら、評価、ブクマ、感想くださると泣いて喜びます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