第25話 「デンデンサイとヲタ通」
クミ達のパーティーは、というと、相変わらず、薬草採取のクエストをしていた。えっ?何故かというと、無理に討伐をして、命を削らなくてもお金が入ってくるからだった。それは、結奈商会という財源があるからなのだが、商業ギルドできっちりと契約魔法が効いているから、こういうことが可能となっている。
なので、今日もヒール草の採取をしていると、結奈がまた薬草を間違えてデンデンサイを引き抜いてしまった。
「キャ!!」
バチバチバチ!!
「結奈、大丈夫?」
「た...大丈夫...」
《デンデンサイ、引き抜くと電気ショックがきます》
「結奈、少し前も同じことしなかったっけ」
ミリアが呆れた顔をしている。
「えへへ…久しぶりなので、間違えちゃった。ん?クミ君!、何しているの?」
するとクミがデンデンサイの根っこの部分を割って舐めた途端、ビリビリっと舌に電気が走って、ひっくり返った。
「イタ!!」
「また、クミが変なことを始めた」
《クミ病が再発しました》
首を振って、クミは、じっとデンデンサイの根の部分を見ている。
「クミ君、どうしたの」
すると彼は驚くべき行動に出た。そう再び舐めようとしたのだった
「「「クミ!!(くん)」」」
バチ!!!
「痛い!!」
再び口の中に電気が走ってひっくり返ったクミ
「大丈夫?」
《クミ病が悪化しています》
しかし、クミはじっとデンデンサイの根っこを見ていた。
「クミ君?どうしたの?」
「これ、めっちゃクチャ甘いぞ!」
《デンデンサイ、地球では、テンサイに似ている植物です。食用可能です》
「ひょっとして、これって、砂糖の原料」
《その通ーーり。しかし、ある条件を…あっ、私の話を…》
「マジか。砂糖か」
「ホント!砂糖だーーー!!」
《話を聞きなさいって!!》
結奈とクミは二人で大喜びをした。
「砂糖!!砂糖!!さとう!!さとう!!わーーーー!!」
結奈とクミは砂糖だー!!砂糖だ!とはしゃいでいる。
《ああ...》
それを見ていたミリアは
「こうなったら、もう駄目ね」
フィリアも腕を組んでうんうんとうなずいている。
「もう、だれにも止められないわ。特に結奈が」
《結奈もクミ病を再発しました》
「あーあ」
二人を見て呆れるミリアとフィリアだった。しかし、問題は、抜く時の電気ショックだった。
《ミリアさん・フィリアさんどこに行くのですか》
「私たちは、ヒール草の採取を優先します」
「私もそうします」
その時だった。
《もう遅いようです》
「「えっ!!」」
二人は、手をしっかりと掴まれいた。
「どこに行くのですか?」
「ひっ!!!」
「さぁ…デンデンサイを抜きに行きましょうね」
「「いやぁああああ!!」」
バチバチ!!
シューーーー!!
電気ショックで二人は地面に倒れていた。
「やはり、問題は電気ショックですね」
「そうだな」
すると倒れていたフィリアが
「か…雷耐性を付けないと…そ…それには…」
《フィリアさんの言う通りです。雷耐性が必要です。ですので、、まずは専用の――》
クミと結菜は、すでに分かったといった感じの顔でナビ子の言葉を遮った。
「そうか!!耐性か」
「耐性ね!!」
《あ!!ですから…耐性をつけるには》
「「ずばり!!繰り返し電気ショックに耐えれば、耐性がつく(わ)!!」」
《ああ…》
ナビ子があきれた声を出している一方で、ミリアとフィリアは、心の中で『違うんだってば!!』と叫んでいた。
「クミ君!!やることは」
「結奈!!そう一つだ!!」
「「耐性は根性で付ける!!」」
フィリア
「違います!!」
《違います》
ミリア
「絶対違う」
そして、森の中にクミと結菜の悲鳴が続いた。
バチバチ!!
