19話 古都な世界1 3/8
しばらく迷っていたせいなだったが、こゆきが嬉しそうに町を眺めているのを見て、決心したようだ。
「が、頑張ってみる……」
「うん、危なそうだったらすぐ助けるからー」
せいなもこゆきと同じ順路をたどって木を登っていく。
こゆきより時間はかかったが、無事にこゆきの隣までくることができた。少し息切れしながら、顔を上げて町のほうを見てみる。
「わあ……すごい、ファンタジーの世界みたい……」
「でしょー? 家も独特だし、木ばっかりだしー」
感動するせいなを横目に、またこゆきはなにか思いついたようだった。
「そうだ、絶対権限発動ー。カメラちょーだいー」
言うと空からこゆきの手元にデジタルカメラが降ってくる。
「あー、違う違う。これじゃなくてー、すぐ現像できるやつー」
慌てたように、すぐにポロライドカメラが降ってきた。
これこれーありがとー、と言ってこゆきはカメラを構える。
「あとであかりたちに見せてあげよー」
パシャリ。
すぐに出てきた写真をこゆきは大切にしまって、ふたりへのお土産にしたようだ。
「あ……こゆき、あれって……神社じゃないかな?」
写真を撮り終えたこゆきに、せいなが指を差しながら言う。
そのさきを追ってみれば、確かに町でもひときわ大きくて目立つ、赤い鳥居が見えた。
「ほんとだー、しかも写真にちゃんと写ってるしー。せいなが近くにいるから運がいいー」
「そうだといいな……」
役に立てたみたいでよかった、とせいなは微笑んだ。
「そろそろ降りて……ふたりを探す?」
「そーしよー」
まずは内側にいるせいなから地面に降りる。こゆきもあとに続いて、あかりたちと合流するため歩きはじめた。
「つくよ、お腹すかない?」
「そうですね、そろそろ何か食べましょうか」
あかりの提案でふたりは食事をとることにした。
「ファミレスとかあるのかなー?」
「この感じだとなさそうですが……」
「あ!! あの通りからいい匂いがするよ!!」
そう言ったあかりが指差した先は、鳥居の向こうにちょうちんがたくさん並ぶ通りだった。
つくよもつられてすんすんと空気を吸う。
「本当ですね、飲食街のようです」
「行ってみよー!! せいなたちとも合流できるかも!!」
「だといいですね」
あかりがずんずん進んでいくのに、笑ってつくよがついていく。
ちょうど鳥居をくぐろうとしたとき、横から声がかかった。




