第六十話 想い
第四章最終話です。
「今日はありがとね。」
帰りに駅に向かっている途中、
ノアにそう言われる。
「悪いな。
急に遊び誘っちまって.....。」
「いいよ。遊び行くのも久しぶりだったしね。」
そう言ってノアが笑う。
俺は小5の時に家族が惨殺された。
その後はピりついてて、小6は学校に行かず、
中学校は三年間行ったが、
心配してくれたノアに冷たい態度をとってしまって、
しばらく疎遠になってしまっていた。
中三の時、下校の時に
ノアともう一人の女生徒が不良?暴漢?に
襲われていたところを助け、
その後から仲直りして同じ高校に入って今に至る。
「小学生以来遊んでなかったもんね」
「.....?高一のはじめに中学の奴らとカラオケ行ったろ。」
「.....はぁ.........私の言い方が悪いのかな.....」
「えっ....?」
ノアがまたため息をついて頭を掻く。
「二人きりでってことだよ」
「ああ....なるほど」
確かにデートとか言ってたもんな。
「....悠真さ、なんであの時私を助けに来てくれたの?」
「.....あの時?」
「私が誘拐された時だよ。
ほら、帰路の途中で別れたじゃん?」
「あー、そうだな。
......ノアに貸してた本を返してもらうの
忘れてたんだよ。
.....結局まだ返してもらってなかったな。」
「えっ.....もっと早く言ってよ!
今カバンの中にあるかな....。」
「別にいいよ。
あの本、見飽きたしな。」
「ええ.....。」
「.....そんなことより、逆に
渡したいものがあるんだ。」
「えっ?」
鞄の中から袋を取り出し、
袋の中から布に包まれたあるものを取り出す。
布をめくる。
「....それ.....」
俺が取り出したのは
アメジストのネックレスだった。
「何かプレゼントしたいとは思ってたんだ。
そしたらさっきのアクセサリー店で
ノアがこれ見てたからさ。
ノアの誕生日、二月だろ。
誕生石だから丁度いいと思ってな。」
ノアに布ごとネックレスを手渡す。
「これ私に....?」
「ああ。こんなものしかあげられなくてごめんな。」
「.....ありがとう。
今日は誘ってくれて本当にうれしかった。
.....私も言いたいことがあって....。」
ノアが下を向く。
なんだ....?
「その.....私と.....!!」
ブー、ブー。
「.......」
ノアのポケットから着信音が鳴る。
ノアがスマホを取り出し、
画面を見る。
「......ぁ....」
「....どうした?誰からだった?」
数秒後ノアが顔を上げた。
「.....組織の人だよ。
ごめん。今から本部戻んないといけなくなっちゃった....。」
「別にいいよ。今日はありがとな。」
「うん。バイバイ」
ノアが背を向けて走り出す。
急用か....。
大変だな、アイツも。
そういや一級試験まであと10日か。
俺は一級になるべきなのか?
別にならなくてもノアの
ボディーガード役はできるよな。
.....まずはマナ優先だ。
魔法少女達を死なすわけにはいかない。
俺は覚悟と共に
帰路についた。
第四章 おわり




