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第24話 「勇者パーティーとヲタ通」


「結衣……ごめんね」


あの時、私も衛兵に抑えられ身動き取れなかった。優斗と結衣へ暴行事件、その時の恐怖。だから、王城から逃げた。あてもなく彷徨い冒険者に連れてこられたギルドで、クラスメイトのクミ君を見つけて、すがる思いで、助けてと言った。

この世界は男性がほとんどいない。なので、私は、助かったんだと思う。しかし、頼ったのは、キモブタと呼ばれいたクミ君、話すことは全くなかったけど、私は生き残るため、覚悟も決めていた。やはり、クミ君の隣にはすでに2人の女性がいて、二人は、私を見て、彼にくっついている。

男って…こんなやつばかり…そう思っていた。

しかし、私は、生活魔法を買われ彼のパーティーに入った。しかも、条件は、クミ君の女にならないことだった。

こうして、パーティーの一員となった私、彼のスキルにでてくるナビ子の声は私にも聞こえるようになっているけど、唯一彼と魔力通環をしていない。彼は私が思っていたような人ではなかった。


だからだろうか。


この人たちといると安心できる。


私は、これからもクミ君について行こう。そう思っている。


さてと、晩御飯の時間になった。

エビエビフライに悪魔のソース『タルタルソース』、ジャガジャガンのポテトサラダもどき、コンソメのスープと天然酵母で作ったわらかい白パン、これが今日のメニュー

最初に乾杯、私とクミ君はグレープジュース、ミリアさんとフィリアさんとリリナさんはエール


《体重増加警報 クミは食べ過ぎに注意してください》


「うるさい!!」


「カンパーイ!!」


「おいしい…結奈って天才」


《時々、クミ病にかかりますが料理スキルはS級です》


「ナビ子…それって貶しているよね」


《事実を申し上げているだけです》


静かな食卓ではないけど、クミ君とミリアさん、フィリアさん、そして、今日は、リリナさんもいる。楽しい夕ご飯だった。


☆☆☆


風間SIDE


なぜだ


勇者である俺が、なぜこんな扱いを受ける。


勇者は世界を救う存在だ。


ならば勇者を支えるのが周囲の役目だろう。


なのに現実は違った。


ゴブリンリン討伐も成功したというのに、王城は、俺たちを女子たちとは、別々にされたまま。

なぜだ。

どこで間違った。

やはり結奈がキモブタのところに行ったからだ。

そうだ。

結菜がキモブタを隷属化して連れ去ったからだ。

絶対そうに決まっている。

今、俺たち4人はだけで、食堂で飯を食べている。パサパサの固いパン、食べると口の中の水分をすべて持っていかれる。そして、塩味しかしないステーキとゆでジャガジャガンこれも塩味、そして、塩味しかしないスープこれが今回のメニューだった。


「リク!!お前レベルいくつだ」


「うぐ…ちょっと待て、うぐうぐうぐ」


リクは慌てて水を飲んでいた。


「やべぇ!!死にかけた!!わりぃ!!風間!!俺のレベルだったよな。今70だ」


「そうか、竜也も伸一も70だったよな」


「「そうだけど」」


「ゴブリンリンも無事に討伐できた」


「おお!!」


「俺たちは十分にやった」


「……」


リクと竜也は風間の話に答えたが、伸一は、黙り込んでいると


「俺たちは十分強くなった。それなのに、なぜだ。なぜ、女子たちは戻ってこないんだ!!」


「「そうだそうだ」」


「ちょっと待て、それは、お前が『女子たちが足手まといだから、何とかしてほしい』言ったからだろう」


同意している二人を抑えて伸一が話すが風間は理解する様子もなかった。


「確かにそう言った。しかし、女子たちがいなくてもちゃんとゴブリンリンを討伐できたではないか、ということは、女子たちがいても、俺たちは十分に戦えると言うことを十分に証明できた」


「おい…それ」


「なのに、何故、女子たちが戻ってこないんだ」


「お前、それ衛兵長に言ったのか?」


「言わなくてもわかるはずだ!!」


「言わないとダメだろう」


「衛兵長だぞ!!」


「だから?」


「衛兵長なんだから、そのくらい察するだろ!!」


「察しねぇよ!!」


伸一は頭を抱えた。風間の理屈は最初から最後まで破綻している。だが本人だけは真剣だった。

しかも厄介なことに、リクと竜也は感心したように頷いている上に火に油を注ぐ様なことを言った。


「やっぱり、結奈が女子のところに戻ってこないとダメなのかな」


風間の目が見開かれた。まるで長年解けなかった難問の答えを見つけたかのように。


「それだ!!あのキモブタヤローに隷属化の魔法をかけられて誘拐された結奈だ。彼女を奪還して、女子たちに返せば、昔のように女子たちも戻ってくるはずだ」


「そうだ」


「絶対そうだ」


「こいつらはもうだめだ」


伸一は反論するのをやめた。


もう遅い。こいつらは理屈で動いていない。目の前の固いパンを噛みながら、


「せめて飯だけでも美味ければな」


と現実逃避することにした。






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