20話 とび森な世界1 3/11
あかりが何を言い出そうとするか知っているが、一応、といったふうにつくよが聞く。
「やりますか?」
「やる!!」
ほぼ重ねるように、あかりが元気よく答える。
「いいよー」
「どうぞ……」
こゆきとせいなも苦笑して、つくよの手によって3DSがあかりにたくされる。
「やったっ!! じゃあ……」
そわそわとその蓋を指でなぞってから、宝箱を開けるかのように、黒いふたに手を添える。
あかりとつくよの対面の席に、こゆきとせいなが座り、あかりの手元に目を向ける。
かちゃっと小気味のいい音を立てて、それは開かれた。
「あっ!!」
開かれたその画面を見て、あかりが小さく声をあげた。
「ここと一緒だ!!」
目を大きく見開き、自分たちの周りと見比べる。
「本当ですね」
その隣からつくよも画面をのぞき込んで、驚いた声をあげる。
「そうなんだ……」
「えーっみたいー」
あかりが3DSをこゆきに手渡す。
「……へえ、ほんとだ……」
あたりと見比べて感嘆の声をあげたせいな。
「わー、ほんとに一緒だー!」
こゆきも周りをきょろきょろと見回して、せいな同様に驚いたような声をあげた。
「でも、これはー?」
そう言って、こゆきが不思議そうに画面を指さした。3人もその手元を覗き込む。
こゆきの指が指さす3DSの画面の中では、電車の風景のその上に何かの字幕が示されていた。
「あれ!? これは3DSだけなんだね!!」
あかりが顔をあげ、あたりと見比べて言った。
「そうですね……えーと」
3DSの小さな白い文字をつくよが読み上げた。
「【とびだせどうぶつの森を 楽しむ!】…と書かれていますね」
それを聞いてせいなが首を傾げた。
「……それだけ……?」
「はい……」
小さい声でうなずくつくよ。
「じゃあ楽しんだらいいのかー!」
気楽そうにこゆきが笑う。
「じゃあ、今回もみんなで楽しもうね!!」
えいえいおー! と腕を振り上げ、あかりが言った。
ちょうどその時、がしゃん、と扉を開く音が聞こえ、4人は音がしたほうに目を向けた。
「あーっ」
間の抜けたようなのんびりしたこゆきの声。
「見知らぬネコだー」
丸い手で、器用に車両をつなげる扉を開け、その動物は4人へと近づいてくる。
血のように紅い瞳が映える三白目、ぴんと立った耳。体は紫よりの青色をしており、オレンジや黄、赤が混ざったような暖色系のダイヤ柄ニットを着ていた。口角をあげ、にっこりと笑っている。
背丈は4人の腰くらいだろうか。頭が大きくその動きも可愛らしいのだが、どこか怪しげな印象の猫だ。




