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見習い魔法使いが最強に至るまで  作者: 鬼仁雪姫
第1章
17/103

17話 新しい魔法の発案と回復魔法


 夜遅く師匠は帰ってきた。私はまだ起きていて娯楽として買った本を読んでいて急に玄関が開いたときは集中していた事も有り吃驚した。何故だか妙に変な感じがしたので入ってきた様子からじっと見ていると表情は何かすっきりしている様な後悔してる様な色々な感情が混ざっていた。俯きがちで此方に気付いていない様子で、特に何をして来たのかも言わず若干ふらつきながらリビングにあったソファに倒れ込み直ぐに眠ってしまった為、起こさずに毛布を掛けてあげた。


 だけど全く何も分からなかった訳では無い。私より強い筈であろう師匠が今まで全く反応していなかった固有スキルで少し感じる事が出来たのだ。私に対して向けたものでは無かったが若干、負のオーラを感じたのだ。それと同時に正のオーラも感じ感情が複雑に絡み合っているのが分かった。


 起こしに来るなとか部屋に入るなとか言われるくらいだからてっきり寝顔を見られたくないとかそんな事かと思っていたけどそうでもないのか、それとも私がいることすら認識していなかったのか兎に角師匠は寝てしまったので何とも聞きようがない。


 そんな事を考えつつ、師匠の寝顔を眺めていたら急激に眠気が襲ってきてその場に崩れ落ちた。何かとても大事な夢を見た筈なのだが起きた時その夢の内容は全く思い出す事が出来なかった。そして、目を開けた時師匠が私の顔を覗きこむようにしてじっと見て来た事に気付き慌てて体を起こすと師匠がさっと頭を退けてぶつかるのを回避して文句言いたげな様子をスルーしながら状況を判断する。よくよく見ると私がソファに居るし外を見て今の状況に気付く。



「……もしかして……朝…?」


「おう、そうだぞ。昨日どうやらソファで寝落ちした所気遣ってくれた様で、ありがとな。だけどユリナも疲れていたのか何故か床で寝ていたから一回夜中に起きた俺がソファに寝かせておいたぞ。代わりに俺が床に寝たから結構全身痛いんだが。」


「す、すみません。」


「別に気にすんな、此処で寝ちまった俺も悪いし。そんな事より、今日は昨日言ったようにずっと魔法の修行するぞ。先ずは攻撃魔法からで、形が出来てきたら[白]魔法の回復を試してみようか。」



 いつも通り変わらない大きな欠伸をして腰や腕を動かして伸ばしている師匠がそこにはいた。今日は全くオーラを感じなくなった。昨日の固有スキル発動した事は勘違いだったのだろうか。もやもやしながらも固有スキルの事は聞いても本人しか分からない事なので意味が無いなと思い、気持ちを切り替える。


 そうして、そそくさと諸々の準備を終えると外に出ていつもの広場で修行を開始する。



「さてと、さっき攻撃魔法とは言ったが水球と同じ要領でイメージが有ればどんな形でも攻撃になり得る。風だって圧縮して打ち出せば木を切り倒すことだってできるし、なっ。」



 そう言って私の横をヒュッと言う音が通った直後にドスーンとちょっと大きめの音を立てながら一本の木が切り倒された。風だと形が想像つかないが水を前は球体にしたが立方体にする事も出来る。後は刃物みたいにすることも出来る。後は放出する様にすれば攻撃魔法の完成だそうだ。説明しながら形を作りながら説明される。



「こんな感じとしか言い様ないんだけど。形は自分に合う物を見つけていってくれ。取り敢えず今から3時間程自由に休憩を挟みながら色々試行錯誤してみ。」


「自由に、という事は師匠は何かするんですか?」


「……眠いから俺は少し寝たい。」


「……。」



 言いながら端の方に移動して木の下に腰掛けたと思ったら既に寝ている。寝るスピードが速いのは突っ込まない方がいいのかな。自由にやっていいと言われているので取り敢えず[青]魔法で水を扱えると聞いた時やってみたい事が有ったのだ。だけど一発で上手く行くか分からないからやれる所までやってみようと意を決して挑戦を始めた。



