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影葬の剣  作者: いうな
第五章 一級試験編
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第七十八話 虚言

まだ誰とも合流できてないんだが.....。


湿っぽく、どこまでも続いていそうな

森林に嫌気が差してくる。


木にもたれかかっていると、

前の林から女の子が出てきた。


サイドテールで、黄色いリボンを付けている。


「......アンタ、どっち?」


「へ?」


銃を構えられながら聞かれる。


「私は人間側。そっちのを聞いてんの。」


「....”影霊陣営”って言ったら?」


試しに嘘をついてみようと思う。

これは頭脳戦だ。相手が影霊陣営だった場合、どう答えるかが見てみたい。


「.....!!」


女の子が引き金を引く。


「えっ....」


銃弾が俺へと向かってくる。

反応がギリギリまでできなかった。


横にローリングして避ける。


パスッ。俺の背中を銃弾が掠めた。

やっべ.....


「掠りましたね。終わりで.....」


女の子の身体が消えていく。


「...................なんで....?」


女の子が消えていく自分の手を見て戦慄する。


「あなた....”影霊陣営”じゃないんですか!?」


「........っ!!」


掠っただけでも脱落判定なのか!?

いや....そんなことよりも.....。

なんでそんなすぐ信じるんだ....!?

いや......悪いのは俺だが......!!


どうする....!!

この子を復活させるためには!?

なんで....いやなんでではないが....


「......ぁ...」


完全に女の子の身体が消え去ってしまった。


「.....」


「__”人間陣営”が一人、誤射により排除されました。

 試験番号66番、誤射により脱落。」


端末から無機質な音声が鳴り響く。


完全にやってしまった。

俺が試したせいで.....。


休憩の時におふざけモードに入っていたせいで、

冷静になれていなかった。


なんで噓なんか吐こうと思ったんだ俺は.....?


......関係ないと思っていても、

あの子とちゃんと協力しておけば良かった。


「60分が経過しました。

 これにて、二次試験である”GUNニバル”は終了となります。

 各自、自身の端末にてお帰りください。」


「は.....」


時間というのは早いものだ。

無機質に流れていく。


.....マナとアリスは....脱落通知が来なかったな。

いや、多分”人間陣営”が脱落した場合、

通知は来ないんだろう。

現に俺のところに来た通知は”影霊陣営”の脱落のみだ。


.....俺は心に穴が空いたような気持ちで

端末の画面のボタンを押した。



~~~~~~~~~~~~~~~




一時間前までいた広間にワープする。


「........」


何も言葉が出てこない。

人生で最大とも言えるやらかしだった。


「おっ?」


「あっ悠真さん」


隣に目を泳がせる。


そこにはマナとアリスが立っていた。


「.....二人は一緒だったのか」


「ああ。てか聞いてくれよ。

 私達協力して三人くらい.....」


「お前等!!!」


横からとんでもなく大きな声がした。

声の方を見ると、息を切らして過呼吸になっているネレイドがいた。


「あれ....あれだ....女を見なかったか?

 サイドテールに黄色いリボンを付けた.....!!」


........!!


「ソイツが何なんだよ」


マナが呆れたような顔でネレイドに訊く。


.....さっきの子だ。

まさか.....。


「俺と同じチームだった奴だよ!!

 どこ探してもいねえんだ!」


「脱落したんじゃないんですか?」


アリスが冷たく返す。


いやアリス....今のネレイドにそれは.....


「ああ?」


ネレイドがアリスのローブの胸倉を掴んで持ち上げる。

ネレイドは190cm以上ある巨体だ。

アリスの体が高くに浮く。


「ぐっ......」


「脱落....してるわけ....いや....俺のせいか....?」


「放せ!!」


マナがネレイドからアリスを引っ張って

取り返そうとする。


だがネレイドは放心状態であり、

何も聞こえていないようだった。


「クソッ!!」


ネレイドがアリスを地面に叩きつける。


アリスの体が宙を舞い、

地面を転がっていく。


「かっはっ.....」


アリスが息苦しそうに呼吸をする。


何も言えない俺は、アリスに駆け寄り、

介抱することしかできない。


「ネレイドてめぇ....!!

 ソイツが脱落したのが残念なのは分かるが、

 アリスは関係ねえだろうが!!」


マナがネレイドの肩を掴み、盛大に怒鳴る。


「......悪かったな。まぁ、死んだわけでもねえもんな....」


ネレイドはフラフラしながら体の向きを変え、

そのまま自室へと帰っていった。


もうチームメイトがいないため、

自由に出入できるのだろう。


クソ....何をしてんだ俺は......!!


マナがクルッとこっちを向き、

アリスと俺の元へ駆け寄ってきた。


「大丈夫か!?怪我は....」


「平気です。少し二の腕を打撲したくらいです。

 .......流石に私のあれは心の無い言葉でしたね。

 後で謝らないと......」


アリスにまで迷惑が及んでしまった。

俺は.....このまま一級になっても良いのだろうか?


つづく

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