19話 古都な世界1 8/8
「あ!! あれってもしかして!!」
ちょうどアイスクリームをコーンまできれいに食べ終えたころ、あかりたちの前に大きな鳥居が見えてきた。
せいなが写真と見比べる。
「……うん、写ってるのと同じやつだと思う」
「よっしゃあ、れっつごー!!」
すっかりテンションの上がりきったあかりは、真っ先に鳥居へ走っていった。
その背中を見送りながら、三人はくすくすと微笑む。課題クリアの達成感とそれを分かち合える嬉しさを、みんな知っているからだ。
「私たちも行きましょう」
「そだねー、あ、疲れてるのに手振ってるー。おーい」
「ふふ……」
両手でゆらゆら手を振り返すこゆき。二人のやりとりをせいなは微笑ましく思った。
三人があかりのもとにたどり着いたとき、あかりはまだ息切れしていた。
「体力ないのに無茶するからー」
「だって……つい楽しくなっちゃったんだもん……!!」
おでこの汗を手の甲で拭いながら、あかりは笑って答える。
三人はあきれ半分、あかりらしいという微笑ましさ半分の笑みをこぼした。
「じゃあ……いよいよ参拝だね」
「うん、ちゃんと神社だったねー」
この町で一番目立つ大きい鳥居の向こうに、参道と本殿が見える。
鳥居をくぐる前におじぎをしてからくぐり、きちんと参道の端を歩く。
「これが正しい作法なんです。中央は神様の通り道なので」
「そうなんだ!!」
「詳しいんだね……」
そのまま順調に本殿にたどり着き、お賽銭を入れ、鈴のついたしめ縄を4人で一緒に掴む。
「せーーの!!」
あかりの掛け声で同時にゆらす。
手を離してから、二礼二拍手一礼をして、目をあけた。
「……なにをお願いしたの?」
「これからもー、楽しく課題がクリアできますようにーって」
「あ、うちも!!」
「ふふ、私もです」
「実は自分も……」
同じことを祈っていたことを4人ともが嬉しく思い、心が温かくなる。
顔を見合わせくすくす笑っていると、頭上で突然、破裂音がした。
「ええっ、何なに!?」
急いで見上げると、それは祭の始まりを知らせる、煙だけが残る昼花火だった。
続いて空から祝うように紙ふぶきが舞ってくる。
「なになにー?」
「五段雷ですね、祭の合図です」
「へえ〜!! あ、なにか落ちてきたよ?」
色とりどりの紙ふぶきのなか、大きな白い和紙があかりたちの目の前にふらふら落ちてくる。
せいなが紙を拾って読み上げた。
「……課題クリア、だって……!」
「やったあ〜!!」
「今回の終わりは盛大だねー」
「そうですね」
紙ふぶきのなか4人の意識はしだいに薄れ、やがて、こたつ部屋へと戻っていた。




