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第18話 「ゴブリンリン討伐戦とヲタ通」

それは、たった四人の冒険者による無謀な挑戦だった。

立ちはだかるのは――数十匹のゴブリンリン、ゴブリンメイジ、

そして、ボブゴブリンリン。


彼らに与えられた武器は、知恵、努力、そして――マヨネーズであった。


《なんか嫌な予感しかしません》


☆☆☆


洞穴前、クミたちは最終確認をしていた。

「よし」

クミが頷く。

「作戦開始だ」

《成功率六十二%》

「微妙だな」

《クミが太っていなければ七十三%でした》

「まだ言うか!!」

昨夜、マヨパーティーでクミは太った。そして、レベルが下がった。

《食べ過ぎです》

「マヨネーズが美味すぎたんだよ!!」

開始前にリーダーが弱体化するという前代未聞の事態であった。


☆☆☆


作戦開始、まずは偽催眠ガスに似た臭いだけを洞窟へ送り込む。

数秒後。洞穴から風が出てきた。


《風魔法を確認》


「来た」


ゴブリンリンが飛び出してくる。


「撤退!!」


逃げる。


再び臭いを流す。


《再度風魔法を確認》


さらに。


《再々度風魔法を確認》


「引っかかってるな」


フィリアが笑う。


《ゴブリンメイジの知能指数は高くありません》


「言い方」


☆☆☆


そして、一時間後。


《ゴブリンメイジの魔力低下を確認》


《まもなく魔力切れです》


「今だ!!」


クミたちは、本命『催眠ガス』投入して、ゴブリンメイジが風魔法を起こした後、ゴブリンリンが飛び出してきた。そして、逃げた時に、わざと睡眠薬入りの食料と同じく睡眠薬入りの結奈特製マヨネーズを置いた。


「まだ置くのかよ」


「もったいないじゃない」


「そんな理由!?」


この世界の卵は、殺菌処理されていない。だから、腐るのも早かった。


☆☆☆


やがて、洞窟内部に入るとゴブリンリンが横たわっているのを確認した。


「効いてる?」


《効果を確認》


「やったか!?」


《その発言は死亡フラグです》


「ですよねー」


その瞬間だった。ズシン。ズシン。地面が軽く揺れた。ボブゴブリンリンが二体が現れたのだった。そして、その後ろにいるもう一体を見て、クミたちは絶句した。


《ボブゴブリンリンジェネラルを確認》


《レア個体です》


《運が悪いですね》


「最悪だろ!!」


最大の危機が訪れだった。


☆☆☆


ボブゴブリンリンが、結奈へ向かって突進してきた。


「結奈!!」


ミリアが叫ぶ。だが、結奈は動じなかった。いや。次の瞬間、消えた。


「えっ?」


消えたのではなく、しゃがんだのだ。


ミリアとの訓練で、何百回も繰り返した動きを高速で実現したのだった。

超低姿勢で視界から消えるような動き。

そして、


ザシュッ!!


「ギャアアアア!!」


結奈がボブゴブリンリンのアキレス腱を切った。巨体が崩れ始めた、


今度は、フィリアの魔法攻撃


「アイシクルランス!!」


ドゴォォォォォン!!


氷槍が貫く。


「まだ!!」


結奈は右手を突き出した。


「ファイヤーボール!!」


結奈のオリジナル魔法



火球がギュルルルルルと高速回転、ジャイロボールならぬジャイロファイヤーボール


「いっけぇぇぇぇ!!」


ドゴォォォォォン!!


爆炎が上がり、ボブゴブリンリン撃破を撃破した。

静寂が訪れた。そして、乾いた音が洞穴に響いた。


パァン!!


結奈とフィリアがハイタッチをしていた。


「やった!!」


「決まりましたね!!」


その間に、クミとミリアはもう一体のボブゴブリンリンを倒していた。


☆☆☆


だが、ジェネラルは違った。圧倒的な強さだった。


「ぐっ!!」


吹き飛ばされ、壁に激突したクミが叫んだ。


「痛ってぇ!!」


《レベルダウンの影響です》


「黙れ!!」


避ける。


受ける。


吹き飛ぶ。


クミは完全に押されていた。クミたちの最大の誤算は、マヨネーズが美味しすぎたことでだった。


クミに近づいてくるジェネラル、槍を持った構えた時だった。


ヒュン!!


1本の矢がジェネラルの肩に刺さった。結奈だった。

さらに結奈は、矢を連続射撃をした

二本。三本と

フィリアも魔法を放ち、二人のおかげで、ジェネラルの動きを止めることができた。

クミが地面を蹴る。


「うおおおおおおおおおっ!!」


全力の突き出した槍がジェネラルの胸を貫いた。ジェネラルの傷からは血しぶきが出ている。しかし、ジェネラルが立っていた。数回、ジェネラルの胸を刺した。


「なっ!?」

ジェネラルは化け物だった。


ジェネラルが剣を振り上がる。至近距離にいたクミは避けられない。


まずいと思った瞬間、


ヒュッ――


結奈の矢がジェネラルのこめかみを撃ちぬいた。

すると、ジェネラルが止まり、その場に崩れ落ちた。


《討伐条件達成》


《ランクアップ試験合格です》


「勝った……?」


「勝ったぁぁぁぁぁぁ!!」


だが、本当の衝撃は、その後だった。

彼らが洞窟内部を捜索するとゴブリンリンが全滅していたのだった。


「なんで?」


誰も手を出していない。すると、ナビ子が解析を始めた。


《死因を分析》


《高脂質食品の大量摂取》


「は?」


《結奈特製マヨネーズです》


「え?」


《通常のマヨネーズの約三倍のカロリーを確認》


「待て」


《ゴブリンリンが大量摂取により血栓形成と循環器障害が併発し、死亡しました》


沈黙、さらに沈黙。


そして。


クミが呟いた。

「つまり……俺たちの勝ちだ!!」


「命懸けで戦ったけど、実はマヨネーズだけで勝てた?」


《その可能性は高いです》


全員。


「マヨネーズかよぉぉぉぉぉぉ!!」


最後に、今回の勝因は、勇気でもない、知恵でもない。そして、友情でもない。


マヨネーズであった。


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