一人の子供
魔法紹介
【チャージ魔法】
自分自身に発動する、習得魔法の一つ。
この魔法を発動すれば、しばらくの間、溜めて放つ動きや技のチャージを早くする。
また、威力も上がる。
現在フレイジスが所持。
【フレイジス・コルエス】
「お前が……お前がぁ……!お前が僕のお父さんとお母さんを殺したんだ!」
俺の母が……チオニスの両親を殺した……!?
チオニスの両親は、昔火事で亡くなったとチオニスは言っていた。
その犯人が、俺の母……!?
火事……炎……魔法……遺伝……
そう……か。俺の炎魔法は母から遺伝した魔法。
炎魔法は母も使える。
その魔法の力で火事を引き起こしたと考えても、全くおかしくない。
信じたくない話だ。
「お前が……!」
「くっ……まずい……!」
「……フレイジス!?」
チオニスが俺の母を殺しそうだったので、二人の間に横入りした。
「……なぁ、チオニスの家を燃やして、両親を殺したって本当なのか……?」
俺が来て少し落ち着いた母に問いかける。
「ふうっ……ふうっ……!ど、どこから……聞いてたのよ……!?」
「いや、そこしか聞いてないんだが……まさか、本当に……!?」
「私は……!」
「言い訳なんか聞きたくない、とっとと死……」
「チオニス!!」
今からでも俺の母を殺してしまいそうなチオニスを止めた。
「その部分だけでも聞いてたのなら、フレイジスだって僕の気持ちは分かるよね……?僕が大切に思ってた人を殺した仇が目の前にいて……!」
「俺は話を聞いてないから知らないぞ!もしその話が本当だとして、何故殺したのかが分かっていない!殺したのにはちゃんとした理由があるんだろ?」
「……フレイジス、私は……自分の為に……」
「なぁそうだろ!?そうと言ってくれ……母さん……!」
「……フレイジス。あなたにも伝えておかなきゃいけなくなったかも……知れないわね。」
俺に……今まで伝えていなかったこと……?
「……もういい、帰る。」
チオニスがそう言い出した。
「なぁ、お前も俺の事について何か知ってるんだろ……?」
「……そいつに聞けば良いでしょ、もう僕はそいつの顔を見たくない。」
「……私を……生かしてくれるの……?」
「殺したくてたまらない。でも、そうしたらフレイジスが……僕の二の舞になるでしょ……?お前とフレイジスは親子だとしても、違う人間。お前の事が嫌いになっても、フレイジスを嫌いにはならない。」
「チオニス……」
「だって、フレイジスは僕を倒して1位になる男で……そして……そして……」
「……そして?」
「おにいちゃんだから。」
「……ん?あ?……え?」
俺がその言葉の意味を理解する前に、チオニスは家から出て行ってしまった。
……おにいちゃん?俺が?
一体どういう意味だ?俺の家族は、俺と母の二人で……
「……はぁ、助かったわ。」
母が大きく溜息を吐いた。
「……で、伝えてなかった事って何?」
「フレイジス。あなたは……あなたの父親について興味ある?」
「父親?」
確かに俺は生まれてからずっと母に育てられて、父の事を何も知らない。
気になってはいたものの、ずっとはぐらかされてきて、聞くのを諦めていた。
「私は知らなかった……彼らの間に、既に子供が一人いた事を……!」
「……母さん?」
「こんなの言い訳にならないわね。全部私がしたことだし……」
「全部話してくれるか?」
「……これを知ったら、もうあなたは夢を叶えられないかもしれない。それでも良い?」
「……どういう事だ?俺の過去と世界最強という称号に、何の関係があるんだ?」
「単刀直入に言うわ。あなたは……オッドアイ一族の末裔で、奴らの血を引いてるの。」
「……は?」
待て、意味が分からない。
俺が……かつてこの国を襲撃した、オッドアイ一族の……末裔?
「あなたの……父親もそうだったから。」
母から炎魔法を遺伝したように、父からは……その一族の血を……?
どうなっているのか分からない。
何故ならオッドアイ一族は、数年前に絶滅が確認されたはず!?
オッドアイ一族の特徴は聞いた事がある。
一定以上の強さに到達した一族が”遠くにある大きなもの”を見つけた時、一時的に片方の目だけ色が変化するらしい。
その”遠くにある大きなもの”が何を示すのかは分からない。
だが、あの時……順位変動戦で俺の目に変化があって……
(順位変動戦でフレイジスと戦いました。その時に見たんです。フレイジスの左目が黒くなって……)
だからチオニスはあんな事を聞いていたのか……
「……ごめんね、フレイジス。」
「母さんが謝る事では……」
「いや、そうじゃなくて……私があなたを妊娠したのは、婚約者の男を襲ったからなの。あの時の私は……その男が大好きだったから。あなたは……そんな私の身勝手な行動で出来てしまって……しかもオッドアイ一族の血まで与えちゃって……!」
「……っ!?」
母は昔そんな人間だったのか……?
「私はあなたをずっと心の支えにしてた。あなたが正しい道を歩みながら強くなっていくのを見て、私は心が痛んじゃって……でもそれと同時に、たくましく育っていくあなたを心の中で尊敬してた。だから私は今、昔の事をちゃんと反省しながら生きていける。」
「母さん……」
「って言っても、チオニス君は許してくれないよね……」
「……。」
確かにその通りだが、謝ればあいつも心が軽くなるんじゃないか?
「フレイジス。」
「何だ……?」
「生まれてきてくれてありがとう……!そして、ごめんなさい……!」
「……母さん、謝る必要はない。例え俺がオッドアイ一族の末裔だとしても、俺の気持ちは変わらない。絶対世界最強になってみせる。」
「フレイジス……!応援してるわ。」
……とは言ったものの、一族の末裔という事実がもし王国にバレたら、処刑されるかもしれない。
何か対策を考えなくてはいけなくなる。
それより……
俺はさっきからある発言がずっと引っかかっている。
「なぁ、母さん。」
「……何かしら、フレイジス。もうあなたに隠す必要はなくなったから、何でも聞いて良いよ。」
「……チオニスが俺に”おにいちゃん”と言ったのはどういう事だ?」
「あ、えーっとねー……」
「……?」
隠す必要がなくなった母が、言うのを躊躇っている。
「……一週間位、頭が破裂しちゃう位にぶっ飛んだ話だけど、聞く?」
「あ、あぁ。」
俺が……一族の末裔である事以上に?
「あなたの父親は婚約者がいたってさっき言ったよね?」
「あぁ、確かに言ってたな。」
「父親とその妻の間には、一人の子供がいたの。」
「はぁ………………は?」
「その家庭に生まれたのが……チオニス君なの。」
「……は?え?は?」
待て、それって……
おい、やめてくれよ。
俺と……チオニスが……まさか……
「あなたとチオニス君は……実は異母兄弟なの。」
「は、は……はあああぁぁぁぁ!?」
前代未聞の衝撃的で意外過ぎる事実に、今までで一番と言っていいほど、俺は声が出ていた。
どうか私に……星という恵みを……
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