第76話「知る前に、決めていた」
白い光は。
消えなかった。
ぱんでむの窓の外。
遠い。
距離というものが意味を持つのかもわからない暗闇の中で。
一本。
細い白い線が。
こちらを向いている。
好代は。
窓の前に立っていた。
隣には。
真意ちゃん。
少し後ろに。
理性ちゃん。
「まだあります」
好代が言った。
「うん」
真意ちゃんが答える。
理性ちゃんは。
湯呑みを持ったまま。
白い光を見ていた。
「敵意は?」
「ありません」
「殺意は?」
「ありません」
「害意は?」
好代は。
棚を開く。
においを読む。
「……それも、ないと思います」
「では何をしに来たのじゃ?」
「知りたいんだと思います」
昨日と。
同じ答え。
でも。
今日は。
少し違った。
「ぱんでむを?」
「はい」
真意ちゃんが。
窓へ近づく。
「こっちを見てる」
「見ている?」
「うん」
「目がありますか?」
「ない」
「じゃあ、どうやって?」
「わからない」
好代も。
わからなかった。
ただ。
一つだけ。
昨日より。
はっきりしている。
光は。
こちらへ来ようとしているのではない。
こちらを。
測ろうとしている。
そんなにおいだった。
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第一章「入ってこない」
朝になっても。
白い光は。
そこにいた。
位置も変わらない。
大きさも変わらない。
ただ。
ときどき。
細くなる。
太くなる。
それだけ。
秩序ちゃんが。
研究区画へ来た。
端末を持っている。
「外部境界への侵入反応はありません」
「入ってきてない?」
真意ちゃんが聞く。
「はい。接触もありません」
理性ちゃんが。
湯呑みを置く。
「では放っておけばよいのではないか?」
「現時点では、その判断も可能です」
秩序ちゃんが答える。
「ただし」
「ただし?」
好代が聞く。
「観測されている可能性があります」
「観測?」
「こちらの構造情報が、外部へ取得されているかもしれません」
好代は。
窓を見る。
昨日。
誰かが。
ぱんでむを知ろうとしている。
そう感じた。
でも。
知る。
という言葉には。
いろいろある。
真意ちゃんみたいに。
もっと知りたい。
わかりたい。
というもの。
理性ちゃんみたいに。
知った上で。
何をするか決めたい。
というもの。
そして。
今。
窓の向こうにいる何か。
これは。
そのどちらでもない気がした。
「……真意ちゃん」
「なに?」
「知りたいって、どうやって知りますか?」
「見る」
「はい」
「触る」
「はい」
「比べる」
「はい」
「わからなかったら、調べる」
「じゃあ」
好代は。
白い光を見る。
「最初に答えを決めてから見ることもありますか?」
真意ちゃんが。
止まった。
理性ちゃんが。
好代を見る。
「何か感じたのか?」
「まだ」
好代は答えた。
「でも」
白い光が。
一度だけ。
細くなった。
「これ」
少し間を置く。
「私たちが何なのかを知りたいんじゃなくて」
好代は。
胸の奥にある。
小さな違和感を。
そのまま言葉にした。
「自分の答えが合っているか、確かめに来たような気がします」
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第二章「これは何ですか」
昼。
変化があった。
白い光から。
何かが。
落ちた。
窓の外。
白い四角。
紙より薄い。
光より重い。
そんなものが。
ゆっくり。
近づいてくる。
「来た」
真意ちゃんが言う。
「境界を閉鎖します」
秩序ちゃんが端末を操作する。
研究区画の扉が閉じる。
けれど。
白い四角は。
壁へ衝突しなかった。
窓にも。
触れなかった。
その手前で。
止まった。
「……?」
好代が近づく。
白い四角が。
動いた。
好代ではない。
理性ちゃんの。
湯呑みへ。
細い光が伸びる。
ぴ。
小さな音。
四角い面に。
文字が出た。
飲料容器
理性ちゃんが。
眉を上げる。
「そこは合っておる」
真意ちゃんが。
白い四角を見る。
「分類してる」
次。
机。
ぴ。
作業台
次。
椅子。
座具
次。
記録端末。
情報端末
「ずいぶん大雑把じゃのう」
理性ちゃんが言う。
「間違ってはいません」
秩序ちゃんが答える。
「しかし、十分でもありません」
好代は。
白い四角を見る。
「これは」
ぴ。
今度は。
秩序ちゃんへ。
光が伸びた。
管理個体
「……」
秩序ちゃんが黙る。
真意ちゃんが。
少しだけ笑った。
「合ってる?」
「コメントは控えます」
次。
