第52話 「遺跡と転移」
「ここで間違いないの?」
結奈の一言に、カミエルと、その横にいるセバスチャンがビクッとする。
「は、はい。ここで間違いありません」
すると、ミカエルが心配そうにカミエルを見る。
「カミエル殿、大丈夫でありますか?」
「だ、大丈夫です」
「本当でありますか? 無理はなさらない方がよろしいですよ」
「本当に大丈夫ですから」
「でも、本当に大丈夫でなければ、クミ殿に抱きつくでありますよ。クミ殿は、懐に入れた方は甘やかしてくれますぞ」
「致しません」
「えー。そうでありますか」
「そんなことは、致しません」
《結奈の魔力に変化が出ています》
「ミカエル?」
「ひっ!!」
《結奈から微量の魔王覇気を観測》
「結奈さん。クミくん、ここが遺跡の入口です」
「ここだな?」
入口を見ると、そこには――
『秘密基地』
と書かれていた。
「……なんで秘密基地?」
するとミリアが、
「案外、簡単に来られたわね」
フィリアも頷く。
「ほとんど魔物すら出ませんでしたし」
するとカミエルが説明する。
「それは、先日のスタンピードで魔王軍と魔物のほとんどが消滅したからですね」
「そうであります。結奈様のおかげであります」
「……」
結奈が無言になる。
その瞬間――
バサバサバサッ!!
鳥たちがギャーギャーと叫びながら、一斉に飛び立っていった。
《緊急速報!! 結奈から魔王覇気を観測!!》
「ミカエル?」
「ひっ!?」
ミカエルは慌ててクミに抱きついた。
「クミィーー!! 結奈があーしをいじめる!」
すると、その横で――
ぎゅっ。
カミエルまでクミに抱きついた。
結奈が、ゆっくりと指を鳴らす。
ボキッ。
ボキッ。
「あれ?」
結奈が二人を見る。
「カミエルちゃんも抱きつくんだ」
「あの……大魔王様、これは、その……」
「今、なんて言いました?」
結奈の手がガシッとカミエルの頭を掴んだ。
「大魔王様!! カミエルを許して!!」
「はっ?」
今度はもう一方の手で、ミカエルの頭を掴む。
「「大魔王様、許してください!!」」
結奈の両手に力が入る。
「「あ゛あ゛ーー!! 割れる! 割れる!!」」
その時――
結奈の背後から、懐かしい声が聞こえた。
「はにゃー!」
「え?」
結奈が振り返る。
そこには――
見覚えのある、土偶が立っていた。
「……はにゃ土偶ちゃん?」
結奈の顔がぱっと明るくなる。
「はにゃ土偶ちゃん!!」
感動の再会だった。
「はにゃ!」
「え?」
ぽてっ。
「……」
バリン!!
「…………」
はにゃ土偶は、何もないところで転んで、そのまま粉々に砕け散った。
「はにゃ土偶ちゃーーーーん!!」




