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 ロイズから走ること、車で一時間。

 都会の喧騒とは無縁の自然が、そこにはあった。

 車を停めたライド達は、静かに歩き出す。自然の静けさを壊すような騒ぎ声が聞こえてきた。


「あれが、そうかね?」


「……ま、間違いない。オイラの部下だ」


「さっさと済ますにょん。キリナクン、お願い」


「分かりました」


 空に一発撃ち放つ。銃声が山々に響いた。

 銃声に気付いたリバルナ盗賊団の者達が、次々と近付いてくる。


「おかしら!?」


「済まない……ヘマしたぜ」


「この男の身柄は軍が預かってるにょん。この男を解放してほしければ、直ぐにここを離れるにょん」


「ふざけるな! お頭を傷付けておいて!」


「元帥を侮辱したにょん。それ相応の罰だにょん」


「相応、だと!」


「本来なら、問答無用で極刑だろう。リバルナ盗賊団の容疑には殺人もあるからね。だけど敢えて生かしている……意味は解るだろう」


「ここを離れれば、お頭を解放するんだな!?」


「約束するにょん。リバルナ盗賊団も見逃すにょん」


「また蛮族を逃すのか!」


「聖域を取り戻したければ、我慢してほしいにょん」


「……仕方ない……賛同する」


 こうして双方の利害が一致し、ダルン族は植民地を、リバルナ盗賊団はかしらを取り戻すことが出来た。


※ ※ ※


「にょんちゃん元帥。これで本当に良かったのですか?」


「メイルクン。にょんちゃんは別に、このままリバルナ盗賊団を野放しにするだなんて言ってないにょん」


「え?」


「今回の取引では見逃すのを条件にしたけど、今後捕まえないとは言ってないにょん」


「元帥さん、策士なのだよ!」


「それにこれで、ダルン族とのパイプが出来たにょん。充分な収穫だにょん」


 二台の車はそのまま、ロイズ司令部へと向かっていった。


※ ※ ※


 ライドの部屋で寛ぐにょんちゃん。

 対してライドは、なかなかに落ち着かないでいた。


「どうしたにょん?」


「元帥。『ロイズ司令部に遊びに』と言っていましたが、それは方便では?」


「にょんちゃんは遊びに来たにょん。嘘は言ってないにょん」


「それなら構わないのだが」


「まあでも、言っておこうかにょん。ライドクン、実はにょん……」


「じ、実は……?」


 息を飲むライドとキリナ。

 部屋は緊張感に包まれる。にょんちゃんは仮面を外すと一息吐いて宣言した。


「今日は、にょんちゃんの誕生日だにょん!」


「「え!?」」


 二人の乾いた声が露になる。そんなことなどお構いなしに、にょんちゃんは顔を両手で包みながら照れている。


「にょんちゃんの本当の誕生日は知らないにょん。けど、今の両親に引き取られて、テレサという名前を付けられたのが今日だにょん。一年に一つ歳は取るから、正確な日なんて関係ないにょんよ!」


「「お、おめでとう……ございます」」


「どうもにょん~」


 祝福の言葉を掛けられ、にょんちゃんは更に照れていたのだった。

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