「うぁあああ!!」
「きゃあああ!!」
数回目のことだった。クミは、その電撃を受け立ち上がれなくなった。
「クミ君…」
「結奈...砂糖を...頼む」
「わかりました」
何故、結奈が頑張れるか…それはご想像の通り、女の子だから甘いものが好きだからだった。そして、結奈は魔王覇気をまとって、デンデンサイを抜く。しかし、
バチバチ!!!
「きゃあああ!!」
こうして5回目
「くぅううう!!」
震える手でデンデンサイをつかもうとする。魔法覇気も通じない電撃、バチバチっと一瞬で全身を駆け巡り痛みへの恐怖を振り払った。
「えい!!」
バチバチ!!!
「きゃあああ!!」
《結奈さんに雷属性レベル1を取得しました。小さな電雷を起せます》
「え?」
すると復活したフィリアが、こうすると電雷が起きますよと説明すると
「本当だ」
結奈の手の平に小さな電雷が起きたのだった。むふぅーーとドヤ顔をしているが、フィリアが
「結奈ちゃん…だから耐性は…」
といったところで、結奈は暴走した。
「わかったわ!!もっともっと頑張れば!!耐性がつくのね。私!!頑張る!!」
こうして結奈は頑張った。
《結奈さんの雷属性のレベルが10になりました。大量放電が可能となりました》
バリバリバリ!!
「本当だ!!」
すると結奈の頭に小さな突起物が出てきた。
「え?」
「あれ?」
「ゆ…結奈!!」
「どうしたのですか?」
「あ…頭に!!」
「頭に何か?」
「角が生えています」
「え?」
結奈が頭を触ると角が2本生えていた。
「え?うそ!!」
《副作用として、角が生えます》
しかし、結奈は頑張った!!
《結奈さんの雷属性のレベルが20になりました。指向性放電が可能となりました》
ドォォォォン!!
遠くの岩が砕ける。
「すごいだっちゃ!!」
「え?」
「だっちゃ?」
みんなが不思議そうな顔で結奈を見た。
「みんな。どうしただっちゃ?」
「結奈…語尾が?」
「語尾が何だっちゃ?」
《副作用で語尾に『だっちゃ』がつきます》
「なんでだっちゃーーー!!」
しかし、結奈は頑張っただっちゃよ。
《レベル30到達》
《飛行能力を獲得しました》
「飛べるの!?」
《飛行する為に衣装を最適化します》
「待って、その言い方嫌な予感しかしないんだけど!?」
ピカァァァァ!!
光が結奈を包む。
《変身完了》
そこにいたのは、虎模様のビキニ姿の結奈だった。
沈黙
結奈は、何が起きたのかわからなかった。そして、その姿を見たクミ、ミリア、フィリアは絶句した。
「「「……」」」
そして、きわどい虎模様のビキニに気づいた結奈は、手で胸と股間を抑えた。
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その瞬間、ミリアとフィリアは、左右からクミの目が塞がれた。
「クミ!」
「見ちゃダメです!」
「ぐえっ!?「何も見えない!」
「だからです!」
「見ちゃダメです!」
《安心してください》
「安心できない!」
《クミは0.3秒しか見ていません》
「秒数測るな!」
《視認率12%》
両目を抑えられ、目の前が見えないクミは怯えていた。なぜなら、さっきの結奈の電撃を見ていたからだだ。
「お...俺悪くなくね?」
ミリアは溜息交じりに
「悪いです」
フィリアはズバリと
「有罪です」
するとナビ子が追撃する。
《なお結奈さんに嫉妬感情を検知しました》
《対象:ミリア》
「え?」
《対象:フィリア》
「え?」
《クミへの接触を確認、結奈さんの放電を再確認》
バリバリバリバリ!!
