第32話 「レベルアップとヲタ通
決闘以降、治療が終わったクミたちは、冒険者ギルドにやって来た。するとみんながクミたちを見る目が違う。
クミは、決闘で一人で4人の勇者パーティーに勝ったことで男して、注目されだしたのだった。しかし、ギルド規約があることから、クミに手を出す冒険者はいなかった。それにいつもおバカなことをやっているクミを見ていたことも原因の一つだった。
カウンターにつくといつも通りリリナさんが対応していた。
「これが今回の報酬です」
目の前に置かれたのは一枚の紙だった。
「リリナさん。これは?」
「今回は、ちゃんと読んでください」
『決闘結果ならびに協定証明書
【決闘の目的】
対象冒険者(以下、乙)の、勇者パーティーへの移籍・引き抜きに関する権利の帰属。
【決闘結果】
勝敗: 勇者パーティーの反則負け。
戦況: 双方の戦闘不能による相討ち。しかし、勇者パーティー側に明確な規律違反(反則行為)が認められたため、ギルド裁定により反則負けとする。
【報酬および履行義務】
移籍の撤回: 乙の勇者パーティーへの移籍は一切認めず、現パーティーへの所属を維持する。不干渉
条項 : 勇者パーティーは、今後いかなる理由があっても、乙および現パーティーに対して一切の干渉、接触、引き抜き行為を行ってはならない。
皇帝:ミネルバ・エストリア』
それを見たクミ以外のみんなはため息が出た。
「金銭報酬がない」
「ないですね」
《クミがちゃんと読まなかったからです》
すると結奈が一枚のチケットを見せた。
「ふふーーん♪ところでリリナさん。これってここで交換できますか?」
「えーとこれは、ここで…って。ええええええ?」
今回のオッズは9倍、実は、販売総額が20億イェーンとなっていたのだった。下馬評では、勇者パーティーが圧倒的有利ということで、ほとんどの人が勇者パーティーに入れたはずが、1億イェーン分はクミに賭けられていたのだった。そして、リリナさんは、チケットの額を見て驚いたのだった。
『額面:1億イェ-ン』
《今回の決闘でクミがレベルアップする時とは関係なく、結奈が新スキルを取得》
「お?」
「は?」
「関係なく?」
《スキル:賭才を取得しました》
「ばくさい?」
「爆砕?」
「爆発するんですか?」
《すみません。もう一つありました》
《スキル:爆砕を取得しました》
「どういうことよ?」
《賭才は、ばくちをした時、かつ可能性が高くなるスキル。もう一つの爆砕は、ものごとを爆破して、粉砕するスキルです。対象は物体だけでなく、状況を破壊することもできます》
その話を聞いて、非常識すぎることにリリナさんは目が点になった。しかし、ギルト職員としての自分を取り戻した。
「今回は、ギルド銀行に直接9億イェーンが振り込まれます。確認しますか」
「はい」
結奈がそう答えて、口座の確認をしたら。9億イェーンが振り込まれていたらしい。しかし、そんなお金を見ても結奈は動じなかった。
「今晩は、クミくんの快気と勝利のお祝いよ」
そして、この日の宴には、もちろん、リリナさんとルナ様も出席、宴会の後、レベルアップのための魔力通環があったのは言うまでもない。
次の日
《個体レベル上昇を確認》
《レベル:8 → 8.1》
《重傷状態補正を確認》
《身体機能回復率上昇》
《魔力経絡安定化開始》
《ヲタ通:新カテゴリ接続》
新規カテゴリ接続
《時代劇特性を確認》
《名探偵特性を確認》
時代劇特性解放
《新規スキル解放》
・お約束補正
《時代劇展開発生率上昇》
・暴れん坊
・越後屋遭遇
・桜吹雪演出
名探偵特性解放
《新規スキル解放》
・違和感察知
・推理補助
・すべての謎は解けた
違和感察知
《不自然な事象を検出します》
推理補助
知力+5
観察力+10
全ての謎が解けた
《証拠がなくても犯人を決めつけます》
《正答率:10%》
【国府田 久実】
レベル:8 → 8.1
体重:87kg → 87kg
筋力:21 → 21
体力:27 → 28
魔力:52 → 53
敏捷:14 → 14
知力:47 → 52
運:1 → 1
ナビ子コメント
《レベル上昇を確認》
《なお戦闘能力はほぼ上がっていません》
「なんでだよ!!」
《代わりに時代劇知識が増えました》
「いらねぇ!!」
《暴れん坊皇帝対策として有効です》
「ミネルバさん専用スキルじゃねぇか!!」
《名探偵特性も取得しています》
「おお!!」
《『すべての謎が解けた』確率は10%です》
「低っ!!」
《なお本人は非常に満足そうです》
「そこは100%否定しろ!!」
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