第2話 「ナビ子とヲタ通」
城門を出た瞬間、冷たい風が吹き抜けた。
巨大な石造りの城。
人であふれる城下町。
異世界。
なのに――。
「マジで追い出された……」
普通、こういうのって勇者待遇じゃないのか?
チート能力で無双とかじゃないのか?
現実は、Fランク冒険者スタートである。
「……はぁ」
その時だった。
《こんにちは!》
「うおっ!?」
突然、頭の中へ声が響いた。
《“ヲタ通”チュートリアルを開始します!》
「……は?」
《ナビゲーター機能を起動しました!》
目の前に、半透明の画面が現れる。
そこには、小さな女の子の姿が映っていた。
銀髪ツインテール。
妙にアニメっぽい。
《案内人のナビ子です!》
「……なんだこれ」
《ヲタ通は、“ヲタク知識を現実へ反映する”能力です!》
「いや意味わかんねぇよ!?」
《まずは初心者ミッション!》
《薬草採取を行いましょう!》
その瞬間。
俺の視界に、ゲームみたいなマーカーが浮かび上がった。
「……マジかよ」
こうして俺の異世界生活が始まった。
ただし、この時の俺はまだ知らなかった。
依頼をこなすたびに、
なぜか最後に“女性との魔力循環”イベントが発生することを。
そして、そのたびに――。
俺の体が、異常な速度で変わり始めることを。
☆☆☆☆
《とりあえず、冒険者ギルドへ行きましょう。マップを表示しますか。YES , NO 》
「イ…イエスで…」
目の前の半透明の画面に王都の地図が表示され、ご丁寧にも日本地図表記となっている。そして、右下に映っているナビ子が冒険者ギルドの位置を指さしています。
《ルート案内を始めますか YES , NO》
「イ…イエスで…」
《ナビは、音声認識もできますが、脳内で考えるだけでも反応できますよ。ウフフ...あまり独り言を言っていると不審者に思われますから》
う…マジで、とあたりを見回したら。うぁあああ!!マジでみんな引いている。とっとと逃げよう。こうして、俺は逃げるように冒険者ギルドに入っていった。
☆☆☆☆
予想通りギルドに入ると受付嬢が座っている。
《能力は、隠します。この世界の初心者と同じレベルにしておきます》
こうして、ナビ子の指示通りにギルド申請をすませると初心者講習会を受けることになった。これは、ナビ子が言っている通りであり、基本的に森に入る時の定石を魔物の特性や剣術の基本を教えてもらうことになった。
そして、冒険者ギルドの簡易宿泊施設に泊まることになった。もちろん、お金は、ギルドに預けておいた。
チュートリアルとして、1週間の訓練の後、初クエストとして、薬草採取を行うことになった。
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