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影葬の剣  作者: いうな
第五章 一級試験編
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第七十六・二話 穴

暗い森の中を進んでいく。

地面はなぜか泥だらけだ。


雨でも降った後のような......


「......マナさん?」


「.....アリスか?」


木からひょいっとアリスが出てきた。

こんな近くにスポーンするとは....。


「悠真とは会ったか?」


「いえ、マナさんが初めてです。

 陣営は確認しましたか?」


「いやまだだ。そっちは?」


「まだです。同時に確認しましょう。」


端末を開く。

そこには、大きく”人間陣営”と書かれていた。


「......人間か。そっちは.....」


アリスの端末の画面を覗く。

.....あー....。


「...."影霊陣営"です。」


なぜかアリスが私に上目遣いをする。


「撃たせてくれません?」


「馬鹿なの?」


「冗談です。まあ、制限時間まで生き残ればいいだけでしょう。」

 

「.....そうだな。制限時間.....」


アリスとふざけた会話をしていると、

一つ、この試験の大穴を見つけてしまった。




その時、アリスが後ろを見ていることに気付いた。


「マナさん、後ろに”影霊陣営”の人がいます。」


「え?」


後ろから腑抜けた声が聞こえた。


即座に銃を取り出し、

振り向き、相手を捕捉する前に発射した。


見ると、木の後ろに銃を構えようとしていた男が立っていた。

男は胸を抑えている。


「マナさん、ナイスショットです。」


「ふざけるな....」


男が叫び始める。


「なんで言うんだよ!!

 今やれそうだっただろ!!!」


「別に、この試験には”協力”なんて求められていませんよ?」


アリスが淡々と言う。


その通り、この試験は

「影霊側は人間側を脱落させることができて、 

 人間側は影霊側を推理して脱落させることができる()()」だ。


別に義務でもない。

大切なのは、これを見ている試験官にどれだけ点数を付けてもらえるかだ。


「クソアマッッッ.......!!」


そのまま男は粉となって消えていった。


「______”影霊陣営”が一人、排除されました」


端末から音声が響く。


「これ....」


「使えますね.....」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「穴だらけじゃねーーーか!!!!」


「そう怒るな玲君」


思わず怒鳴ってしまった。

隣のルナがなだめてくるが、これは致命的すぎる。


普通、こういうタイプの”人狼ゲーム”は、

制限時間内で”人間”が生き残れば人間だけの勝ち、

逆に”人狼”が”人間”を全員殺せば人狼だけの勝ちだ。


だが、この試験には、”勝利”という概念がない。


「.......どうすんのこれ?」


「どうするも何も.....」


顔を手で覆い、椅子にもたれかかる。


「お前等どう責任とるねん?」


「....あ?」


手を下げ、横を見るとハゲでネクタイのついていない

スーツを着た中年男性が立っていた。


「どうやらこの試験を考えたのはそっちの組の幹部らしいな。

 どうすんねん?こんな試験にして」


「.....黙ってろよ。お前等はどうせこの後

 何も面白味がないと思ってんだろ?

 ハッ、そりゃそうだろうな。

 ()()()()()()()()試験者がウチの新人に倒されまくってたもんな?」


「.....ぐっ...!!」


「まあ見てろ。面白いのはここからだ。」


モニターへと視線を移す。


残り試験者は、11人。


つづく

意外と終わるの早かったですか?

面白いのはここからですよ。

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