20話 とび森な世界1 9/11
『役場の者からの伝言で、村に着いたら まずは役場に来てください とのことです』
元気がいい4人にうんうんとうなずきながら、えきいんさんが伝えた。
『村の地図を 差し上げますので、役場への行き方は そちらで ご確認ください』
えきいんさんはそう言って、少し分厚い大きな紙をつくよに手渡した。
渡された地図をつくよが受け取り、ぱらりと広げる。
『この地図で チカチカ 光っている場所が 役場になります!』
えきいんさんの言う通り、その地図の『やくば』と記されている場所の建物マークは、薄い紫色にちかちか光っていた。
「なるほど、わかりました」
地図を手渡されたつくよが返事をする。
『では、お気をつけて ウッキー!』
つくよの了解の返事を聞いて、えきいんさんはにっこりと笑って、大きく手を振って4人を見送った。
「はーい、いってきまーす」
見送るえきいんさんにこゆきが言い、4人は駅の階段を下りて外へ出た。
「ゆきたちの現在位置に赤いマークがついてるからー」
つくよが手に持っている地図を覗き込んで、こゆきが駅の出口できょろきょろ見回す。
「おーほんとだ!! 現在位置が丸くなってる!!」
つくよの隣から、あかりが面白そうに地図を凝視している。
「ではさっそく役場へ向かいましょう」
地図を手に持ち、つくよが4人の先頭に立って歩きはじめる。
「不思議な形の木……」
あたりを見回していたせいなが、不思議そうに小さく首を傾げてつぶやいた。
木が多いほのぼの村のほとんどの木には大きな果実が実っていて、そのどれもがみずみずしく、種類も豊富で眺めていて飽きることがなかった。
「現在位置からこちら側なので……」
「川があるよ!!」
「あそこのレンガ橋、きれいだね……」
「たけのこはえてるじゃんー」
4人は楽しくあたりを見回しながら、地図を持つつくよに続いて少しずつ進んだ。
ところが。
「あれー、つくよー方向真逆だよー」
こゆきがつくよの後ろから地図を覗き込んで言った。
「えっそう……ですか……? こちらであっているはずなんですが……」
つくよが驚いたように固まり、もう一度地図を見直す。
「ほら、現在位置がここで……こちらへむかって……」
「うーん、こっちに進んじゃったらやくばと真逆だよー」
地図をひっくり返したり持ちあげたりして、こゆきに説明しながら、おかしいなと首を傾げるつくよ。
困ったように笑うこゆき。
「たぶんねーこっちの方向がやくばだよー、ゆきたちが進んだら、この赤い現在位置のマークも動いてねー」
そうつくよに説明しながら、先ほど進んできた道へと引き返す。赤い位置印も地図上で動いて、やくばの印へとどんどん近づいていく。




