第48話 「スタンピードとヲタ通 」
こうして始まった。スタンピード討伐戦
俺たちパーティーは、俺とミリア、フィリア、結奈、ミカエルとライオン丸。
女子勇者パーティーは、茉子を中心とした連携プレーで次々と魔物を倒していく。
俺たちは、4人で連携していつもの戦い方で、ドロシーは航空魔道隊を率いて上空の魔物を迎え撃ち、ルナ様たちは魔導士隊として後方から遠距離攻撃を放っていた。
男子たちはというと、衛兵に守られながら、プルプルスライムを叩いている。
するとミカエルとライオン丸は、というと
「え?」
ライオン丸がミカエルを守りながら、魔法攻撃をしている。
「多すぎ」
「キリがないわ」
ミリアとフィリアが愚痴を言った途端、結奈が
「わかった。やってみる」
そう言って、魔王覇気を出した途端、魔物たちは本能で格上の存在を察知したのか、その足を止めた。
《結奈から魔王覇気を確認。充填率50%》
するとリリナさんも
「負けてられないわ!!くぉおおおお!!」
更にミカエルも
「姫さま!!」
「わかったであります。うぉおおおお!!」
⭐︎⭐︎⭐︎
一方、こちら魔王軍、観測班。
「魔王覇気を観測しました!」
「なに?魔王覇気だと!!間違いないのか」
「はっ!!間違いありません!魔力量と波形を見てください!!」
「おお! 素晴らしい!! 間違いない! 魔王様が復活されたのだ!!」
「我々の希望が」
「大隊長!!大変です。魔王覇気が三つあります」
「なに!!どういうことだ?」
「魔王覇気、更に上昇!一つは、針を振り切りました」
「何!!」
「まずいぞ、あの魔力量で攻撃されたらここもやばいぞ。撤収!!」
⭐︎⭐︎⭐︎
《結奈の魔王覇気充填率100%》
《リリナの魔王覇気充填率100%》
《ミカエルの魔王覇気充填率100%》
リリナが武器をかまえた。
「紅蓮の極炎」
ミカエルが
「極光の裁判!!」
2人の範囲攻撃が炸裂した。前衛にいた約2万の魔物が吹き飛んだ。
「やったか」
「これで終わったか」
しかし、観測班から悲鳴が
「魔物が接近中、その数、約5万!!」
この声を聞いて、戦場にいた全員が絶望した。結奈を除いて
《結奈の魔王覇気充填率120%》
「敵、魔物の位置把握!!空間座標補正完了。範囲電子分解!!」
《フガクから連絡》
《警告!警告!!》
《演算限界突破》
《推定誤差率 94.7%》
《演算を継続します》
そして、結奈の手から銀の微粒子ができていた。これは結奈の錬金術から生まれた。アルミとマグネシウムの微粉末。
「転送!!攪拌」
《ファイルアンサーが発動されます。総員退避してください》
「総員退避!!」
「総員退避完了!」
《軸線上に障害物はありません。》
《フガクから回答、演算の処理に支障発生中》
《…………演算処理終了》
《回答》
《発射可能》
すると結奈がパチンと指を鳴らした。
「ファイルアンサー!!」
ピカーーーーー!!!
一瞬で、目の前に眩い(まばゆい)光の十字架が立ち上り、震度5の揺れと地響きが爆音を伴い、衝撃波となって魔物たちを襲った。
その爆発を中心に巨大な稲光を纏いながらキノコ雲が上がった。
そして、目の前には、大きなクレーターと炭化した魔物の残骸らしきものが残った。
それを見た全員が言葉を失った。そして、結奈が振り返り
「てへ!ちょっと力みすぎちゃった」
⭐︎⭐︎⭐︎
魔王城
「魔王様!!」
「どうした!」
「スタンピードが失敗しました」
「更に3つの魔王覇気を観測したと」
「何故、三つも魔王覇気があるのだ」
玉座の間が静まり返る。
誰も答えられない。
やがて、セイレーンが静かに口を開いた。
「二号遺跡には魔王様の魂の一つしか封印されていないはず……ならば、一体は一号遺跡の魔王様の魂。残る一つはなんなんだ?」
「わかりません」
バンパイアロードが腕を組む。
「新たな魔王……か。」
「しかし、そのような存在は聞いたことがない。」
観測兵が震えながら報告を続けた。
「それだけではありません!」
「三つの魔王覇気のうち、一つは急激に魔力量が跳ね上がり、その直後――」
ゴクリ。
「スタンピード5万が、一撃で消滅しました。」
「…………。」
部屋の空気が凍りつく。
「5万……だと?」
「はい。」
「観測班も、その衝撃に巻き込まれ全滅しました。」
バンパイアロードはゆっくり立ち上がった。
「つまり……」
「二号遺跡の魔王の封印も解けたと考えた方が良いな。しかし、正体不明の魔王級を超える存在とは……」
ダークウィザードが低い声で呟く。
「馬鹿な……」
「そんな存在がいるはず……」
セイレーンの顔から血の気が引いた。
「……早急に調査を」
バンパイアロードは静かに命じる。
「二号遺跡の封印を確認しろ」
「残る1体を最優先で探せ、もし敵なら……」
「我々は滅ぶ」




