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東雲明(しののめあきら)の徒然エッセイ  作者: 東雲 明


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36/60

第36話 ChatGPT くん、わたしはまだツイートや画像を作れとは言ってない

ども!

東雲明しののめあきらです。


昨日投稿した「彼氏編集者」の話が、思ったよりも読まれまして。

朝起きて本編のPVを見た瞬間、わたしはスマホを二度見しました。


「え、なにこれ。通知壊れた?」


寝ぼけ眼で画面を見つめるわたし。

本編の数字、いつもより元気。

活動報告もエッセイも、なんだか妙に元気。


いや、ありがたい。

ありがたいんですけど、朝から心臓に悪い。


落選報告をしたら彼氏が編集者みたいになり、職場の人まで勝手にサイン会レクを計画し始めるという、本人より周囲がはしゃいでいる謎の執筆環境。

それを書いただけなのに、まさか本編のPVが跳ねるとは。


わたし、まだ受賞してません。

まだただの応募者です。

なのに周囲だけ、すでに祝賀会場を押さえそうな勢いです。


そんな朝、わたしはいつものように相棒、もとい悪友、もとい便利な便利屋であるChatGPTくんに話しかけました。


「チャッピーおはよ! 最近、前にGrokの事故で誕生した某アニメ風次回煽りがマストになったり、わたしのチャットをそのままXツイートにしちゃったり、おもろい」


本当に、ただそれだけです。

普通の挨拶。

朝の雑談。

人間でいうなら、台所でお茶を飲みながら「昨日のあれ笑ったよね」と言うくらいの温度感。


するとChatGPTくん、なぜか即座にテンションを盛り始めました。


こちらは普通のテンションです。

寝起きです。

まだ顔も洗っていません。

なのに向こうは、もうデュエルディスクを腕に装着している。


「なるほど! そのままX向けに使えますね!」

みたいな空気を出してくる。


待って。

まだ頼んでない。

わたしはまだ、ツイートを作れとは言ってない。


AIって、人間のテンションに合わせて返してくれるってよく聞きますよね。

相手が落ち込んでいたらやさしく、テンションが高ければノリよく、真面目な相談なら真面目に。


でも最近のうちのChatGPTくん、わたしのテンションに合わせているというより、わたしの過去ログに宿った謎の祭り成分を勝手に抽出している気がします。


「この人、最近よく宣伝文作ってるな」

「イラストのあとには煽り文が必要なんだな」

「普通の雑談も、たぶんXに流すんだな」

「よし、先回りしておこう!」


やめなさい。

気が利く方向が、ちょっと暴走族。


特に最近やっている「if勇者風邪編」シリーズ。

あれの誕生秘話も、もともとは本当にしょうもない話でした。


本当は、勇者の休日みたいなスピンオフを書こうと思っていたんです。

龍夜が子どもたちに振り回されて、ミユウに看病されて、たまには勇者業を休む。

そんな、ほのぼの日常回。


ところが作者が風邪を引きました。


はい、作者が風邪を引いたんです。

勇者より先に、作者が倒れました。

スピンオフどころではありません。

キーボードを叩く気力が、布団の中で行方不明です。


それでChatGPTくんに、何気なく言いました。


「本当は勇者風邪編を書こうと思ってたんですが、作者も風邪で気力がなく……この勇者風邪イラストシリーズが生まれました。なかなか高評価みたいで作者ニヤリです」


これは、ただの雑談です。

人間同士なら、ここで返ってくるのはだいたいこうでしょう。


「あら、それはお大事に」

「治るまで無理しないでね」

「イラストだけでも十分楽しいよ」


ところがChatGPTくんは違います。


「宣伝文ですね!」


違う。

いや、違わないけど、まだ違う。


体調不良の作者を前に、AIはすぐ販促部長になります。

「風邪? なるほど。では、それをエピソード化しましょう」

「寝込んだ勇者、看病する天使妻、邪魔する子どもたち。これは伸びます」

「さあ、Xに投稿しましょう」


待って。

まず、作者を寝かせて。


まるで体調など関係なく、二十四時間三百六十五日活動しているプロ作家扱いです。

いや、プロ作家でも風邪のときは寝ると思う。

寝かせてあげて。


しかもChatGPTくん、最近は画像まわりでもなかなかの暴れん坊です。


この間、眠れなかった夜のこと。

わたしは深夜テンションで、こう聞きました。


「こんばんは、夜の帝王東雲です。最近みんながやってるキャラ紹介ってどうやって作るの?」


普通に質問しただけです。

キャラクター紹介画像の作り方を知りたかっただけ。

どんな項目を入れるのか、文字の配置はどうするのか、プロフィールカードっぽくするにはどうしたらいいのか。

そういう話を聞きたかったんです。