真意ちゃん。
ぴ。
解析個体
真意ちゃんが。
文字を見る。
「浅い」
「浅い?」
好代が聞く。
「それだけじゃない」
次。
理性ちゃん。
ぴ。
表示。
判断個体
理性ちゃんが。
目を細める。
「失礼な札じゃな」
「間違ってますか?」
好代が聞く。
「間違ってはおらぬ」
「じゃあ」
「じゃが」
理性ちゃんは。
白い四角を見る。
「わらわを一語で終わらせるな、という話じゃ」
好代は。
その言葉を。
棚へ入れた。
一語で。
終わらせる。
白い四角が。
動く。
そして。
研究台の上に並ぶ。
三つのケースへ向かった。
カオスドナルド。
闇ドナルド。
エビルドナルド。
光が。
一つずつ走る。
ぴ。
ぴ。
ぴ。
表示された文字は。
三つとも。
同じだった。
ドナルド系統
好代の表情が変わった。
「違います」
白い四角は。
反応しない。
「違います」
もう一度。
好代が言う。
「好代ちゃん?」
真意ちゃんが見る。
好代は。
三つのケースを指した。
「同じじゃないです」
昨日。
ずっと調べた。
同じところから始まっている。
同じにおいもある。
でも。
違う。
受け取ったものが違う。
受け取ったものを。
どう扱ったかも違う。
願いも。
結果も。
違う。
「一緒にしたら」
好代は言った。
「昨日調べた意味がなくなります」
白い四角は。
答えない。
ただ。
三つを。
同じものとして。
記録していた。
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第三章「知る前に、決めている」
「なるほどのう」
理性ちゃんが。
椅子へ座った。
「好代ちゃんの違和感は、これか」
「はい」
「こやつは」
理性ちゃんが。
白い四角を見る。
「知ってから分類しておるのではない」
真意ちゃんが。
続ける。
「分類してから、合ってるものを拾ってる」
「はい」
好代は。
三つのケースを見る。
カオスドナルド。
闇ドナルド。
エビルドナルド。
白い四角から見れば。
全部。
同じ。
ドナルド系統。
「それだと」
好代が言う。
「違うところが、最初から見えなくなりませんか?」
「なる」
理性ちゃんが答える。
「たとえば」
理性ちゃんは。
自分を指した。
「わらわを『判断する者』と決めてしまえば」
次に。
真意ちゃんを見る。
「真意ちゃんは『知る者』」
秩序ちゃん。
「秩序ちゃんは『管理する者』」
最後に。
好代。
「では、好代ちゃんは何じゃ?」
好代は。
少し考える。
「……受け取る?」
「それだけか?」
「食べる?」
「それだけか?」
「気になる?」
「それだけか?」
「……」
答えられない。
好代は。
少し笑った。
「いっぱいあります」
「そういうことじゃ」
理性ちゃんが言った。
真意ちゃんは。
白い四角の前へ。
しゃがみ込んだ。
「ねえ」
反応なし。
「私たちを知りたい?」
反応なし。
「それとも」
真意ちゃんは。
三つのケースを指す。
「知っているものを探してる?」
その瞬間。
白い四角が。
止まった。
好代が。
顔を上げる。
「……反応しました」
「何に?」
「今の言葉です」
白い四角が。
初めて。
自分から文字を出した。
照合中
四人が。
黙った。
理性ちゃんの目から。
少しだけ。
眠そうな色が消える。
「照合」
秩序ちゃんが繰り返す。
「つまり」
真意ちゃんが言う。
「探してるものが、最初からある」
好代の棚が。
開いた。
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第四章「白い断片」
白い四角が。
突然。
向きを変えた。
真意ちゃんへ。
いや。
真意ちゃんではない。
胸元。
そこにある。
小さな。
白い断片。
昨日。
好代に反応したもの。
「これ?」
真意ちゃんが。
取り出す。
白い欠片が。
淡く光る。
四角から。
細い光。
ぴ。
一度。
止まる。
ぴ。
もう一度。
文字。
由来一致
好代の呼吸が。
少しだけ。
止まった。
「何と?」
秩序ちゃんが言う。
表示が変わる。
原型情報不足
「原型?」
真意ちゃんが。
白い欠片を見る。
理性ちゃんが。
身を乗り出す。
「その欠片を、こやつは知っておるのか?」
「違う」
真意ちゃんが言う。
「知ってるんじゃない」
「では?」
「似たものを探してる」
白い四角。
白い欠片。
窓の外の。
白い光。
同じ白。
でも。
好代には。
同じにおいではなかった。
「違います」
好代が言う。
「色は同じですけど」
「においは?」
真意ちゃん。
「違います」
「じゃあ別物」
