第54話 遺跡と転移 3
最近、書くペースが落ちていて、誠にすみません。
遺跡の中を『はにゃ土偶』が俺たちを導いた先にあったのは、
『転移魔法』
と書かれた石板だった。
「なんだ、転移魔法か。どこぞのラノベにも似たような話があったな」
そう思って、俺は少し安堵した。
ところが――
「テンイ魔法って、なんですか?」
フィリアが首をかしげた。
「「はい?」」
思わず、俺と結奈の声が重なる。
驚いているのは、俺と結奈だけだった。
《この世界には、転移そのものがというか……そんな概念が存在しません》
ナビ子が淡々と告げる。
「えっ? そうなのか?」
《はい》
「ということは……A地点からB地点まで、一瞬でテレポートするなんてのがないの?」
《ありません》
「えっ?」
俺は石板を見る。
もう一度、文字を見る。
『転移魔法』
どう見ても、そう書いてある。
すると、ミカエルが口を開いた。
「結奈殿が言われたような魔法は、ないであります」
「私も聞いたことはありません」
カミエルも首を振る。
「セバスチャンはどうですか?」
「存じておりません」
「ライオン丸は?」
「わしも知らん」
全員が知らない。
「……ルナ様に聞いてみるか?」
こうして、俺たちはルナ様に聞くことになった。
☆☆☆
「そんな魔法、聞いたこともないわ」
ルナ様も、あっさり首を横に振った。
「でも、召喚はできますよね?」
「ええ。あれは、向こうの世界から人を呼び寄せる魔法じゃ」
「その逆はできないのですか?」
「できないし、そんな魔法は存在しないのじゃ」
「……」
俺は黙って、石板を見る。
そこには、はっきりと書かれている。
『転移魔法』
「じゃあ……この石板に書いてある『転移魔法』って、一体なんなんだ?」
誰も答えられなかった。




