初ギルド依頼編4/4:漆黒の光
レポート多すぎ
【チオニス・フエーラー(三人称視点)】
「フレイジス……」
フレイジスがダンジョンに向かって一週間が経とうとしていた。
中々帰ってこず、学園にも出席出来ていない彼を、チオニスは心配していた。
「……。」
(おい、そんなに心配なら助けに行ったらどうだ?ダンジョンの場所は特定出来てるんだろ?)
「フレイジスは大丈夫。絶対生きて帰って来る。」
(……お前、フレイジスを大目に見てるんじゃないか?)
「え……?」
クロちゃんの発言に、チオニスは動揺する。
(いくらあいつが漫画の王道主人公みたいな奴でも、お前にダメージを与えられない位には弱いぞ。)
「いや、大丈夫だと思うよ。だってフレイジスは……」
(お前も、あいつに死なれちゃ困るだろ?それに、お前は……)
「でも、最強を目指してるフレイジスにとって、僕とかが助けることは……」
(お前は感じてるんだろ?兄に対する感情を。それに、兄として見なくても、親しい感情を向けてるんじゃないか?)
「……!」
(嫌だろ、もう二度と……)
【フレイジス・コルエス】
「はぁっ!はぁっ! ……があぁ!?」
ダンジョンボスがいる雰囲気を出していた赤い扉は……
「はぁーふーはぁーふーはぁーふーはぁーふーはぁーふーはぁーふーはぁ!」
過呼吸が収まらなくなるほどの……
「「「キッシャー!」」」
一本道にいた奴らより強力なモンスターが次々と湧いていて……
「はぁっはぁっ!」
その後ろに階段があるのが見えた。
「ぐああああああぁぁぁ!」
俺はやけくそ気味に走り出し、階段へと一直線に走り出した。
「キシャアァ!」
「ぐうぅ!」
こんな攻撃、この一週間で百回以上は受けてきた。
今更こんな攻撃なんかに足を止める訳には行かない!
「はあぁぁ!」
俺は階段に飛び込み、あらゆる体の部分を強く打ちながらも、下まで転がり落ちた。
遂に……階段の下まで辿り着けた。
そこには再び密室があって、今度は紫の扉があった。
「……ぎやあああああああ!?」
少しでも体を緩めると、すぐに気絶しそうなほど、苦しく感じた。
こんな俺が……世界最強になれるのか……?
この一週間で何度そう思ったのだろうか。
だけど、俺が世界最強になりたくなった理由を思い出す度、前向きにリトライしていけた。
「ぎいいいやあああああ!!」
叫び声を上げながら、俺は紫の扉を開けた。
そこには……
「ヴィッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
さっきまでのモンスターの数倍は大きい、虫のモンスターがいた。
こいつがダンジョンボスか……?
「ヴィッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
「「「キシャアァ!」」」
「ぐっ!?」
ボスの口のような部分から卵が出てきて、その卵がすぐにあのモンスターへと変貌した。
こいつを倒さない限り、相手による数の猛攻は止まらないという事か!
「はあああああああぁぁ!」
俺はボスに向かって火球を飛ばす。
チャージ魔法を発動しているので、かなり威力は高いはず……
「ヴィシャ!」
(ぺチン!)
「何っ!?」
火球を指一本で弾き飛ばされた。
「はあああああぁぁ!」
俺は炎魔法をチャージしながら走る。
弾き飛ばされるのなら、ゼロ距離で放てば……!
「ヴィシャアアアアア!」
「ぐっ!?かはっ!?」
(ガン!)
掴まれ、壁に投げ飛ばされた。
「ごっ!?」
(ビチャ……!)
吐血を何度も繰り返してしまう。
頭がクラクラして来た。
「ヴィシャシャw」
「ぐうぅ……!」
こいつ……笑ってる……くそ!
俺は……世界最強に……
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「フレイ……ジス……助け……」
(グチャッ)
「キャーッキャッキャッキャッw」
(ゴクン)
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……俺はこんな所で死んでられない。
こんな奴に殺されるべきじゃない。
世界最強になるまで、俺は死ねない。
「そうだ……俺が世界最強になろうと思った理由……」
視界が薄くなる。
次の一撃でトドメを刺さなければ……
「俺が……世界最強になりたいのは……!」
「ヴィシャシャーヴィシャシャw」
「お前みたいな……人を脅かすモンスターから……」
「……ヴィシャ?」
俺の右手に炎の塊が溜まり、その炎が青く変化する。
「モンスターから……大切な人達を……!」
俺は青くなった炎の球を投げつけようとする。
「大切な人達を……守るためだああああああ!はあああぁ!」
俺は最後の力を振り絞るように、強く大きく溜まった青い火球を投げた。
「はぁっ……はぁっ……!あぁ……」
……駄目だ。
こんな所で気絶しちゃいけない。こんな所で寝てはいけない。
俺がこいつを倒すのを確認してか……
【三人称視点】
(ギーン!)
「ヴィシャアアアアア!?」
気絶する直前にフレイジスが投げた青い火球は、ボスを倒す事は出来なかった。
だが……
「ヴィシャアアアアアァ!」
右腕が溶けて、使い物にならなくなった。
そしてボスの目には、一瞬だが映っていた。
「ヴィシャアアァァ……?」
自分をこんな目に遭わせた男の左目が……黒く光っていた事を。
……そして、ダンジョンボスである彼にとって、地獄が待ち受けていた。
この部屋に、もう一人人間の男が入って来たのだ。
「……まだ死んでないね。」
「ヴィシャアアアアア!」
突如現れた水色髪の少年に、ボスは襲い掛かった。
「ヴ、」
一瞬にしてボスの体が……△△△△△△△△……
(~しばらくして~)
「君が死んだら僕が困る……いや、それだけじゃないのかな。」
チオニスは、ボスを倒した事で出現した出口に、気絶しているフレイジスを置き去りにして出た。
「君の言った通り、僕もお人好しなのかもね。」
その声がフレイジスに届くことはない。
「……でも、これで変えれたかな。昔の自分を。」
どうか私に……星という恵みを……
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