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尽きない攻撃

核師コアマスターが二人掛かりとなれば、オレも加減せん!」


 ギルの背後に、無数の穴が現れる。穴へと入っていったギルは、ウルとメイルの背後に出現した穴から、剣を用いて攻撃を仕掛けてきた。間一髪避けた二人だったが、次々に出現する穴から現れる刃の雨に苦戦する。


「そんなのありかって!?」


「殺しに反則も何もないだろう!」


「もっともっと苦戦しなぁ? 防げてる時点で、それを苦戦とは言わないんだ」


「冗談だ。そんな簡単に殺されちゃあ堪らんぞ」


 メイルの左目が光る。出現させた穴から、短剣を一本取り出すと、別に出現させた穴に放り込んだ。ギルの背後に現れた穴から、メイルの短剣が勢いよく飛び出した。ギルに刺さった短剣だったが、その瞬間、短剣は消滅してしまう。


「そこまで瞳術を使いこなせているとはな。流石のオレもヒヤヒヤした」


「確かに刺さった筈だが?」


「ああ、確かに刺さった。オレの分身に」


「分身だと!」


 ギルの姿は消えていく。まるで蜃気楼のように。ギル本体を捜すメイル。次の瞬間、刃の雨と共にギルが降って現れた。その手には槍が握られている。


「面倒な奴だ!」


 メイルも穴を出現させて中へと入っていく。次々と穴を呼び出しては掻い潜っていく。あっという間に、ギルとの間合いを詰める。


「穴を使ってのワープ……。その領域まで来たか」


「貴様の真似をしたまでだ。シャクだがな」


 穴から穴へ……。ワープを互いにしながら刃を交えるメイルとギル。空中で行われる戦いを地上から見上げるウルは、苛立ちを覚え地団駄を踏んでいた。


「俺もワープ出来りゃあな」


「ウル君」


「少尉」


「幾らなんでも、彼だけでは無謀よ。ウル君も加勢しないと」


「そうしたいのは山々なんだけど、生憎そのすべがなくて」


「ねえ、ウル君の炎は撃てないの?」


「撃つ?」


「炎を纏えるなら、その炎を撃つことも可能じゃないかって思ったのだけれど」


 キリナからの何気無い助言。その助言が、ウルを地団駄から抜けさせる切っ掛けを与えた。纏った炎を一点に集中させ、上空にいるギルに狙いを定める。


(届くのか……? 届いたとして当たるのか? あー! 試す前から何を考えちまってるって!)


「ウル君。ギルの気配を感じれるんでしょう? だったら、自信を持って。……殺さないでね」


(そうだ。俺はギルを感じれる。メイルがギルを引き付けているいま、これが最大のチャンス!)


「いけぇー!」


 勢いよく放たれた炎が、ギルを目掛けて飛んでいく。しかし炎は、ギルを掠めて見えなくなった。ギル自身に焦りの色が見えるものの、ダメージを与えた形跡はなかった。


「ふはは! 今のは何だ? 投球練習のつもりか?」


「……アイツはワープ出来ない。それに腹を立てたんだろう」


「くだらん事だ」


「……当たらなければ、な……」


 ギルの背後を炎が焦がす。あまりの熱さに地上へと落下していく。焦げた背中を地面に擦り付けながら、ウルを激しく睨んでいる。


「メイルのワープが役に立ったって」


「ばか、な……奴等だ」


「何だと?」


「オレを焼き付かせなかったことを後悔しろ」


「!?」


 ウルを穴が囲む。その穴から無数の刃が飛んできた。ウルは咄嗟に目を閉じる。しかし、痛みも何も感じなかった。ウルは、恐る恐る目を開ける。


「で、でしゃばり猿真似の分際で」


「……黙れ……」


 ウルを庇い、攻撃を受けたメイル。自身の穴でやり過ごしたつもりだったが、一本の刃が左腕を貫いていた。


「メイル!? ……どうして庇った!」


「訊くのは野暮だぞ……痛っ!」


「オレの刃には毒が付いている。このままだと、その左腕は壊死する」


「……っ!」


「メイル!」


「し、仕方あるまい……。ウル、僕の左腕を……」


「え?」


 ウルは耳を疑った。目の前の友人が放った言葉を呑み込めなかった。ウルは拒絶した。が、メイルの決意は堅かった。メイルの背中の剣を引き抜く。その研かれた刃なら、何でも斬れそうだと思えてしまう。だからこそ、ウルの両手は震えていた。


「僕の左腕を……斬れ! 全身に毒が回るよりはマシだ」


「俺は……出来ないっ!」


「躊躇うな。僕を斬るチャンスだぞ? 早くするんだ!」


「俺はっ!」


「君にだから頼めるんだぞ。……親友」


「うわあああぁー!!」


 横に真っ直ぐ伸ばされた左腕。ウルが剣を振り下ろし、二の腕から先が斬り落とされた。肩から二の腕が残った左腕を見たメイルは、痛みと悲しみを味わった。

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