新月の夜
今日は月明かりの無い夜だった。
雲1つ無く星が瞬く
「はー、レイさんと一緒に観たかったな」
ローラは満天の星空を見上げる
「最近レイと仲良いみたいだけど何処まで行ったの?」
ニーナが話掛ける
「何処まで、でしょうね
良く分かりません、クス」
「なにそれ?クス」
その頃レイは東門付近の警備をしていた
「ローラさんは西門の警備か
反対側だな
警備が終わったら一緒にメシでも食べるかな」
西門付近兵士
「おい、そこに誰か居るのか?」
「ギアグワッドド」
「魔獣、誰か来」
ブシュー
兵士は一瞬で切り裂かれた
「新入りの子は何処に行ったの?」
ローラは回りの人間に聞く
「さあ、見回りに行ったきり帰って来ないですね
何処でサボって居るのやら」
「分かったわ
私が見に行って来る
サボって居たら、お説教だね」
「オカシイな?あの子、何処に居るんだろ
、ん!」
血痕!地面に血痕が有った
ローラが剣を抜こうとした時
閃光の様な速さの攻撃を受ける
ガキン
初撃を受け止めるが直後に腹部に強烈な一撃を喰らう
「グッ」
もう一撃貰った所で意識を失う
カンカンカン
ピー、ピー
警鐘の鐘と笛の音が鳴る
「なんだか騒がしいな
何か有ったのか?」
俺はグッドマンに話掛ける
「恐らく、余程の事態だろうな
………魔獣で無ければ良いが
取り敢えず持ち場の死守
もう直ぐ連絡と命令が有るだろ」
ギルバート隊長の寝室
「隊長、大変です
魔獣が街中に現れました」
「なに、本当か!
今、どんな状況だ」
ギルバートは夜中に叩き起こされた
「魔獣の数は不明
1獣は西門の兵士を死傷させ逃走したそうです
その際、兵士が拉致されたそうです」
「ここ何年も大人しかった魔獣共が、また人間を攫いに来たのか
直ぐに救出隊を出す
特別部隊のメンバーを集めろ」
特別部隊とは前回、奴隷商人を捕縛したメンバーだ。
「みんな集まったか
緊急事態だ街中に魔獣が侵入
ローラが行方不明
魔獣に連れ去られた兵士がローラの可能性が高い」
ザワザワ
みんなに動揺が走る
リーダー格の人間が攫われたのだから当然だ
俺の異常な動揺も、そのせいなのか?
「魔獣の襲撃が再度、有るかも知れないから全員は出せない
レイ、グッドマン、ニーナは
それぞれの隊を率いて追跡しろ」
「はい」
なんだろう?
何か引っ掛かる?
ローラを攫われて動揺してるのか
どうやって、あの高い塀を越えて来た
魔獣は羽が有るのか?
何かを見落として無いか?
「おい、ぼーっとするな
行くぞ」
グッドマンに声を掛けられ思考を戻す
全員が馬に乗っての追跡だ
夜目が効く馬で無ければ追跡は無理だからだ
魔獣が多数、居た場合の撤退も視野に入れて居る
「また、お前の世話に成るな
アレキサンダー」
ブルル
今日のアレキサンダーは目つきが違うな
名前負けして無い
「良し行くぞ」
暗闇が果てしなく続く荒野の中
俺達は西門から逃走した魔獣を追う




