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第11話 真実
翌朝、広場に全員を集めた。
五十人が並んでいた。カイが前に立った。
「昨日、山で缶コーヒーが見つかった。みんなも薄々気づいてたと思う。ここはファンタジーの世界じゃない」
ざわめきが起きた。
「未来の日本だ。二年前、日本から全員が消えた。その原因に魔王が関わっている」
誰かが叫んだ。
「じゃあ俺たちを殺したのは魔王か」
「違う」
「でも関係してるんだろ」
声が大きくなった。マイは建物の影に立っていた。カイはそれを見た。
「魔王は十四歳の女の子だ」とカイが言った。「悪意はなかった。でも世界が変わった。誰も悪くない。でもそうなった」
沈黙が来た。
「帰りたい」と誰かが言った。
「帰れない」
「家族は」
「消えた。もういない」
泣き声が聞こえた。怒鳴り声も聞こえた。
スミレが人混みの中に入っていった。泣いている人の隣に座った。怒鳴っている人の前に立った。看護師の声で話しかけた。
カイはそれを見ていた。
◇◇◇
夜、マイが言った。
「怒られると思ってた」
「怒った人もいた」
「うん」マイは膝を抱えた。「でもスミレさんが」
「ああ」
「あたし、スミレさんに謝った方がいいかな」
「謝るより、ちゃんと顔を見せた方がいい」
マイは少し黙った。
「わかった」
村の明かりが見えた。五十人が暮らす村が、静かに夜を続けていた。




