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毒舌系社畜女子、異世界でも社畜を極めてしまう~可愛げがなくてごめんなさい~  作者: あげは渓名


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 この掛け声と共に私は作業に入った。まずはスキンケアである。蜜蝋で完全に塞いでいた肌はビックリするほどカッサカサだ。そこにこれでもかと言う程、薔薇で作った化粧水をパッティングしていく。


「良い香りね。これは薔薇?」

「はい。マリアンヌ様の肌は少し乾燥しているようなので、保湿力の高い薔薇の化粧水を使用しています。この後にオリーブオイルと蜜蝋で作った保湿オイルを塗って、スキンケアは終了で~す」

「それだけ?」

「はい。マリアンヌ様の肌のお悩みはさしずめこの乾燥です。これさえ治れば肌は見違えるように輝きますよ~」

「まぁ! 本当⁉ 色は? 色は白くなるかしら?」


 出た。色白ブーム。私は内心うんざりしていた訳だが、これは日本でもよく聞いたセリフだ。二言目には『白くなるの?』


 ああ、はいはい。美白ね、なるなる。


 ただ言っておくけど、遺伝の壁は何やったって超えられないからね⁉ 何度心の中でそう叫んだ事か。そして今も叫びたい。


 しかし私は美容部員もやっていた。そんな心の声など一切封印してにこやかに話す。


「薔薇には美白成分が含まれているので、ある程度は効果が期待できますよ~。でもそれは不健康な色の白さではなく、抜けるような輝きに満ちた白さです。可愛らしいマリアンヌ様にはピッタリのお化粧水なんです~。何よりもこの薔薇の香り! 高貴なこの香りこそ、マリアンヌ様に相応しい香りだと思います。あ、こちらの化粧水は販売もしておりますので、お気に召したら是非帰りに受付のクリスにお伝えくださいね~。では、次にオイルを塗り込んでいきますね。皮膚と言うのは、水と油が交互に重なって出来ています。乾燥すると、まるで紙のようにゴワゴワガサガサしてしまうのです。なので、それを補ってあげましょう。こうやって……」


 そう言って私はマリアンヌの後ろに回り込んで、両手の平にオイルを塗り込んで温めると、それでマリアンヌの顔を優しく包み込んだ。


「あ、もたれていいですよ~」


 お腹にマリアンヌの頭をもたれさせ、完全リラックスモードを作り出す。


 マッサージをしつつ、特に乾燥の気になるTゾーンと頬に念入りにオイルを染み込ませていると、マリアンヌが、ほぉ、と息を吐いた。


「気持ち良いわ……うっかり寝てしまいそうよ」

「頑張って起きててくださいね~」


 この言葉が出たら大方成功である。相手は超リラックスモードに突入したという合図だ。ここでエステティシャンの頃の経験が生きる。


 マッサージが終わり、ここからが本番である。


 まず初めに、この世界のファンデーションと言えばまだ鉛や水銀が主流だ。


 しかしこの二つ、人体には非常に悪い。何なら水銀の種類によっては猛毒である。さらにこの時代の化粧はとにかく真っ白に塗りたくる。この一択なのだ。そりゃ肌も体もボロボロになる。ましてや顔に塗る物。そこに毒性の強い物が使われていたら、どうなるかなど考えなくても分かる。


(だから私は作ったのだ。ファンデーションを! この鉛と水銀のとんでも白粉が流行し続ける世の中に警鐘を鳴らすべく!) 


 と、言うのは建前で、本当は内心ガッポリ儲けて楽したいのである。


 まぁそんな話は今はいい。とりあえずそんな訳で、私はここでガッツリ稼いでさっさと隠居したいという一心でまずは化粧品を一式作ってやった。


 化粧水、乳液から始まって美容液、ファンデーション、口紅、チーク、マスカラ、アイライナー、その他もろもろを!


 何故こんな事が出来たのか。それはひとえに私がいた化粧品会社はナチュラル系の会社だったという事と、この世界には鉱物が履いて捨てる程あったからだ。


 ちょっと信じられないと思うが、あまりにも鉱山がある為に金や銀でもびっくりするほど安い! そりゃ使わない手はない! という訳で、案外簡単に化粧品を作る事に成功したのだ。まぁ、相棒のクリスの力が相当に大きかったが。


 さて、ではマリアンヌ改造計画に取り掛かろう。


「ではまずは下地を塗りますね~。マリアンヌ様は今は血色があまりよくありません。なので、少し赤味を足します。この下地にはルビーの粉が少量入っていまして、ほら! 光の加減でキラキラ光るのがお分かりですか?」


 すかさずマリアンヌに鑑を渡すと、マリアンヌは鏡を覗き込んで感嘆の声を上げた。


「ほんとだわ! キラキラしているわ!」

「ええ、ええ、もうキッラキラですよ。そしてこのままファンデーションを塗ります。乾燥気味のマリアンヌ様にはこちらの保湿もしてくれるオイルファンデーションをご用意しました。付けていきますね」


 そう言って手早くファンデーションを顔面に塗りたくっていく。どうせ元は絵画のような顔だったのだ。少々乱暴にしても彼女たちは大して気にもならないようだ。


「あまり白くはないのね……」

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