第46話 「スタンピードとヲタ通」
風間SIDE
「くそーーー」
―――ここは地獄…
これが正しい。
俺は、魔王国について、連日、訓練と称する拷問を受けていた。
訓練後、毎晩、夜の相手と体を休める暇もない。しかし、魔族たちは、リク、竜也、越智の3人を連れてきた。こうして、勇者パーティーが魔族のもとにいる。
俺たちは強くなっている実感がある。
「風間調子はどうか」
「これは、ユダ様」
彼女の名前はユダ。現在の魔王。しかし、彼女は真なる魔法ではない。魔王は前の勇者によって封印されている。そして、真なる魔王の復活は近いらしい。
「ユダ様」
「どうした?」
「人間どもが弐号に行った模様」
「どうなっていた?」
「どうやら、人間どもには、魔王の封印を解けなかったようです」
「そうか」
「それと、作戦名『畏怖』は順調です」
「第一段階は?」
「予定通り。魔物たちは王都へ向かっております」
「そうか……人間どもに"恐怖"を思い出させてくれる」
☆☆☆
王都に戻った俺たちに、今までの日常が戻ってきた。そして、
《レベルアップ可能です》
今回はミカエルが追加になった。結菜は、参加しない。それは、結奈も納得済みだった。
翌朝
《レベル:8.1B → 8.1C》
《身体機能回復率上昇》
《ヲタ通:新カテゴリ接続》
《魔力ネタ特性》
魔力ヲタネタ 結奈が接続可能
《土偶特性》
古代日本特性解放
《サヌカイトの槍が作れます》
《縄文式土器が作れます》
「意味あるの?」
レベル:8 .1B→ 8.1C
体重:87kg → 86.5kg
筋力:21 → 30
体力:28→ 30
魔力:53 → 55
敏捷:14 → 20
知力:52 → 53
運:1 → 2
称号「土偶マスター」獲得
「そこぉぉおおお」
☆☆☆
翌朝、ギルドの中は怒号であふれていた。
「『クライド砦』が落ちた!!」
「衛兵隊は?」
「現在、負傷者を救護しつつ、「デライト砦」まで撤退」
「冒険者は全員集合!」
いつもの受付嬢まで青ざめている。その中をリリナさんが駆け寄ってきた。
「クミ!!お願い!!」
「リリナさん!どうしたんですか?」
するとリリナさんがむっとした。
「リリナって呼んでくれない」
フィリアがリリナさんを落ち着かせる。
「リリナさん。落ち着いて、落ち着いて、ここはギルドですよ」
あっと声を上げて、顔を赤くしながら
「スタンピードよ!!スタンピードが発生したの!!」
《緊急クエスト発生》
スタンピードを阻止せよ
推奨レベル:50
「俺8.1Cなんだけど?」
《問題ありません》
「どういうこと?」
《パーティー平均ではありません》
「じゃあ何基準!?」
《気合です》
「システムが根性論になった!!」
するとライオン丸の身体がまばゆく輝く。
ゴォォォォ……
小さな体がみるみる大きくなっていく。
やがて光が収まると、そこには――
顔はライオン。
筋骨隆々。
黒いパンツ。
そして、ビキニトップ。
俺、ミリア、フィリア、そして、結奈は言葉を失った。
「……」
「……」
「……」
「やっぱり覆面レスラーじゃねぇか!!」
ライオン丸は腕を組む。
「これが本来の姿だ」
《復元完了》
「これで大丈夫です」
「そんなものなの!?」
《はい。》
「もっと感動的な演出とかないの!?」
《ありません。》
「何故、復元したんだ?」
《レベルアップしたからです。》
「あっ、そう」
ライオン丸は満足そうに胸を張る。
「やはり、この姿が一番だ。」
ミリアが小声で。
「いや……服はそのままなんだ」
《ライオン丸も復活しましたので》
フィリアもうなずく。
「黒いパンツだけは譲れないのですね」
ライオン丸は真顔。
「正装だからな」
《ライオン丸も復活しましたので、勝利の確立が0.01%アップしました》
「少なな!!」
《勝利の確率は100.01%》
「100%超えてるんですけど」
《気合補正込み》
「結局精神論かよ!!」




