20話 とび森な世界1 5/11
こゆきがせいなにこそこそと言った。
「ゲームの中と一緒だー」
「へえ、やっぱりそうなんだ……」
つまり、4人はどうやら今回、とびだせ!どうぶつの森の世界に送られたようだ。
3DSでは、通常のどうぶつの森ゲームを進めている画面が流れているが、4人はそれとは少し違うようだ。
3DSに流れているものは、プレイヤーが一人の場合のものだった。
その時急に、見知らぬネコが頭をゆらゆら動かしながら口を開いた。
『ところで、キミたちの名前は?』
頭の上にクエスチョンマークを浮かべ、見知らぬネコが聞く。
「あかりです!!」
「こゆきっていうよー」
「つくよです」
「せいなです……」
それぞれ自分を指さして、4人が順番にこたえた。
『へえー、そうなんだぁ・・・ いい名前だね!』
頭をゆらゆら動かして、見知らぬネコが笑った。
「嬉しいです。ありがとうございます」
つくよが代表して嬉しそうに答え、他の3人も照れたように笑う。
『うんうん! 女の子っぽくて、キミたちにピッタリだと思うよ!』
喜んでもらえてうれしいのか、見知らぬネコも先ほどよりもすこし明るくなって言った。
そしてどうやら話すことがなくなったようで、見知らぬネコは窓の外を眺めてぼんやりしている。
沈黙が4人と一匹の周りを包み込み、特にこちらから言うこともなく、4人も黙って窓の外を眺めた。
窓の外は暗く、夜の中を走っているのかと思うほど光がないが、車内のデジタル時計は『AM 10:00』と表示している。時折揺れる車体と一緒に、時計わきの壁につけられている、動物たちのマスコット人形もゆらゆら揺れる。3DSの画面には、黙って外を眺める見知らぬネコがいる。
『それで、キミたちはほのぼの村には よく行くの?』
急に見知らぬネコが話を切り出した。頭の上に?マークを浮かべて、首を傾げて4人に聞いている。
3DSの画面でも、見知らぬネコが同じように首を傾げた。
「うーん、行ったことないね!!」
何と答えようか少し黙って考えた4人を代表し、あかりが大きく首を振って答える。
『ってことは、今日が初めてなんだ! そりゃ 楽しみだね』
それを聞いて、見知らぬネコはその大きな猫目を細めてうんうんと頷きながら笑う。
『ちなみに、何しに行くの?』
またまた頭に疑問符を浮かべて見知らぬネコが問う。
「うーん、あー……」
なんて答えようか悩んで、小さく呻く4人。
ミッションをするため? 遊びに行くため? でも村に住みに行く感じだし……でも旅行とはちょっと違うし……。
そこでせいながぴかんとひらめいて、思いついた返答を言う。
「ないしょだよ……」




