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見習い魔法使いが最強に至るまで  作者: 鬼仁雪姫
第8章
98/103

90話 事後処理と新たなる冒険へ1



丸一日以上寝ており、私が目覚めたのはあの戦闘の後の翌日の朝の事だった。というのも戦闘終了したのはもう夜明け前だったと言うのだから驚きだ。私は先に目覚める事が出来たが隣では未だに寝息を立てて私が動いても微動だにせず寝ているノトさんの姿があった。



「うーん、流石に体がダルい感じは抜けてない。それに鈍ってる感じもするなあ。」



少し身体を動かすと凝り固まっている感じがして一部は筋肉痛かのように痛みを伴うところもある。魔力自体は完全に回復しており問題なく魔法も魔術も打つことが出来る。


私、桜城百合奈は現在ルギシニラの城内の一室である王様の私室にいる。


スタートはエルシリラの城の魔術師教会の敷地。異世界から勇者として召喚され一応の建前は魔王の討伐。実際誰しもがその言葉を疑えるはずも無い。知らない世界なのだから。


職業やレベルがある日本と比較し非科学的な力である魔力がある世界だった。話を聞くとTheファンタジーを体現したかのような世界観。私自身大好きだったジャンルの話だった為密かに興奮していた。


最初の能力=ステータスを知るために水晶へ手を翳すように言われ強要された私のステータスは異世界人とは思えぬほど脆弱だったらしい。




..............................



................




「やっぱり勇者は輝だったな。」



水晶に手を翳した天野輝は全員から賞賛の拍手を受けていた。



-----


天野輝 17歳 異世界人


職業:勇者


ステータス

レベル:1

体力:100

魔力:100

力:100

生命力:100

器用:100

知力:100

運:100


スキル

・聖力



-----



この世界のレベル1での平均、勿論戦闘職という前提で低くても20あれば高い方だと言う。職業によっては得手不得手が有るので数値が0というのもザラ。その中での勇者のこのステータス値がどれほど異常で素晴らしいものかが分かる。




............



.............................




私の初期のステータスは未だに覚えている。それほど私にとっては鮮烈だったとも言える。



-----


桜城百合奈 17歳 異世界人


職業:魔術師


ステータス

レベル:1

体力:12

魔力:23

力:6

生命力:9

器用:15

知力:22

運:3


スキル

空欄



-----



勿論平均を超えていたのもあった。がこれは超えたと言えるような数値では無い。平均どころか以下だったとも言える。と言うのも周りの反応が明らかに落胆していたから。この数値に対して不思議そうな顔をしながらも笑みを浮かべていた魔術師長であるファーリアさん。場にそぐわない行動に疑問を抱いた。



それから座学による知識と剣術や魔術を扱う訓練が行われた。皆が一様にステータスを伸ばしていく中、私は一切の上昇を見せず知識ばかりが増えていく。過激な苛めも起きていたし、退屈以上の何物でもない毎日だった。そんな中、成長しない私をある日の朝方、城から秘密裏に追い出した。今では追い出されたことを恨んではいないけど訳が分からぬままに目的地だけを告げられ怒る気力さえも無かった。



朝が早いと言うのに街には活気が溢れ対照的な心情にイラつきを隠せずにいた。目的地とやらも話を聞くに変わり者、街外れとマイナスな事ばかり言われるので思わず頬を引き攣らせた。





目的地に息を切らし着いた頃にはお昼が近くなっていた。運動はそこまで苦手じゃ無かったけどステータスとしての数値を見た後だと体力がないのも当然かと思い返す。



中に住んでいたのは長髪のだらしない格好をしている男性。姿を見て声を出せなかった。明らかな不信感を抱かれ面倒を隠さないその態度に腹が立たないはずも無かったが気力が無いため黙っていた。


能力を解放し、魔術師から魔法使いへと至った私だが、何だか放任主義の彼は教えるということをほとんどしなかった。出来ないとは言っていたが魔法は遥か昔から存在し全てを理解することは後300年とか位は時間が欲しいと言っていた。