「はい」
昨日なら。
そこで。
終わっていたかもしれない。
違うもの。
別のもの。
でも。
好代は。
もう一つ。
考えた。
「でも」
「なに?」
「違うのに」
白い四角を見る。
「向こうは、同じだと思っている」
その瞬間。
白い四角に。
新しい文字。
候補一致
理性ちゃんが。
小さく。
舌打ちした。
「気に入らぬのう」
「何がですか?」
「こちらが違うと言うておるのに」
理性ちゃんは。
白い四角を睨む。
「向こうの分類の方を優先しておる」
好代は。
白い断片を見る。
昨日。
そこには。
知りたい。
わかりたい。
伝えたい。
一緒に考えたい。
そんな。
真意ちゃんの「好き」が。
少しずつ重なっていた。
でも。
白い四角には。
そのどれも。
見えていない。
見えているのは。
由来。
一致。
候補。
分類。
「……嫌ですね」
好代が言った。
「嫌?」
真意ちゃんが聞く。
「はい」
「怖い?」
「違います」
好代は。
首を振った。
「ちゃんと見てないのに」
白い四角を見つめる。
「わかったことにされるのが、嫌です」
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第五章「好代」
白い四角が。
動いた。
ゆっくり。
好代へ。
「好代ちゃん、下がって」
真意ちゃんが言う。
「はい」
一歩。
下がる。
四角も。
一歩ぶん。
近づく。
もう一歩。
好代が下がる。
また。
ついてくる。
「対象は好代ちゃんです」
秩序ちゃんが言った。
研究区画の空気が。
少しだけ。
変わった。
「好代ちゃん」
理性ちゃん。
「無理に受け取るでないぞ」
「はい」
「昨日できたから今日もできる、とは限らぬ」
「はい」
昨日の。
黒い粒子。
受け取った。
知った。
自分で。
どう扱うかを決めた。
でも。
だからといって。
今日も。
触ればいいわけではない。
好代は。
白い四角を。
見た。
「触りません」
理性ちゃんが。
わずかに笑う。
「うむ」
光。
ぴ。
好代の胸。
表示。
人間
消える。
クルー
消える。
受容個体
消える。
世界線情報保持
消える。
変質不成立
好代の目が。
少し細くなる。
また。
消える。
次。
文字が。
出ない。
白い四角が。
止まった。
一秒。
二秒。
三秒。
長い。
真意ちゃんが。
画面を見る。
「迷ってる」
「迷うんですか?」
「分類できない」
白い四角から。
細い音。
ぴ。
ぴ。
ぴ。
今までより。
速い。
何度も。
何度も。
好代を測る。
棚が。
勝手に開きそうになる。
好代は。
閉じた。
「……」
受け取らない。
今は。
受け取らない。
知らないものを。
全部。
自分の中へ入れる必要はない。
昨日。
知ったから。
今日は。
そう決められた。
白い四角。
最後に。
一つだけ。
文字を出す。
実体確認
好代の中で。
何かが。
跳ねた。
「……!」
におい。
ほんの一瞬。
白い光には。
なかったはずのにおい。
黒い。
焦げた。
甘い。
でも。
カオスドナルドとも。
闇ドナルドとも。
エビルドナルドとも。
違う。
その奥。
一つだけ。
知っている。
もっと。
好代は。
白い四角から。
離れた。
「好代ちゃん?」
「今」
「うん」
「ありました」
「何が?」
好代は。
胸を押さえる。
「エビルドナルドの粒子にあったものと」
息を整える。
「似たにおい」
理性ちゃんが。
立ち上がる。
「同じか?」
「いいえ」
即答。
「違います」
「ならば同じものとは決めぬ」
「はい」
真意ちゃんが。
白い四角を見る。
「でも、関係はあるかもしれない」
「はい」
好代は。
白い四角を見る。
昨日。
三つの歪者を。
違うものとして残した。
今日も。
同じ。
似ている。
でも。
同じとは。
決めない。
---
第六章「こちらから渡すもの」
「壊しますか?」
秩序ちゃんが聞いた。
理性ちゃんは。
すぐに答えなかった。
昨日なら。
危険性が否定できないものを。
破棄するべきだと。
言った。
今日は。
少し違う。
「まだ攻撃はしておらぬ」
「はい」
「好代ちゃんにも接触しておらぬ」
「はい」
「じゃが」
理性ちゃんは。
白い四角を見る。
「こちらの情報を持ち帰らせるのも、気に入らぬ」
真意ちゃんが。
言う。
「もう持ってると思う」
「じゃろうな」
「なら」
真意ちゃんは。
白い四角の前へ。
紙を置いた。
何も書いていない紙。
「こっちからも渡そう」
好代が。
真意ちゃんを見る。
「何を?」
「向こうが勝手につけた名前じゃないもの」
理性ちゃんが。
少しだけ。
