第34話 「同じクラスの男子たちとヲタ通」
この日、ギルドにぞろぞろと男子たちが現れた。
総勢九名。
レベル70の工藤以外は戦力外だったため、召喚後の大半をサポートセンターで過ごしていた。
数人は痩せていたが、それ以外は意外と健康的な体格をしている。
サポートセンターでは食事管理や健康管理が徹底されており、適度な運動も行われていたからだ。
そのため、ギルドに入った瞬間――。
「男だ……」
「九人もいる……」
「うそでしょ……」
女性冒険者たちの視線が一斉に集まった。
だが、その横には王城直属の衛兵たちが立っている。
誰も手は出せない。
工藤は顔を引きつらせた。
「なんか見られてません?」
「気のせいだ」
クミは即答した。
「絶対気のせいじゃないですよね!?」
こうして始まった再訓練。
魔導士組と剣士組に分かれる。
魔導士組はフィリア。
剣士組はミリアとクミが担当することになった。
まず剣士組。
結果から言えば悲惨だった。
工藤以外、全員弱い。
本当に弱い。
「じゃあ掛かってこい」
クミが木槍を構える。
すると男子たちは一斉に飛び込んできた。
しかし。
バシッ。
「うわっ!?」
ゴロゴロ。
バシッ。
「ぎゃっ!?」
ゴロゴロ。
工藤以外全滅。
クミは唖然とした。
「え?」
ミリアも呆れていた。
「弱すぎない?」
「俺でも勝てるんだけど……」
「それが一番問題なのよ」
一方。
魔導士組。
こちらも酷かった。
「ファイヤーボール!!」
長い詠唱。
そして飛んでいく火球。
ポフッ。
火力は焚き火以下。
フィリアは無言だった。
「えっと……終わりですか?」
「はい」
「それで?」
「以上です」
「……」
フィリアは頭を抱えた。
そして全員に共通していた問題。
魔力の扱いが壊滅的だった。
工藤だけが呟く。
「やっぱりですか……」
「知っていたの?」
フィリアが聞く。
工藤は頷いた。
「俺たち、魔力を使う訓練なんてほとんどしてませんから」
「は?」
ミリアが固まる。
「いや、勇者だろ?」
「戦闘訓練より別のことばかりでした」
全員が目を逸らした。
クミは察した。
「あー……」
フィリアも察した。
「あー……」
ミリアも察した。
「あー……」
読んで下さりありがとうございます。
・面白かった、楽しかったは
・続きが気になる
と少しでも思ってくださった方は、
画面下部の☆☆☆☆☆を★★★★★にして応援して下さると嬉しいです。




