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深夜ドライブ
「こんなもんかな?」
車内に掃除機をかけ、ウインドウを拭き上げ、ついでにボディも磨いてピカピカにした。
とりあえずプリカ分の仕事は出来ただろう。
「モデルって儲かるんだな。このクルマ、ミニの中でも高いヤツだろ?」
「私のじゃないわよ。社長のクルマ。好意で貸してくれてるの」
いつの間にか後ろに立っていた小夜姉が俺の独り言に答える。
「好意ねぇ」
「言い方。変な想像しないで。社長は女性よ」
小夜姉は俺からキーを受け取ると、そのまま運転席に座る。
「乗りなさい。行くわよ」
「えっ、今から? どこへ?」
「それは後のお楽しみ。今日の夕飯はいらないって天空ちゃんには連絡済みよ」
「……」
「ぼーっとしてないで早くしなさい」
急かされるまま助手席に乗った俺にニッコリと微笑んだ小夜姉はタイヤ音を響かせてミニを発進させたのだった。




