第六十六話 リスタート
「玲ー?
アイツ何点くらいにする?」
「味方を囮にして敵の拠点の後ろから襲撃か....。
まあこれで5点くらいじゃないか?」
「甘いね~。私だったら2点だね。
流石に囮の子可哀想でしょ。」
白髪の女性.....ルナと、「終点之零」こと.....俺は
試験監督の仕事を進めていた。
それぞれの行動につき、最大で10点の得点がつけられる。
評価する項目は色々あるが、
主に三つ。
判断力、適応力、そして戦闘力だ。
「...にしても暴れてんねー、マナちゃん。
もう森林ゾーンの子、ほとんどいなくなっちゃってるじゃん。」
「だが全員いなくなったわけじゃないみたいだな。
森林に残っているのは....大体25人くらいか。」
影法師の世界は人手不足ではあるが、
無能を一級にするわけにもいかない。
だから上の奴らは初っ端から
着地できない者を消していったんだろう。
「まだ始まって一時間もたってないんだけどね。
結構人数減っちゃうんじゃない?」
「どうだろうな。
逆にここからが本番だろ。」
ちなみに、試験者は審査員35名の平均点数でも
落ちるかどうか決められる。
行動の合算で、一人あたり最大300点。
これは一次試験から最終試験全てを含む。
さて.....アイツらはどうなるか見物だな。
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「うん......?」
銀髪碧眼の少女が目を覚ます。
「ここは....。というかあなたは...?」
少女が辺りを見回す。
「マナだ。お前の傷の手当をさせてもらった。」
「.......ありがとうございます。
ていうかあなたあの光線撃ってた人じゃ.....」
少女が怪訝な顔をする。
「待てアリス。これには事情があるんだ」
「事情?ていうか呼び捨て....」
「まだ言ってるのかそれ。
あーわかったよ。アリスちゃん」
「なんでちゃん付けなんですか!?」
「え....?だって呼び捨て嫌だって....」
「流石にそれはないだろ悠真....」
「何でお前まで!?」
だからモテないんだろうな、と
思いつつも話を元に戻す。
「だからモテないんだよお前」
「思ってることがそのまま出てるぞ。
んで....アリス。お前誰かの恨みとか買った記憶あるか?」
「結局呼び捨て.....。
はぁ.....。買った記憶しかないです。」
「「なんで!?」」
思わずツッコむ。
なんか勝手に敬語だからいい子なんだろうな~
と思ってたのに。
「何でそんなこと聞くんですか?」
「.....誰かがマナの光線をアリスの方へ
捻じ曲げて攻撃したっぽいんだ。
タイミングも完璧だったから、
多分アリスのことを監視していたんだろう。
計画的にアリスを攻撃した奴がいるってことだ。」
「へぇー.....」
「なんでそんな興味なさそうなんだよ。
悠真から聞いた話では地上に落ちていく
悠真を助けたってことだったのに....」
「そりゃチームメイトですから。」
「........。」
大分アレなタイプの子だったな。
まあいいや。
「とりあえず......。丁度三人だな。」
悠真が立ち上がる。
「ああ、ここから再スタートだ。
....で、アリスだっけ?
これからよろしくな。」
「はい。一次試験の間だけですが。」
アリスの手を引き、
一緒に立ち上がる。
森林に日の光が差し込む。
「.......なんでマナは良くて俺は呼び捨てダメなのぉ....?」
つづく




