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影葬の剣  作者: いうな
第五章 一級試験編
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第七十三話 NO SIGNAL



「ほわぁ........」


個室の風呂に浸かるのはいつ振りだろうか。

今までは放浪してたからスーパー銭湯しか入れなかったんだよな。


「.........」


無心で上を見上げ、より湯に体を深く浸からせる。


「.....魔法少女.....魔法使い.......

ドッペルゲンガー......なんか関係あんのか...?」


アイツらはある日突然ステッキが空から降ってきたと言っていた....。

ステッキと杖.....いや、そもそも大きさが違ったな。

それにステッキには丸い球が入れ込まれていた。

なぜトワがアレを持っていたんだ?


そういや見かけたドッペルゲンガーは

私のだけだ。


なぜ悠真や玲のドッペルゲンガーは

襲ってこない....?

シンプルに戦いに消極的ってだけか?


とりあえず今謎なことを挙げていこう。


1.最近"αβ"に会わない

2.なぜBは”αβ”なのに組織に協力的なのか

3.ドッペルゲンガーの所在

4.魔法少女や魔法使いの存在

→本当にそういう村が実在するのか、アリスの噓なのか


........エステルについてだけはある程度予想が立ってる。

いつアリスに話すか....。悠真はもうわかってるんだろうな。

アイツ、勘だけはいいしな。


「...........めんどくせえなぁ.....」


そして私は顔面を手で覆い、

浴槽の中へと潜っていったのであった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「にしても採点も疲れるねえ」


「だな。モニター逐一切り替え続けないといけないし。」


組織の支部の廊下を歩いていく。

書いたカルテを本部に提出するまでが採点作業だ。


......なんでアナログ?

今の時代データ転送すれば済むのでは.......。

ああ、でも盗難できる奴が多いからか。


「てかなんでトワは辞退したんだろね?」


「シンプルに面倒くさいからだろ.......

 と言いたい所だが、アイツに試験官やらせると、

 その.....試験内容が流出することになりかねないからな。」


「ああ~能力的にね。参加できない、の方が正しいわけね。

 なるほどだね。」


一級試験監督本部の部屋の扉の前に着く。


「一次試験はあくまで試験者を減らすための試験.....。

 とくると、二次試験が楽しみだね?玲くん」


「別に楽しみではねえよ。

 俺は観戦さえできれば良かったのに....」


そして俺は部屋の扉を開けた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


.......。

バスタオル一枚で洗面所から出て行くと、

アリスが私の顔の少し下を見つめていた。


「どこ見てんのお前」


「いえ?まあ私もあと何年か経ったらそうなるのかなーと。

 あ、さっき運営の人から食料と飲み物が配られてましたよ。」


冷蔵庫に入れときましたよ、とアリス。

誤魔化したつもりかコイツ。


「お前年は?」


冷蔵庫を漁りながら質問する。

 

「14です。」


「へぇ......」


冷蔵庫の中にあったボトルの麦茶を手に取る。

一口飲む。


「........14!?」


一瞬吹き出しそうになってしまった。

確か魔法少女たちが15だ。

それであの出力......。

しかも箱を丸ごと取り込んだわけではない。


才能の塊としか言えないな。


「道理で.......」


アリスの首から下を見る。


「何ですか???」


「別に?

ちなみに私は16な。」


「ぐっ.......!!」


歯を嚙み締めるアリスを鼻で笑った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「電波が繋がるってのはマジだったっぽいな」


スマホをいじりながら呟く。


........ノアにメールしてみるか。

メールのアプリを開き、メッセージを打つ。

一次試験が終わり、今は休憩時間中であることを送り既読が付くのを待つ。


....お、既読付いた。

ものの数秒で付くとは.....スマホしか見てないのかコイツ?


何と返ってくるのか待っていると、

急にスマホが鳴り始めた。

ノアが電話をかけてきたらしい。

まあ電話でもいいか.....。

画面に出ている、青い応答のボタンを押す。


「……もしもし、ノア」


『うん、悠真。終わったの?』


声はいつも通りだった。

少しだけ柔らかくて、どこか安心する響き。


「一応な。まだ一次試験だけだけど」


『そっか。無事によかった』


「......そっちは?」


『……うん、何にもないよ。』


わずかに遅れて言葉が届く。

特殊な空間であるため、

多少電波が悪い。


「ならいいけど。変なことは起きてないか?」

『ううん、なにもないよ』


少し食い気味にノアが言う。

通話の向こうで、何かが擦れるような音がした。


「……今の音、なんだ?」


『え? あ、ごめん。本、落としちゃって。

 悠真に貸してもらってる本、読みなおしてたんだ』


そう言ってノアが軽く笑う。


「.......結局返してもらわずに半年くらい経ってるけどな。

 てか落とすなよ。」


『……ごめんね。』




「……ノア?」


『うん?何?』


「........いや、いい」


壁にもたれ、目を閉じる。


「次の試験、何が来るか不安なんだよな。」


『......悠真なら大丈夫だよ』


即答した。


「......根拠は?」


『そりゃ.......』




『……悠真だから』


ノアが少し間を空けて言った。

.......?


「……なんだそれ」


俺は苦笑した。


「適当だな」


『うん、適当。ごめんね。』



ノアが少しだけ笑う。

なんで謝ってんだコイツ?


「まあいいや。新しく友達もできてさ、後で紹介するよ」


『うん、待ってる』


「そういやお前、この前なんて言いかけてた....」


そこで通話は切れた。


..........。

電波が悪いだけか?


トーク画面を見直す。

そこには、___乃亜がメッセージを取り消しました___

と、なぜか三回続いていた。


三回メッセージを送り、即三つとも消したということだろう。


「............」


何か違和感が頭を通り過ぎる。

だが、あくまで通り過ぎただけだった。


この時、思い出していれば何か変わっていたのだろうか。

トワさんから聞いた、未来は変えられないということは

本当だったのだろうか?



  つづく

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