今までの旅は思い返すと膨大になってしまうのでここまでにしようと思う。現在の詳細なステータスだけ確認しておくことにする。



-----


桜城百合奈 18歳(18歳) 異世界人、魔人


職業:魔法使い

適正:〈主〉赤、青、緑、黄、白、黒


ステータス

レベル:185

体力:3760

魔力:7490

力:690

生命力:1260

器用:4800

知力:7010

運:2060


スキル

・心汲

・主適正

・未来予知



-----



最初の頃の弱さは無いけど油断はしない。この世界では死が隣り合わせ。慢心していると足元を掬われる。



「素直に嬉しいけども。」


「......ステータスでも見てたのか?」


「っ!!?」



急に話しかけられ、驚きのあまり声が出ない。先程までぐっすり寝て起きる気配が無かったノトさんが真後ろに立って声を掛けたからだ。



「そんなに驚くことか?」


「察知系は切っていたので。」


「そりゃあ、俺とは違って常日頃警戒はしないわな。」



悪びれる様子がなく未だ心臓がバクバクとなっているままで会話を続ける。



「詳細なステータスを見る魔具は有るんですか?」


「? 使わなくても自分の『ステータス』で今は詳細が見れるだろう。最初は魔具に感化されて魔力値位しか見えてなかったが。」


「いや、ノトさんのステータスが気になるなと。」


「........まあ、別に良いか。」



少し悩んだ素振りを見せた後『異空間収納』より前とは形状が異なる『鑑定石』を取り出す。が、直ぐに仕舞う。



「んっ!?」


「『血の盟約』してるから見れる。今までは一方的だったけど。」



そう言った後に大きな欠伸をしながらベッドに腰掛ける。私も隣に座ってからステータスを表示させる。



-----


ユキノトリア=ルギシニラ・ミル 27歳(287歳) 魔人、魔王


職業:魔法使い

適正:〈主〉赤、青、緑、黄、白、黒、無


ステータス

レベル:290

体力:15400

魔力:20100

力:12300

生命力:14220

器用:19980

知力:24750

運:3210


スキル

・全適正

・邪王



-----



ノトさん、本名ユキノトリア=ルギシニラ・ミル。基本的にノトとしか名乗らないので本名を知っているのは私を含めて数人程度。何でも困らないので、名前を名乗るのが面倒という理由らしい。


沢山の肩書きを持っている。面倒と言う割に色々とやっている。


先ずはルギシニラを治める魔王。人ならざる全てが住まう街の当主でそれぞれの種族の特性ごとにある程度テリトリーがあり、メインストリートから行けるようになっている。全ての種族が同じような生活スタイルで無いが為に考えた策だと言った。意外にもそれで何とかなったのだから成功と言えるだろう。


第二に先に言った魔王とは違う存在。ある一定の周期で災厄を齎す魔王。ありとあらゆる手を使い自我を保ったまま生き、新たな魔王が出現するのを防いでいる。


第三に200年ほど前の魔王騒動での英雄且つギルドのトップであるSSSランクの『暴嵐』。聖剣に選ばれ魔王へと至った時に魔剣へと変化した。二対一でも『焔姫』サラさん、『怪力』ヴェロックさんに勝てるらしい。勿論何でもありに限るとは言っていた。



最後に転生者であること。雪原烈乃斗。数年ほど前に母親殺しから始まり大量の殺人を侵した殺人鬼。幼いながらに侵した罪の重さにメディアは加熱して伝えていたのを鮮明に覚えている。





極度の面倒臭がりで楽しいことは大好きな戦闘狂い。本人には自覚がない所もややあり。とはいえそのハチャメチャな行動は見ていて楽しいし、時には私をきちんと見据え必要な言葉を掛けて労わってくれる優しい心も持っている。振るう力も自分と大切な物を守る為に正しく使っている。単に自分の力が露出するのを控えているだけというのもあるかもしれないけれど。



「多分まだ伸びるぞ。」


「.......え?」


「いや、これから迷宮に潜りに行くからな。勿論事後処理をある程度片付けてからだが。」


「何処の、迷宮でしょうか?」


「全部だ。」


「全部!?」



何でも封印された記憶と力を取り戻す為だと言う。一番は記憶の回収とは言っていたが取り戻して暴走の危険は無いのかと思っていたら考えを読まれる。



「可能性としてはあるが全く知らない状況では封印に近付けないようになってたし、今は自分のことを少し分かっているつもりだ。だから全てコントロールしてみせる。」



固い決意に何も口は挟めない。私はただ頷く。



「さて、先ずは面倒事から片付けちまうか。」


「?」


「勇者たちに説明はしなきゃいけないだろう。後はウィッチェ近くで行ったことだから騒ぎになっていそうだからそっちの沈静化も。一から説明すんのもダルいがやらねえと後々首締めるからな。」



立ち上がり伸びをするノトさん。長かった髪が短いどころかはっきりと紅い目が晒されている。隠す気は無いと言うことだろうか。全身を張っていたであろう蔓の模様は右目周辺にだけ名残を残し後は消えているそうだ。禍々しい雰囲気は以前よりも強く感じる。



「さて、行くぞ。」



差し伸べられた手に私は手を伸ばし強く握り返したのだった。













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