 ――バシャーン、バシャーン。



 何度も地面に水が打ち付ける音を繰り返す。



「はあ、はあ。」



 もう少しで完成しそうなのだがどうしても形が出来てもそこから攻撃、放出までに至らない。



「……その形で攻撃に転じたいなら泳がせるイメージの方が正しいんじゃないか? 一直線に打ち出そうとするから上手く行かないんじゃないかと思う。それ海に居る奴だろ? 名前忘れた。何だっけか?」


「うわっ!! 吃驚したぁ。急に話し掛けないで下さいよー。というか何時起きたんですか。」


「あ、悪いな。そんなに集中していると思わなかった、息切らしてたし休憩するのかと思ってた。起きたというか魔力の流れとかバシャバシャと音がなってりゃ深い眠りに入る訳無いだろう。んで名前何て言うんだっけ?」


「はあ、そうですか。これは一応イルカをイメージしてますよ…………泳ぐ、か。確かにそう考えるのが妥当ですね。放出するだけしか考えていなかったけどそこまでイメージした方が上手くいくのか。成程。」



 再び集中して今度は形を作り出した後空中を泳がせるように滑らかに滑る様にイメージするとすんなりと上手く行った。あれだけ攻撃に転じる事が出来なかったのに師匠のアドバイス後直ぐに上手く魔法を発動させることが出来た。


 「やりましたよ!」と、寝ると言っていたのに実は起きて見守っていたのだろうかと思って師匠の方を振り返るとまた同じ木の下に行って寝ていた。本当に悪いと思っているのだろうか。思わず半眼になる。



 暫く同じ事をずっと繰り返して練習したら大分集中が薄くても素早く発動して攻撃する事が出来る様になった。数も最初は一匹だけだったけど複数同時に出せる様にもなった。そして、さっきの二の舞にならない様にさっと後ろを警戒して見たが師匠がいなかったので安心してほっと息をつこうとした。



「残念。毎回後ろに居るとは限らないぞ。」


「ひい! ホントに驚かすの止めて下さいよー。」


「ひいって。ププッ。気配察知出来てれば分かる様に近づいているんだがちょっと緩くなっているみたいだな。まあいいや。かなり予備動作と発動してからの攻撃速度が大分短縮しているし最初からこんな高度な事やるとは思っていなかったが水に関しては今後どんな形でも直ぐに発動できるだろうしもう少し操作できるようになったら温度も変える事出来そうだな。本当に上達が早くて吃驚だよ。」



 今度は振り返った私の動きを読んだのか正面に現れた。しかも笑われたし、今も笑いを堪えて堪えきれず肩を振るわせている。急に現れたら誰だってそういう反応すると思うと文句を言いたい。


 そんなことよりも師匠の言葉に驚いた。イメージすれば自由に出来るものだと思ったからやってみたんだけど高度な事だったのか。



「まあ大体3時間位経ったみたいだし今度は[白]魔法を試してみようか。[白]魔法の代表的なのが回復魔法なんだ。ああ、回復以外にも攻撃も出来るし元々は光系だから、うーん。目眩ましとか? 光を具現化させるって難しいから良い方法思い付かないな。因みに回復は体力のみに効くからな。でも戦闘していく上で体力の回復は長く戦闘を続ける為にもなる。残念ながら[白]魔法の回復だけはイメージじゃどうにもならなくてな。これだけは俺の方から使用できる様にしよう。その後はそれが制御できる様にする。そうだな、さっき切った木の成長を促してみようか。」


「使用できる様に、ですか。」


「ああ、座って休憩したままで良いぞ。それじゃあ『活性化』。」



 私の座っている所を中心に魔方陣が展開されて光に包まれた後消えていった。今のは”魔術”の方だったのだろうか。普段何も言わないで”魔法”を発動させているし。そう考えると”魔術”で”魔法”を『活性化』させるというのも謎だけど。この辺聞いたら割りとうやむやにされて詳しい事は教えてくれなかった。分からないという訳でも無さそうだったのに何でだろうか。



