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影葬の剣  作者: いうな
第五章 一級試験編
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第八十一話 最終面接・魔奈

扉を開けると、白い部屋が広がっていた。


なぜか無駄に広い。

総合体育館くらいはあるんじゃないか?


無機質な白い空間の奥には二つの椅子があった。

奥の椅子に座っていたのは____玲だった。


「....あ?」


眉をひそめる。


「なんでいんの?」


「不満か?」


「別に?」


椅子にドカッと座る。


「それではこれから最終試験を始める。

 質問を幾つかするから答えろ。」


「あいよ」


「お前は一次試験で何人倒した?」


少し思い出してから答える。


「......20人くらいだな。」


「.....次の質問だ。お前は任務でどうしても仲間を切り捨てなければいけないとき、どうする?」


「そもそもそんな状況にしねえよ」


即答してしまった。

まあ自分には自信がある。


「....お前なあ、俺一応試験官だぞ?

 敬語使わないと落とされるとか思わないのか」


「あー....そうッスね」


「.....次の質問。お前は0級相手に単独で勝てる自信があるか?」


「....あ?」


玲がゆっくりと、椅子から立ち上がる。


「もし仲間が全員瀕死で、すぐに治療しないといけないのに

 その0級から逃げきれないとき、勝ち切れる自信があるか?」


「.....何が言いたいんだ?」


玲がゆっくりと、本当にゆっくりとしゃがみ、

床に五本の指を付けた。


「今のお前の状況のことを言っているんだ。

 お前、俺が今お前のことを評価しなければ、魔法少女は全員死ぬんだぞ?」


「.......!!」


椅子から立ち上がろうとしたときにはもう遅かった。

床が盛り上がり、衝撃で吹き飛ばされる。

宙返りして何とか上手く着地した。


「何能力使ってんだよ....!!」


「お前も使っていいぞ?

 この試験....もとい、マナの最終試験は俺に勝つことだ。」


「ああ.....!?」


一緒に衝撃で吹っ飛ばされてきた椅子を思いっきり蹴る。

もちろん、既に【超越流動】を発動していた。


椅子が直線軌道を描き、高速で玲へと衝突する。


それと同時に走り出す。


玲への焦点は絶対にズラさない。


玲の目の前で椅子が分解され、

何百個かの鋭い破片へと変形した。


破片は私が蹴った椅子よりも速く、

私を追尾して追ってくる。


飛ぶのはダメだな。

ギリギリまで引き付けて床にぶつけて相殺するのが一番だ。


椅子の破片の破壊音が背後で鳴り響く。

どうにかして距離を詰めなければ。


だが一次試験で使ったアレはデカい溜めが必要だ。

クッソ....!!


全身をさらに強い影力で覆い、

後ろ足で地面を思い切り蹴る。


恐らくこの状態じゃ持って10秒!!


玲に超高速で間合いを詰め、

開いた拳を玲に向けて突っ込む。


拳に影力を集中させ、光線を纏わせる。


だが、玲が私にちょんっ、と触れる。

直後、体が動かなくなった。


「なっ....!?」


「どうするよ?」


「.......決まってんだろ....!!!」


さらに影力を集中させる。

残り持続時間は2秒。


「はああああああ!!」


体を無理やり動かす。

私の固有特性である、ビリビリ系(仮)は、

衝撃で連鎖的に衝撃が加わる。


元々の勢いに衝撃を加える...!!


「だあああ!!」


その時、拳が動いた。

が、玲に片手で受け止められた。

丁度 影力が切れたのだ。


間に合わなかったか......。


私はそのまま床に転がるようにして落ちた。

無機質な床はどこか冷たい。


.....不合格になるのか?

.........まずい!!


「あー....面接は以上だ....大体の評価は終わりだ。」


「......不合格か.......?」


「....まあ良い所悪い所だな。

 お前、最初から遠距離で撃ちまくってたら勝てたんじゃないか?」


「その間に破片で蜂の巣だっただろ......」


「......まぁいい。

 俺相手にここまでできるとはな。」


「......?」


這いつくばっている私に、

玲が手を伸ばす。


「試験番号43番・星野魔奈......合格だ。」


「えっ......?」


心臓の鼓動が大きくなっていく。

それは同時に体の強張りをほぐしていった。


「これより星野マナを.......0級影法師と認める。」


「......は.....?」


0級?なんで?

いや....私は一級になれればそれで良かったんだが....?


「安心しろ。これは一級試験に合格したと同義だ。

 お前の”契り”も解除されるだろう。」


「......」


頭が回らない。

極度の影力の消費と、合格故の安心感からだろう。


体を転がし、仰向けになる。


「そうか.....良かった.....良かった.........」


「......なにはともあれ、お前は今後戦いに巻き込まれることは

 減るだろうな。というより、お前と魔法少女か。」


「?なんでだ?」


玲がしゃがみ込み、私に手を差し伸べる。

その手を掴み、立ち上がる。


「そもそも0級に近づこうとするバカはそんないないんだよ。

 だから0級のいるチームに近づく奴も減るだろうって算段だ。」


「ほーん.......ちなみになんで0級にしてくれたんだ?」


「......0級法師は0級法師にスカウトされないと0級になることができない。

 これしかなかったんだよ、さっさと行け」


「ほほー。」


ニヤつきながら部屋の扉に手を伸ばす。


.......。


咄嗟に振り向き、手の平を目の前に向ける。

見ると、光線が飛んできていた。


手の平に最後の影力を全て込め、

光線を弾いた。


衝撃で発生した煙が消えていくと、

そこには特殊な銃を私に構えていた玲が立っていた。


「........まあ0級にして正解だったな。

 今のを止められなかったら一級にしようとしてたんだが」


「噓だろお前」


まあ一級になれればなんでも良かったけど!!


玲が腰に銃を付け直す。


「....今度は撃つなよ....」


「ああ、俺ももう帰らないとだからな」


扉のノブを引き、通路に出た。


こうして私は、見事一級試験を勝ち抜き、

晴れて0級影法師になったのであった。


つづく

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