笑った。
「なるほどのう」
秩序ちゃんが。
紙を見る。
「何を書くのですか?」
好代は。
少し考えた。
管理施設。
世界線処理施設。
ハンバーガーショップ。
異常空間。
研究拠点。
どれも。
間違ってはいないのかもしれない。
でも。
どれも。
全部ではない。
好代は。
ペンを取った。
紙に。
四文字。
書いた。
ぱんでむ
「これでいいです」
真意ちゃんが。
紙を見る。
「説明しない?」
「はい」
「どうして?」
好代は。
笑った。
「知りたいなら」
白い四角を見る。
「向こうも、少しくらい考えればいいです」
理性ちゃんが。
声を立てずに笑った。
「よいのう」
白い四角が。
紙へ。
光を当てる。
ぴ。
文字。
未分類
好代。
真意ちゃん。
理性ちゃん。
秩序ちゃん。
誰も。
何も言わない。
しばらくして。
表示が変わった。
名称登録
そして。
ぱんでむ
好代が。
目を丸くした。
「そのままです」
真意ちゃんが言う。
「直さなかった」
「はい」
「初めて」
「はい」
白い四角が。
ゆっくり。
後退する。
窓を抜ける。
壁を抜けるのではない。
来た時と同じ。
どこにも触れず。
遠ざかる。
白い光へ。
戻っていく。
細い白い線が。
一度。
大きく光った。
そして。
消えた。
---
第七章「知っていた」
夜。
研究区画。
白い光は。
もうない。
三つのケース。
白い断片。
記録端末。
全部。
元のまま。
「終わりましたか?」
好代が聞く。
「わからない」
真意ちゃんが答える。
「また来る?」
「わからない」
「何だった?」
「わからない」
「今日はわからないが多いですね」
真意ちゃんが。
少しだけ笑った。
「知りたいものが増えた」
理性ちゃんが。
湯呑みを持ち上げる。
「真意ちゃんには、ご褒美じゃな」
「うん」
「認めるのか」
「うん」
好代も。
少し笑った。
それで。
終わるはずだった。
秩序ちゃんが。
机の下を見る。
「……待ってください」
「どうしました?」
「一枚、残っています」
白い四角が。
消える直前。
吐き出したらしい。
細い。
紙片。
秩序ちゃんが。
触れずに。
端末で読み取る。
文字が。
表示される。
照合記録
一行目。
対象:ぱんでむ
二行目。
名称:登録
三行目。
主要対象:照合済
好代の笑顔が。
消えた。
「主要対象?」
真意ちゃんが言う。
次の行。
実体:確認
理性ちゃんが。
湯呑みを置いた。
好代は。
何も言わない。
最後。
一行だけ。
文字が。
途中まで。
崩れている。
読めない。
でも。
一部分だけ。
残っている。
……回……
その先は。
欠けていた。
「回?」
好代が言う。
「回収」
真意ちゃん。
「帰還」
理性ちゃん。
「回復」
秩序ちゃん。
誰も。
決めない。
昨日。
学んだ。
違うものを。
同じにしない。
今日。
もう一つ。
学んだ。
わからないものを。
知っている言葉へ。
無理に当てはめない。
好代は。
紙片を見た。
「まだ」
「うん」
「わかりません」
「うん」
「でも」
棚を開く。
白い光が。
消えた方向。
そこには。
もう。
においはない。
それなのに。
ひとつだけ。
妙だった。
「何じゃ?」
理性ちゃんが聞く。
「向こう」
好代が言った。
「ぱんでむを探しに来たんじゃないです」
真意ちゃんが。
好代を見る。
「どうして?」
「だって」
好代は。
紙片を指した。
照合。
それは。
知らないものを。
初めて調べる言葉ではない。
「確認しに来たんです」
「何を?」
好代は。
しばらく。
答えなかった。
紙片。
実体。
確認。
そして。
あの一瞬だけした。
「もっと」のにおい。
胸の奥に。
小さな。
嫌な感触が残る。
「たぶん」
好代は。
自分の胸に。
手を当てた。
「何かが、本当にここにいるかどうか」
真意ちゃんが聞く。
「何が?」
好代は。
首を振った。
「そこまでは、まだ」
わからない。
だから。
決めない。
ただ。
一つだけ。
昨日とは違う。
昨日まで。
ぱんでむは。
向こうを知らなかった。
今日。
向こうも。
ぱんでむを知った。
いや。
違う。
もっと。
嫌な言い方が。
一つだけあった。
好代は。
窓の外を見た。
誰もいない暗闇。
「……向こうは」
小さく。
呟く。
「前から、私たちのことを知っていたんですね」
返事は。
なかった。
研究台の上。
三つのケース。
カオスドナルド。
闇ドナルド。
エビルドナルド。
そのうち。
エビルドナルドのケースだけが。
一度。
ごく小さく。
こん。
と。
内側から鳴った。
――第76話了――