「「「ぎゃああああああ!!」」」
《ご愁傷様です》
「違うだっちゃぁぁぁ!!」
《更なる進化を確認》
「まだあるの!?」
《怒ると自動発動します》
「最悪だっちゃ!!」
《嫉妬で発動率上昇》
「もっと最悪だっちゃ!!」
《進化の過程で魔王覇気で発動しません。代わりに雷黒炎が使用可能となりました》
☆☆☆
結奈の怒りも収まり、彼らの周りには40本近いデンデンサイの根っこが残った。それを見たクミが一言
「結局耐性つかなかったな」
「そうだっちゃ……」
結奈は、というと、角が生え、語尾も変わっていおて、虎ビキニのまま、空中で浮いていた。しかし、耐性を得ることはなかった。
《当然です》
「なんでだよ!!」
《耐性取得条件は別です》
「最初に言えよ!!」
《言いました》
「「聞いてなかった……」」
その時、フィリアが珍しく怒った。
「だから最初から言おうとしてました。耐性は、慣れでつくものではなく、刺激を受けた後、魔力操作をして、その人の体に適性があれば、耐性がつくのです。だから、本当は、初めのころに魔力操作をしなけいといけなかったのです」
「ということは、私たちの努力は」
「無駄でした」
「あ!!でも、今からでも魔力操作をすれば」
《はぁ...》
「どうしたの?ナビ子」
《結論から申しますと、もう耐性は、つきません!!》
「「え」」
「電撃を受けすぎよ。だから、耐性をつけようとしたら膨大な魔力がいるわ、多分ルナ様の魔力でも無理ね」
「ええ?」
「じゃぁ...どうすれば」
すると、ミリアがぼそりと
「電気を通さない素材で手袋を作ればいいんじゃないの?」
《地球じゃ当たり前の技術ですよね》
「なんで、それを早くいってくれなかったの?」
《聞かなかったからです》
⭐︎⭐︎⭐︎
この後、結奈は、持って帰ったデンデンサイで砂糖作るを始めた。最初の難関は、すりおろす時に、時折、やって来る電撃。
「きゃあああ」
結奈の雷属性のレベルは、すでにMAXに到達していた。しかし、雷耐性はつかなかった。
こうして、砂糖を作った。
「できた!!」
そして、指ですくって舐めると
バチバチ!!
「うぐっ、痛ったーー!!」
口を押さえて、口の中が痺れているのがおさまるのを待っていると口の中に広がる甘さ。それは、砂糖というより、ガムシロップをそのまま飲んだような甘さだった。
「うっ、甘すぎる。これ普通に使うと大変な事になる。ということは、薄めれば使えるかも」
こうして、試しにクッキーを作ることにした。しかも、使う砂糖は、ひとつまみ、そして、完成して食べる。
「あーむ、モグモグモグモグ」
「!」
結奈の顔がにへらっと緩んだ。
「美味しい♡。しかも、口の中に少しピリピリくるけど、これなら我慢できる。もう一つ」
バチバチ
「痛い!!うーー!けど。美味しい」
こうして、結奈は、焼き上げた内の10枚のうち1枚だけが、電撃がきた。それを見た結奈は、悪魔の微笑みを浮かべた。
「みんなー!!できたよ」
《結奈さんが作った悪魔のクッキーです》
それを聞いたクミたちは、期待した。それは、悪魔のソースでえるタルタルソースと言う実績があるからだった。
こうしてクッキーを食べ出した三人。
ミリア
「甘い。こんなのはじめて!!」
フィリア
「サクサクして甘い。この味大好き」
そして、クミ
バチバチ!!
「ぎゃあああ」
椅子から転げ落ちる。
「な、なんだこれ!!」
結奈は首をかしげた。
「あれ?」
ミリアも食べる。
「美味しいわよ?」
フィリアも食べる。
「普通ですけど?」
クミだけが口を押さえて転げ回っていた。
「なんで俺だけ!?」
《クミさんだけ当たりを引きました》
「当たりって何だよ!!」
結奈は目を輝かせた。
「なるほど!」
嫌な予感がした。
「当たり付きクッキーだね!!」
「やめろ!!」
《なお当選確率は10%です》
「低いな」
《ただしクミさんの場合は80%です》
「なんでだよ!!」
《運が悪いからです》
「理不尽だ!!」
しかし、まだ、ゴム手袋の開発が残っていた。
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