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第21話 「誘拐とヲタ通」


《結奈さん起きてください》


私はナビ子の声を聴いて目を覚ました。見たこともない部屋。そして、目の前でガン!!ガン!!と何かを蹴っている越智君がいて、何か叫んでいる。


「なんだこれは!!くそ!!かたいぞ!!」


そして、私はロープで縛られていた。あれ?簡単に外せそうなんだけど、一体この状況はどうなっているの?


《結奈さんは誘拐されました》


ナビ子の声に私は驚いたんだけど、このナビ子の声は同時にクミ君にも聞こえていたようだった。そして、今の現状はというと、


《緊急措置です。結奈さんの生命の危険を検知したため、結奈さんの魔力を使って一時的に格子力バリヤーを展開しました》


「ナビ子さん。流石です」


《いえ。それほどでも》


「本当に頼りになりますね。クミ君と違って」


《ありがとうございます。確かにクミとはちがいますので》


そう話しているうちに身体強化の影響なのか、それとも縛り方が甘かったのか、ロープは少し力を入れただけで緩んだ。

ロープが外れたのがばれると誰を呼びそうなので、ロープを後ろで持ったまま立ち上がるが、まだ、バリヤーに蹴りを入れ続けている越智君がいた。


「いい加減にこれを消せ!!俺がキモブタにかけられた隷属魔法を解いてやる」


隷属魔法とは何ぞや?そんな魔法、あったっけ?するとナビ子が


《この世界にもあります。しかし、相手の心臓付近に隷属魔法の魔法陣を記載した上で、お互いの血を使って魔法陣に魔力を込めるので、そう簡単にできません》


「そうなんだ」


「おい!!誰としゃべっているんだ!!早くこれを消せ!!」


「外野がうるさいんだけど、ということは私は隷属魔法なんかにはかかっていないよね」


《その通ーーり!!なので、彼はでたらめを言っています》


《バリヤーを解きますがどうしますか? YES NO》


「YES」


《ファイナルアンサー?》


「は?ナビ子さん遊んでいませんか」


《私はいたってまじめです。ファイナルアンサー?》


「ファイナルアンサー」


《正解!!》


《5秒後に格子力バリヤーを解きますので、解いた瞬間横に動いてください。5,4,3》


「くそーー!!これでもくらえ!!」


越智君は魔力を込めて、飛び蹴りをしてきた。


《2,1,解除》


私が横によけると勢い余って、物置に突っ込んでいった。


ガチャガチャと何かが壊れる音がしたが、すぐさま、立ち上がって


「はぁ~はぁ~。ようやく観念したか、今からお前を抱いて、目を覚まさせてやる」


「は?意味わかんないんだけど!!」


「そうだよな。結奈は、キモブタの奴隷にされているからわからないのか。かわいそうに。今から解放してあげるから、俺の言うとおりにすれば、優しくしてやるからな」


悪寒が走る。キモっ!!なんなの一体


「キモ!!近づかないで!!」


「毎晩、キモブタとエッチしているんだろ!!だったら、俺の方がましだ」


「ほ…本当に近づかないで、キモすぎだから」


「おとなしく言うことを聞きな!!」


私に襲い掛かってきたので、ロープをほどいて、身体強化、超加速。思考加速。景色がスローモーションで流れる。

私を捕まえようとしている越智君の動きが、まるで止まったかのように見えた。


「消えた!!」


私は、越智君の懐に入り込んだ。


「はあああ!!」


そして、右手に魔力を込めて掌打をみぞおちに打ち込んだ。


「ぐふ!!」


みぞおちを抑えて崩れ落ちる越智君から離れ、ドアに向かって走った。


「ま…待て!!」


ドアを開けると王城の馬小屋が横にあった。越智君は、立ち上がってゾンビのような歩き方で追いかけようとしている。私は収納袋から匂い玉を取り出した。


「これでもくらえ!!」


そして、越智君に向かって、投げつけた。


ドーンと破裂音とともにもくもくと上がる煙、その匂いに、馬小屋の馬がヒヒーンと叫んでいる。ごめんね。


《脱出経路のナビは必要ですか YES NO》


「YES」


こんどはファイナルアンサーを聞いてこなかった。こうして、私は王城の出口を目指して走り出した。


《結奈さん》


「なに?」


《越智幸一の追跡能力》


《0です》


「でしょうね」


☆☆☆


《結奈さんは誘拐されました》


俺たちはナビ子のこの言葉を聞いて、ギルドを飛び出した。一方でリリナもギルド内で結奈ちゃんが誘拐されたって大声を上げたものだから、ギルドにいた冒険者たちが


「結奈ちゃんがさらわれた!?」


「大変だ!!」


「俺たちのマヨネーズが!!」


「唐揚げも終わるぞ!!」


「確保しろ!!」


「餃子―!!」


となって、マヨネーズを合言葉に、結奈捜索隊が結成されて、市中が大騒ぎになっている。


「ナビ子、結奈はどこだ!!」


《緊急措置です。結奈さんの生命の危険を検知したため、結奈さんの魔力を使って一時的に格子力バリヤーを展開しました》


「まじか?」


するとミリアが


「ナビ子!!ナイスファインプレー!!」


《いえ。それほどでも》


フィリアが


「ナビ子!!流石です」


《ありがとうございます。確かにクミとはちがいますので》


「おい!!それはどういう意味だ!!ところで、結奈はどこにいるんだ」


《この世界にもあります。しかし、相手の心臓付近に隷属魔法の魔法陣を記載した上で、お互いの血を使って魔法陣に魔力を込めるので、そう簡単にできません》


だが、その瞬間。


「は?」


なぜか俺には、


《アイテノシンゾーフキンに零属魔砲の魔砲陣をキサイした上で、オタガイノ地を使って……》


としか聞こえなかった。


「は?魔砲?なんだそれ?」


するとミリアが聞き直した


「クミ!!なんか間違って聞いてるよね?」


《その通ーーり!!なので、彼はでたらめを言っています》


「おい!!」


「とりあえず、王城に向かいませんか?」


フィリアが提案をしてきた。


《ザザーザザーどうしますか? ザザー》


「そうだな!!多分、王城の連中が誘拐した可能性が高いな」


「王城に行こう!!」


《ファイナルアンサー?》


「ファ…って、ナビ子、正気か?」


《私はいたってまじめです。ファイナルアンサー?》


「くそー!!ファイナルアンサーだ」


《正解!!》


王城に向かうぞ!!


こうして俺たちは王城の門に向かって走っていったのだった。















読んで下さりありがとうございます。




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