20話 とび森な世界1 4/11
背丈は4人の腰くらいだろうか。頭が大きくその動きも可愛らしいのだが、どこか怪しげな印象の猫だ。
とことこと4人が座る座席の前を通り、電車の進行方向、4人の斜め前の座席に座った。
「……ねえ、3DSでも今同じ画面が流れたよ……」
せいなが驚いてこゆきに言う。
「ふしぎだー、ゆきたちが主人公って感じだねー」
相変わらずのほほんとした声でこゆきが言う。
「この画面がゲームの世界、すなわちこの世界だということなのでしょうか?」
見知らぬネコを見つめたまま、つくよが首を傾げる。
「そっか!! 見知らぬネコさんがゲームで登場したとおりに来たってことかな!!」
あかりが納得したようにふんふんと頷いている。
「そんなかんじかもー」
「まあでもまだわからないしね……」
4人そろって不思議そうに見知らぬネコを見つめた。
少し不気味なBGMが、がたんごとんという電車の揺れに紛れて鳴り響く。
ふいに、4人が見つめている先で見知らぬネコが席を立った。
「……?」
何をするのかと4人が見守る中、見知らぬネコはくるりと振り返り、4人の方を向いた。
そのままてくてくと歩み寄る。
「……あっ」
3DSの中でも同じシーンが繰り返されていることに気が付き、またせいなが小さく声をあげる。
そうしている間にも見知らぬネコは4人に近付き、席の隣に立って、それでも4人と目線は合わず、4人を見上げるようにして口を開いた。
『ねぇねぇ! ちょっといいかな?』
機械のような高い声で見知らぬネコがしゃべる。
『キミたち さっき、ほのぼの村行きの キップを 買ってたでしょ!』
そう言って、目を細めて笑う。
顔を見合わせる4人。
「ほのぼの村……?」
「村の名前かなー」
せいなが繰り返し、こゆきが面白そうに笑う。
『オレ、あの村に 顔見知りがいるんだよねー!』
4人の返事も聞かず、にこにこと続ける見知らぬネコ。
「ほえー!! そうなんだ!!」
あかりが興味を持ったように身を乗り出す。
『あっ、ここ 座ってもいい?』
目を細めてネコが聞く。
「全然いいよー」
「じゃあこゆき、もう少しそっちにつめて……」
あかりとつくよの向かいに座っていたこゆきとせいなが答え、少し席を詰めた。
『へへっ! ありがと!』
ふたりが詰めたところにちょこんとネコが座る。
3DSの中でも同じように見知らぬネコが席に座るが、画面の中では一人で座っている。
「ねーこのシチュエーションも」
こゆきがせいなにこそこそと言った。
「ゲームの中と一緒だー」
「へえ、やっぱりそうなんだ……」




