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満身創痍

 ギルとの戦いの後。避難していた街の住民の好意で、その家へとお世話になっていた。


「はい、これで大丈夫。傷口が塞がるまでは安静です」


「どのくらいって?」


「そうね……一ヶ月は絶対かな。銃弾が貫通していたのは幸いかも。いくら外科医のあたしでも、銃弾を取り除くとなると大変だから」


 テキパキと手当てをする女性。傷を負っていたウル達を見るや、事情も訊かずに手当てを買ってでた。


「すみません、急に押し掛けるような形となってしまって」


「いいのいいの。医者が怪我人を放ってなんか出来ないし。あたしの性格でもあるし」


「ありがとうございます!」


「軍人さん。あたしら民間人が平和に暮らせているのは、軍が守ってくれているからだよ。それは間違っちゃいない筈だ。だけどね……傷付いた軍人を治しているのは、あたしら医者だ。民間人なんだよ」


「それは承知しております」


「軍故の慢心だ。守ってやってる、ていう勘違いが招いた結果がこの子達だよ。多少の犠牲は已む無しっていう考えだから駄目なんだ。分かる?」


「はい。ワタシ達も、守ってもらっている事を忘れてはならないと痛感しています」


「よかった。話の分かる人で」


「あの。ワタシにも何かお手伝い出来る事がありましたら……」


「助かるよ」


※ ※ ※


「……」


「メル?」


 キリナとメルが並んで座っている。四年振りの再会ということもあり少々、ぎこちない雰囲気が漂っていた。


「お姉ちゃん、元気だった?」


「それなりにはね」


「やっぱり、お姉ちゃんは嘘が下手なのだよ。変わってない」


「お見通し、か」


「軍は辛い?」


「辛いわよ。人の死に何度も遭遇したわ。こればっかしは、何度経験しても慣れないわよ。ううん、慣れてはいけないものね」


「いっぱい撃った?」


「……うん。何度も撃って、何度も傷付けた。命を奪ったことも、ね」


「そう」


 遠くを見つめるメル。メイルに見せる顔とは違う、妹の顔をしていた。姉妹だからこそ、交わす言葉は少なくとも解り合えることもある。メルの横顔を見たキリナは、メルをそっと抱き寄せた。


「……ごめん……」


「お姉ちゃん!」


 堪らず涙を流すメル。さっきまでの、ぎこちない雰囲気が嘘のようだ。


※ ※ ※


「ウル、じっとだよ!」


「そう見張られてると、かえって身体が疼くって」


「言われたでしょ、絶対安静。お医者さんの言うことくらい聞きなさいよ」


「ガミガミ五月蝿いって。ティタは俺の母さんか?」


「な、何で母親になるのよ! そこは彼女とか奥さんとか!」


「……なーにムキになってんだ? ……冗談だって」


「分かってるよ!」


 ティタの顔が赤くなる。自分で言ったことに照れてしまっていた。その様子を見ていたウルは笑ってしまった。

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