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影葬の剣  作者: いうな
第五章 一級試験編
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第六十三話 墜落


「危ない!!」


「あ!?」


目の前から箒に乗った銀髪の少女が

飛んできていた。


ぶつかる....!!


と思っていたのも束の間、

少女は俺の下をくぐる。


「捕まってください!!」


「えっ....?」


少女が箒の木の部分を指差す。

言われるがまま、そこを掴んだ。


箒にぶら下がる。

速度は...時速40kmってとこか?


「大丈夫でしたか?」


「うん.....?うん....」


影に潜ってマナのところまで

移動しようと思ってたんだが......。


尖った帽子を被り、

ローファーの靴を履いている。

見た目は完全に魔法使いだ。


だが魔法はルーナ.....

マナの地元の研究所で出会った少女の能力のはずだ。


「君.....多分影法師だよな?

何の箱を取り込んでいるんだ?」


少女に聞くと、

ポカンとした顔をされる。


「私が箱を丸ごと取り込んでいると思っているんですか?」


「えっ....違うの?」


普通、箱って丸ごと取り込むもんじゃないの.....?


本当に知らないのか、という目で見られる。


「私は....というか、この試験....更にもとい、

世界の影法師達は、箱の断片を取り込んでいるんですよ。

その断片の大きさが大きいほど、

その力は強くなります。」


道理でルーナが弱かったわけだ。

蘇生魔法は役立ったけどな。


「君はどんくらい大きい断片を取り込んでるんだ?」


「そうですね...箱が手の平の三分の二のサイズとして....

大体それの四分の一くらいですね。」


わからんわからん。

分数使いすぎだろ。


.....箱の六分の一くらいか。


まあ大体中指と薬指を曲げてくっつけたくらいのサイズか。

意外と大きいな。


そんなことより....


「君は同じチームなのか?」


「え?そうですよ。端末を見れば

同じチームの人の居場所がわかります。

もう一人は...........。


.....まずいです。ここから1kmも離れています。」


「....そいつが着地できるスキルを持っていることを願うが」


ピロン。


端末に連絡が来る。


....嫌な予感がする。


「____試験番号32番、落下死により脱落。」





「......味方の番号は」


「.............32番です。」


クソッ。

しかも落下死かよ。



ピロン。



「試験番号16番、18番、14番、22番、

 11番、23番、35番、12番、24番、21番、29番

落下死により脱落。」


「...........。」


今回の試験人数は72人だったか。

既に結構な数が落ちてるな。


「.....脱落した際に必ずしも全員に連絡が行くわけでは

ないらしいです。

先程、私を襲ってきた初心者狩りの端末を

私が破壊した時は連絡が来ました。


ですが、初心者狩りに試験者が端末を破壊されている所を見たのですが、

その際には連絡がされませんでした。


自分自身が直接手を下した場合と、

または誰も手を下さずに脱落条件を満たしてしまった

試験者が出た場合、連絡が自身の端末に来るのだと思います。」


「......なるほど。」


「........本当にすみません。

私がもっと早くもう一人の仲間を見つけ出せていれば.........」


少女が箒を強く握りしめる。


「.....いや、君のせいじゃない。

今回はかなりイレギュラーなんだろ。


影法師の世界がこれだけ人手不足なのに、

ここまで一気に脱落させて、

穴の大きい(ふるい)にかけるのはおかしいだろ。


.........そういや名前を聞いてなかったな。

俺の名前は悠真。君は?」


「......アリスです。アリス・セレスティア。

 呼び捨てでいいです。」


「そうか。よろしく、アリス。」


「よろしくお願いします」


そう言うとアリスは徐々に高度を下げていき、

森林へと入ると、木の横で止まった。


箒から手を離し、

地面へと着地する。


「連絡がこないってことは.....

大体の試験者が着地したってことか。」


「そうなりますね。

......疲れたので私も少し休みます。」


アリスも箒から降り、

近くの岩に腰を下した。


「ああ.....悪ぃな、乗せてもらってて....」


「別にいいです。私が勝手にやっただけなので。」


さて.....この後どうするか。


あんまり好戦的なやつとは会いたくないな。

なにより今はアリスが影力を消費している。


端末の画面を見る。


そこにはスマホのように、

様々なアプリが並んでいた。


マップ......タスク......時計....


あと二つアイコンがあるが、

黒塗りされていて何かわからず、タップしても

何も起こらない。


とりあえずマップを開く。


円状のマップが画面に広がっていく。


大体半径8kmってとこか?広くね?

森林だけではなく、海のゾーン、山岳地帯もある。


次にタスクという名前のついたアプリを開く。


えー何々.....


敵を三人脱落させる....

チームを一人で全員脱落させる....

同時に二人以上絶命させる.....


もちろんタスクというだけあって、

報酬もあるようだ。


一つタスクを終わらせるごとに

箱の力、または遺物の力の底上げ.....。


タスクによって報酬も違う。


端末の強化から、特殊な遺物の贈与まで色々だ。


「まあ本質的にはバトルロワイヤルゲームと

 何ら変わんないな......」



.....................ドゴォン!!!



突然地面が揺れ始める。


「なんです!?」


「なんだ.....!?」


空中を見る。


「.....!?」


さっきまで晴天だったはずなのに、

空が曇り始めている。


「ちょっと私見てきます!」


アリスが箒を手に取り、

空へと飛び立つ。


「いやっちょっと待った方が....」



パァン!!!



「........ガハッ.....」


「...............ッ!!」



空中に飛んだアリスの横腹を、

一つの黄色い光線が撃ち抜く。

アリスの帽子が地面に落ちる。


光線の衝撃でアリスが落下する。


「はっ.....?」


急いで落ちてきたアリスを受け止める。

腹部から大量の血が流れだしていた。


「クッソ.....一体何が.....」


アリスが過呼吸になりながら

口を動かす。


「くう.....空中に....金髪の女性が

浮いて....いました.......。じょ....情報はこ....れしか...

気をつけてくださ.....」


「おい....おい待て!!

くっ.....!!」


常備しているウエストポーチから包帯を取り出す。


「...........悪いな、少し我慢してくれ!」


アリスのシャツをめくる。


傷口を覗くと、光線が貫通したわけではないようだ。

影を液体状にして傷口に当てる。


「ぐっ.....」


アリスが悶える。


とりあえず俺の影で止血する__!

影を固定し、傷口を締め上げる。


「ぐあっ....」


アリスの腹に包帯を巻きつける。


.....................。


とりあえず応急処置としてはいいだろう。

アリスを木陰まで運ぶ。


アリスはああ言ってたが、

俺は光線ぐらいなら無効化できる。


全身に影を纏い、

木に弾性の影を巻き付け、引っ張った反動で

空中へと飛ぶ。


周りを観察する。


「......!!!」


上空を見る。


そこには、掌印を結ぶ金髪の女性がいた。

女性の周りには黄色い光線が無数に飛び交っている。


「.............マナ....!!!」


  つづく

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