仮面の大将
カムール司令部へと戻ったライドは、アルンからの電話を受ける。アルンから、カムール研究所の事を聞かされたライドは、ウル達が掃除をしている部屋へと戻っていく。
「待たせてしまったかな?」
扉を開けたライドは驚いた。
掃除によって綺麗になった部屋と、我が物顔で居座っている軍服の人間に。
「誰だね?」
「おー、戻ったにょん?」
「……にょん……だと」
「にょんちゃんが来てみたら、子供達が掃除をしているではないか! びっくりしたにょんよ」
「誰なんだ。そんな仮面を着けている軍人など知らないが」
「にょんちゃんを知らないとは驚きだにょん。ロイズからの流れ者のライドクン」
「子供達はどうしたのかね?」
「食堂だにょん。お腹が空いたと言っていたから、にょんちゃんがお留守番を買って出たにょん」
「名を名乗ってもらおうか」
「だから言ってるにょんよ。にょんちゃんは、にょんちゃんだにょん」
「にょんにょんと五月蝿いな。ふざけているのかね」
「ふざけてないにょん。怖い顔しないでにょん!?」
「階級は?」
「大将だにょん。ライドクンよりも地位は上だにょん」
「何!?」
自分の目の前に居る仮面の軍人が、警戒している大将だと知って驚くライド。口調や風貌からは、到底想像出来なかった。
「にわかには信じられん。君は、本当に軍人なのかね」
「本当だにょん。その証拠に明日、カムール研究所で開かれる会議に行かなきゃいけないにょん」
「カムール研究所だと!」
アルンから聞いた話と重なったライドは、にょんちゃんを更に警戒する。
「ライドクン?」
「今、私は大将達を信用出来んのだよ。君なんかいい例じゃないかね? 仮面も外さず、そのふざけた言葉遣い。信用しろと言われても無理だ」
「えー!」
「大体、私に何の用件だね。大将だと言う君が、この司令部に来て日が浅い私に」
「ロイズからの流れ者に興味を持った、じゃ駄目にょん?」
「疑いは晴れんよ」
「……しょーがないにょん……。話すにょん」
「何をだね?」
「大将達の秘密だにょん」
「秘密だと!?」
「何でわざわざ、カムール研究所に大将達が集まるのか知りたいでしょう? ライドクン。教えてあげるにょん」
「聞かせてもらおうか」
「うんうん!」
ライドに妙な緊張感が張り詰めていた。目の前に、仮面を着けた人間が居るからなのか。