「これで取り敢えずは使える様になっている筈だ。久し振りに使ったけど上手く行ったな。慣れないことはするもんじゃないなあ。」


「今のでオッケーなんですか、早いですね。そういえば話凄く変わるんですけど魔法ってイメージと違うなーと思いました。」


「確かに変わったが、急に何だ?」


「いえ、てっきり”魔術”みたいに何か呪文みたいなのを唱えないと発動しないとか有るのかと思いましたけどそれが全く無く”魔法”を使用できるんだなあと思って。詠唱って言うんですかね? いや、私としては無い方が有り難いですけど。」


「ああ、それか。別に言っても良いけど言ったら相手が何をするか察するだろう? 言わなければ相手が構える前に攻撃できるだろう。それにそういう詠唱を必要だと言っていた奴もいたが俺はそんなの面倒だし言わなくても使えるんだし教えて無いだけだ。別に言いたかったら言ってもいいぞ。別に何喋ったってイメージがしっかりしていれば発動できるし。強固なイメージがきちんと出来てれば、だけどな。」


「へえ。そういうものなんですか。折角さっき攻撃魔法を覚えたので何かしら言った方が自分的には発動しやすそうだなあと思って。」


「別に好きにするといいさ。それじゃあ何て言うか楽しみにしとくわ。攻撃魔法を一旦中断してもう少し休憩したら回復魔法を試してみようか。」


「はーい。」



 発動する時に技名を言うのって厨二病くさいと思われるかもしれないけど異世界ものでは呪文を唱えるのとかは有る事なので憧れていたのだ。長ったらしい詠唱はちょっとって思うけどね。前から攻撃魔法を生み出した時に何て言うか決めていたのだ。あまりほじくりたくない過去ではあるけどお城での魔術師の訓練で”魔術”が詠唱有りで羞恥に悶えた。ただ、詠唱が必要なのは”魔術”の中でも中度から高度な物に必要で例えば単に水とか風とか火とか出すくらいなら魔方陣さえ展開できれば出せる。師匠がやってた方法。そんな雑魚魔術は不要と言われて知識だけ教えてもらっただけだったが。


 過去を振り替えるのを頭を降って中断し”魔法”に対して考えを巡らせフフフッと上機嫌になり笑いながら立ち上がり回復魔法の練習を始める。



 結果としてすぐに回復魔法を使用する事が出来た。師匠からはすんなり出来て当然だと思われてたらしく〈主〉に[白]魔法が有る事が理由だそうだ。使用効率が〈主〉だと扱いやすいそうであっさりと回復魔法の修行を終えてしまったのだった。因みに回復魔法に関しては定番と言えば定番で『ヒール』と唱えて発動する様にした。捻りが無いと言えばそうだが定番だからこそ私の憧れが叶ったというか何というか。だって今までは妄想でウヘヘと楽しむだけだったのだから実際使えるなら「やっぱこれっしょ!」ていうノリで決めた。私がこの考えを内心だけでやっていたのだがニヤニヤとしながら顔にばっちり出ていたそうで寝た振りをしていた師匠がまたもや肩を振るわせて笑っているのに気付かなかった。が、「ブフゥ」と吹き出した音で気付き直ぐに発動出来るようになった水球をしこたま打ったがニヤリと笑った師匠は全部を同じ水球で打ち落とすという技を見せつけて私が思わず舌打ちしまったのに対して更に爆笑されると言った事があった。



 そんな一日が過ぎていき残りの余った時間を、魔法を直ぐに出せる様に練度を上げるのをし続けたのだった。お陰で大分素早く出せる様に仕上げる事が出来、これには師匠も満足そうだった。(師匠は時に笑いながらも寝ていたが。)5日目があっという間に終わりを迎えた。







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