未知の”X”
原〇とレ〇ェンズしてた……
紹介
『雲さんの上』
物語上に存在する昔話で、『雲の上』で初めて明かされる。
巨大化したおじいさんが見つけた、雲の上の八星に関するお話。
【フレイジス・コルエス】
あれから5日が経った。
今日……俺はチオニスの……弟が住む家を訪れる。
あの火事の後、一人で頑張って生きてきたらしいが、どうしても気になった言葉がある。
(いや、僕は自分一人の力で……いや、僕たちは頑張って生きてきたよ。)
”僕たち”とは一体何なのか。
もしかしたら、チオニス以外にも……俺には弟か妹がいるのかもしれない。
「……あ、おにいちゃん。」
「……そういやチオニスが、俺を家に招き入れるのを心から承諾したのは、兄弟だからだったな。」
早速出会ったらおにいちゃん呼びして来るチオニスの姿があった。
弟ではあるものの、”世界最強になるべく、倒して超えるべき人物”である事には変わりない。
だが、今日は兄としてチオニスに接しようと思っている。
「それで、家は何処だ?」
「森。」
「は……?」
「……森。」
「森……?大量のモンスターが生息してる、あの森か?」
「そうだよ。」
森……か……
俺とチオニスの父親がオッドアイ一族とバレて、隠れて秘かに暮らすにはもってこいの場所だ。
チオニスがずっとここに住んでいたとなると、強いのは納得できる。
だからといって……あの強さが得られた理由にはならないが。
「きしゃー!」
「はぁ!」
「んっ!」
俺達を喰おうとして来るモンスターを倒しながら、奥へと進んでいく。
進むごとにモンスターも強くなってるようだが、それでも俺の敵ではない。
「ここ。」
「……思ったより大きいな、誰が作ったんだ?」
「……僕が作った訳じゃなくて、元々誰かが住んでた空き家らしくてね。」
「……空き家に無賃で住み込みしてるのか?」
「……ここの家の主は、誰にも邪魔されない事を願い、ずっと一人で研究に没頭してたらしいよ。僕がここに来たときには、モンスターの足跡とこの家の主の死体があった。」
「そうか……森に住んでいる人というのは聞いた事がなかったが、実際は何人かいるんだな。」
「そうだね……入って、どうぞ。」
「お邪魔します。」
チオニスの家は、森の中にあるとは思えない程整っている。
「この家自体は元々あったけど、その後僕が内部を整理したんだ。」
「俺の家と同じぐらい綺麗だな。」
俺達は寝室部屋に入る。
チオニスはベッドに座って一息ついた。
「……それで、本題に入っていいか?」
「え、何?」
「お前のその魔法、どうやって手に入れた?」
「……。」
チオニスは黙り込んだ。
「自分は動かず、瞬き一つで斬ったり叩いたり吹っ飛ばしたり……一体何だ?」
「えーっとねー……」
チオニスは考え出し、しばらくしてからこう口にした。
「フレイジスは、”雲さんの上”という昔話を知ってる?かつて存在した”巨大化魔法”で八つの星を見つけたって話。」
「あぁ、もちろん知っている。”スターエイト”という名称も、その定員が八人なのも、”八つの星を崇めるべきだ”という思想から出来た制度だったな?」
「”八星の奥”に何があるのか興味ある?」
「は……?」
昔話では、八星だけがあって、他は何もないと記されていた。
だが話に出てくるおじいさんは、”周囲は暗くて何もない”という理由から、”何もない”と記した。
ならば、ただ暗くて見えなかっただけで、他に何かがあったとしたら……?
「まずは……”三人の女神の家”。」
「三人の……女神……”まず”ってどういう事だ?」
「まぁ、それは置いとくとして……女神は人には見えない。そして基本的に自由で、人間同士の戦いを観戦したりして過ごしてるんだ。でもそんな女神も、守らねばならない掟がある。」
「……それは何だ?」
「……”まだこの世界に存在しないオリジナルの魔法を、ある条件を満たす人間に与える”事。」
「は……?」
「その人間が望む魔法を一つだけ再現して、生まれる時に与えるんだ。」
オリジナル魔法を……人間に与える……?
まさか、チオニスの能力……魔法はそれか……?
だがそしたら、チオニスはその”ある条件”を満たす人間である事が分かる。
一体何だ?
「まず一つ目ね。次に……」
「にゃあああ!!」
「……なっ!?」
モンスター!?
こいつは……小柄のモンスター、”キャッティーノ”!
家の中に入っていたのか!?
「にゃああ!にゃああ!」
……は?
何故、襲ってこない?
(ピュン!)
「何!?」
突然キャッティーノから”黒い何か”が飛び出し……
「うっ!」
「チオニス……!?」
チオニスの体へと入っていった。
それと……
「……。」
”黒い何か”が飛び出した途端、キャッティーノは死んだかのように倒れ伏せた。
【チオニス・フエーラー】
(おい、俺達の事を……この世界の人間に言うのは駄目だろ!)
「……そうだね。」
(八星の奥……女神の事はまだいいが、アレを言ってしまえば……)
「確かにクロちゃんの言う通り……」
「おいチオニス?さっきから誰と喋ってるんだ……?」
「あ。」
まずい、誰も居ないときの、いつもの癖が……
「な、何でもな……」
「嘘をつくな。話すべき事はちゃんと話せ。俺はお前の秘密を最後まで守ってやる。兄として。」
「フレイジス……でも、まだ相手がおにいちゃんだとしても、これを言うための心の整理が出来てないんだ。」
「……そうか。」
何とか隠せて良かった。
「……少し暗くなったから俺は帰る。また明日な。」
「うん。」
それから少し経った頃、フレイジスは家に帰って行った。
(隠せて良かったな、俺達の事……)
「……だから女神に望んだもんね。△△△を表に出さずに使う為の魔法を。」
どうか私に……星という恵みを……
あげたくないという人はブックマークしてくれるだけでも嬉しいです。




