檻の中
ここは寒いな
俺は明かり取り様の小さな窓を見る。
「雪が降ってるのか
寒い訳だ。」
まあ雪が降らなくても、ここは寒いだろうな
暖房 どころか 断熱 という概念 すら無い石造りの構造
窓にはガラス すら無い
ベッドは 石造り
これは死んでも構わないって事だな
せめて毛布の1枚でも支給しろよ。
「にゃあ」
シロが小さな窓から入ってくる。
「お前こんな所まで、ついて来たのか
診療所に居れば暖かい部屋に、ご飯も食べられるのに」
俺はシロを抱き抱えて暖を取りながら眠る。
「おい、交替の時間だ。」
どうやら見張りの交替の時間らしい
静かに交替してくれ目が覚めてしまった。
寒い、朝まで起きたく無かったな
交替の見張りの兵士は酒を飲み始めた。
「どうだ、お前も飲むか
寒さを紛らわせてくれるぞ」
「いえ 結構です
普段から酒は飲まない様にして居るので」
普段から酒を飲まない様にして居る?
そう言えば記憶を失ってから一度も酒は飲んで居ないな
俺は酒を飲めるのか?
俺はベットに腰を掛ける。
「やはり、頂きます」
俺は酒を受け取り口に運んだ。
かなり アルコールの強い酒 だな
どうやら俺は酒は飲めるようだ。
なら、どうして俺は普段は酒を飲んで居なかったんだ?
頭の中がモヤモヤして思い出せ無い
思い出せ無い事をウジウジ考えても無駄だな
「お前 このままだと大変な事に成るぞ」
兵士の男が忠告してくる。
「とは言え 今の俺は真実を話して捜査に協力して釈放して貰うしか方法が無いんですけどね」
俺は兵士に答えた。
「あの調査官は商人とグルだ
おそらく 賄賂を貰って居る。」
「まあ、そうでしょうね
なんとなく、 そうだとは思っていました」
「お前一人で3人の男を倒したんだ
腕っぷしには自信が有るんだろ」
「よしてください
相手が油断してたから倒せただけです」
「俺は、この街の守備隊、隊長だ。
もし 兵士に成るのなら助けてやる事も出来る。」
「俺は兵士なんて 向いてませんよ。
相手を殴った感触が今も嫌な感じで残っています人を殺すなんて無理ですよ」
「好き嫌いなんか、どうでも良い
お前は強い
兵士に成れば調査も処分も、こっち の管轄だ
あのチンピラ共も手が出せ無い様に成る
兵士の関係者を害すれば軍を敵に回す事に成るからな
それに、これはロベスさんの頼みでもある」
「貴方はロベスさんの関係者なんですか」
「ああロベスさんは俺達の元隊長だ
今は引退して足を洗って居るがな
凄腕の隊長だったんだぜ」
「レジーナさんを守る為にも、
それしか選択肢は無いようですね
分かりました 兵士に志願します」
「よし、この契約書にサインをしろ
日付は、お前たちがトラブルに巻き込まれる前にして有る
これで、お前は軍の管轄に入って居た事に成る」
俺は契約書にサインをした。
「私の名前はギルバート
軍に、ようこそ レイくん」
ギルバートさんは手を差し出した
俺も彼の手を握り握手を交わす。
次の日、俺は留置所から釈放された。
調査官が慌ててやって来て守備隊、隊長に話し掛ける。
「これは、どう言う事ですか」
「ヤツは2週間前に軍の入隊 志願書にサインをしている
ヤツの身柄と調査と処分は軍の専権事項だ
何か問題でも有るのか?」
「い、いえ 問題ありません」
「そうか私も忙しいので、これで失礼する」
「クソ」
調査官が悔しがる。
俺はギルバートさんと憲兵所を後にした。




