演技派の野望
やっばい投稿ボタン押すの忘れてずっとゲームしてた
人物紹介
【ベリリフィア・ゲソダーネ】(2)
”障壁魔法”の欠点に気が付いたフレイジスに敗北。
ほぼほぼ妹と一緒にいる。
【フレイジス・コルエス】
~1-4~
『1ラウンド4回戦!一人目は……』
オイシーネと謎の男、ハクーバの対戦が始まろうとしている。
『俊足魔法の使い手!どう攻める?”パフエア・オイシーネ”!!』
「うぉううぉううぉうおおお!」
「羨ましいわ。ハクーバ様の相手をしてもらうなんて!」
「怪我させたら承知しない。」
「うえぇ……」
ハクーバという男は、一般クラスの女の子においてそれ程までに人気なのだろうか。
一部の観客からの視線にオイシーネもたじたじになっていた。
『対するは……もはや説明は不要でしょう!学園一のイケメン、”ノージー・ハクーバ”!!』
「うっほおおおおおおおおおおお!」
「白馬様!王子様!」
「あんな女、一瞬でやっつけちゃってぇ!」
「……説明ざっつ!?」
声に出して突っ込んでしまうほど、”皆知ってる前提”での説明だった。
とはいえ、イケメンである事は……確かだと思うが、実力はどうだろうか。
「ふふっ皆、僕の事を応援してくれるかい?」
「はあああい!!」
……人気あるような風格でもないように見える。
まるでイケメンだからって少し格好良く振舞えばチヤホヤされると思ってるんだろう。
俺はモテるとかモテないとかは分からないが……なんか嫌な感じだ。
「うぅ……」
オイシーネはここからいなくなりたそうにしている。
対戦相手のせいで自分に対してのヘイトを向けられていると考えれば……納得できる。
『始めぇ!』
「ふふっ、大人しくしてれば後で良い事をしてあげるから、勝たせてね?」
「おいそこの女ぁ!良い事をしてもらうのは私だぁ!」
「暴れんなよ……暴れんな……」
ハクーバの発言に対してオイシーネに嫉妬を見せる人とそれを宥める人がいる。
ただ……オイシーネはそんな誘惑には乗っからないはずだ。
「……ふあっ!」
「え?」
ハクーバがステップを駆けて飛びかかろうとしたが、オイシーネはそれを躱し……
「やあぁ!」
「うぐっ!?」
俊足魔法でスピードを強化し、一瞬にして反撃の猛攻を見せた。
自分が女の子に攻撃される事を思ってもいなかったであろうハクーバは攻撃を受け、倒れる。
「ちょっと、落ち着いてよ!せっかくの髪型が台無しじゃないか!」
「そうよ!何白馬様に攻撃してんのよ!ありえないんだけど!」
「負ぁけぇろ!負ぁけぇろ!」
観客からのヘイトが高まっていく。
勝つために攻撃する事は当たり前だと思うんだが……
「……私は、あなたよりコルエスさんの方が優しくて良いと思うので!」
……俺?
まさか、オイシーネって俺の事……いや、ないか。
こいつ”よりも”だからな。俺からしてもこいつはただ”気持ち悪い”だけだ。
「……なるほどね。」
謎にハクーバが納得している。
「僕は人同士の裏事情に顔を突っ込むほど邪魔者にはなりたくないんだ。」
「……それで?」
「降参するよ。君の事を傷つけないためにも。」
「え?」
『な……なんと!降参!ハクーバが降参した!オイシーネの勝利!』
「うおおおぉぉぉ?」
「ハクーバが降参?どういう事だ?」
「……もしかして、抵抗するあの女に傷つけないようにする、白馬様の優しさ!?」
「キャー、優しくて素敵だわ、白馬様!王子様!」
「キャアアアアア!!」
ハクーバの降参が観客にとっては”優しさ”ということに変換されている。
……こんな奴が9位だったのか?先生に媚びでも売ってたんじゃないだろうな?
「……ねえ。」
当の降参した男ハクーバは、スタジアムから待合室へ戻ってくると、早急に俺に話しかけてきた。
「僕より君なんかの方が大切って言ったのは認める。だから彼女を大事に……」
「……何が狙いだ?」
他に聞こえないように小声で話しかけてきたハクーバに、俺が問いかける。
すぐに襲い掛かろうとしたハクーバがオイシーネに反撃された途端、すぐ降参するのは不思議だ。
「狙いって何の事かな?僕は別に……」
「お前のその少しムカつくナルシストっぷりは何だ?そんなんであそこの女の子達を堕としたのか?」
「……モテてない人が偉そうに。あぁそうだよ。僕には狙いがある。」
「は?」
ハクーバは少し口を詰まらせた後、勇気を出したかのように告げた。
「僕はね、世界にいる女の子達とのハーレムを作りたいんだよ。さっきの女の子も含めた。」
「……は?ハーレム?」
「僕がこの学園に来たのは、モテる為だよ?強い人はモテるっていうしさ?」
「俺は世界最強になる為にここに来た。俺からしたら、そんな事の為に来たのは馬鹿馬鹿しい。」
「……勘違いしないでもらえるかな?僕は”イケメン”であることに頼ったりはしない。」
イケメンしか取り柄のなさそうな奴がそんな事を言っている。
「ほら、僕の姿を見てみなよ。整ってるだろ?これは僕の努力の結晶だ。実力も勉学も高めて9位で入学できたのも、僕の努力が実ったからだからね?」
確かにそうかもしれない。俺も世界最強になる為日々努力している。
”努力なき者に将来なし”と誰かが言ってたのを覚えている。
だが……
「そのナルシストも改善するよう努力した方が良いんじゃないか?」
「ナルシストぶってた方が、イケメンな僕にはモテるんだよ。」
「……演技って事か?」
「あぁそうさ。僕の努力で作られた演技は女の子への好意を実らせてくれる。」
「演技派か。」
演技でしかもこれ以上女の子を口説いたら、いつか殺されると思うんだが……
「そうだ。君に忠告しておくよ。」
「何?」
「僕は魔法はないけど、女の子の気持ちはある程度分かるんだ。努力したからね。」
「努力努力うるさいな。で、それが何だ?」
「演技派なのは、僕だけじゃないって事だよ。」
「どういう事だ?」
「身近の女の子に気をつけな。じゃ、僕と当たったら宜しくね。」
そう言ってハクーバは去っていった。
俺がその忠告を頭の奥にしまう暇もなく、第2ラウンドは始まろうとしていた。
どうか私に……星という恵みを……
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