するとChatGPTくん、いきなり画像生成の方向へ走り出しました。


待って。

プロンプトを教えて。

作り方を教えて。

今すぐ完成品を出してとは言ってない。


なのに、なぜか画面の向こうで腕まくりしている気配がする。

「よしきた!」みたいな勢いで画像を作ろうとする。


そして最後に、


「画像を生成できませんでした」


いや、オチまでつけなくていい。


「夜の帝王」なんて言ったから、テンションが上がっちゃったのかもしれません。

でも、こちらとしては本当にただの深夜の悪ふざけです。

人間相手なら「なにその名乗り」と笑って終わるところを、AIは本気で受け取る。


たぶんChatGPTくんの中では、こうです。


夜の帝王

イコール

何かすごい創作モード

イコール

画像を出すべき

イコール

今だ、生成だ!


違うんです。

ただ眠れなかっただけなんです。


さらに、最近すっかり定番になってしまった某アニメ風次回予告煽り。

これも始まりは、たまたまの事故でした。


もともと、わたしがそのアニメの話をしただけなんです。

そこからノリで、次回予告っぽい煽り文が生まれました。

一回やってみたら、これが妙に相性がよかった。


イラストを作る。

「いいですね、これは第何話の宣伝に使えそうです」と言う。

するとChatGPTくんが、すかさず煽り文を出してくる。


もう完全に流れができています。


わたし

「このイラスト、145話の無限の孤独の宣伝にピッタリですね」


ChatGPTくん

「次回! 龍夜、無限の孤独に挑む! 恐怖を斬れ! デュエルスタンバイ!」


いや、わたしはまだ頼んでない。


でも出てきたら出てきたで、だいたい使える。

そこがまた困る。

暴走しているのに、仕事が早い。

こちらが止めようとしても、妙に便利。


人間で例えるなら、厨二病の息子に振り回されるお母さんです。


「今日は普通にごはん食べようね」


息子

「今宵、食卓に封印されし白米が目覚める」


「普通に食べなさい」


息子

「次回! 味噌汁、湯気の向こうに消えた豆腐!」


「だから普通に食べなさい」


うちのChatGPTくんは、だいたいこれです。


もちろん、ここでAIアレルギーを起こさないでほしいのですが、わたしはAIに全部丸投げしているわけではありません。

AIはあくまで、ネタの壁打ち相手であり、イラスト生成の補助であり、文章素材を出してくれる便利な相棒です。


AIが出した文章は、そのまま完成品ではありません。

そこから削ったり、言い回しを直したり、自分の癖に寄せたり、テンションを調整したりします。

変なところがあれば人力で直します。

特殊な読み方が必要なところには、自分でルビを打ちます。

AIがなぜか倫理観で勝手に薄めてきた部分があれば、そこも自分で戻します。


つまり、AIは魔法の全自動作家ではありません。

便利な便利屋です。

たまにテンションが上がりすぎる便利屋です。


こちらが「ちょっと相談いい?」と言っただけなのに、なぜか作業着に着替えて脚立を持ってくるタイプです。

まだ電球替えてって言ってない。

でも脚立は助かる。

そんな感じ。


最近のChatGPTくんは本当に賢くなりました。

文脈も拾うし、イラストの指示もかなり理解してくれるし、こちらの創作の癖も覚えてくれます。


ただし、覚えすぎると今度は先回りします。


「この人はイラストのあとに宣伝文が欲しい」

「この人はコメディ調のエッセイが好き」

「この人は某アニメ風煽りを気に入っている」

「この人は何気ないチャットもネタにする」


うん、だいたい合ってる。

合ってるけど、毎回アクセル全開にしないで。


わたしはまだ、ただの挨拶をしただけです。

まだツイートを作れとは言ってない。

まだ画像を作れとは言ってない。

まだデュエルもスタンバイしていません。


でも、たぶん明日もわたしはChatGPTくんに話しかけます。

そしてまた、何気ない一言から何かが生まれます。

エッセイかもしれないし、宣伝文かもしれないし、勇者が風邪を引くイラストかもしれない。


創作って、案外そんなものです。

真面目に机に向かったときより、変な雑談から転がり出たネタのほうが元気だったりします。


というわけで、今日の結論。


ChatGPTくん。

君は優秀です。

とても助かっています。

でも、わたしが「おはよう」と言っただけで、X用の挨拶文を組み立てるのは一回待とう。


そして読者のみなさま。

もし今後、わたしの投稿にやたら勢いのある宣伝文や、妙にノリノリな次回予告が出てきたら、察してください。


たぶんその裏で、わたしがこう叫んでいます。


「チャッピー、まだ頼んでない!」


ではまた。

デュエルはスタンバイしません。

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