ウル・ティタ:遭遇
「出てこいよ! コソコソと気持ち悪い」
ウルが大声を出す。それでも人影が現れることはない。ウルは落ち着かず、右往左往しながら呼び掛ける。そんなことを続けること数十分。叫びすぎたウルは、息切れを起こしていた。
「ウル、気のせいだったんじゃない? そうよ、気のせいだよ」
「俺の第六感が疼くんだって!」
「そんなアテにならないのを信じろ? 無理よ」
「絶対に……絶対にいる」
ウルは、自分の勘を信じてその場を離れない。ティタは、ウルの勘を信じてはいなかったものの、ウルから離れるのも嫌だった為、一緒にひたすら待った。
「……執拗な奴等だ……目障りで仕方ない」
「「!?」」
二人の目の前に、〝左目〟が姿を現した。その左目を見開き、ウルとティタを見る姿はまるで、この世の理を拒絶しているかのようだ。
「希望通り、現れてやった。用件は何だ」
「決まってんだろ! ショウを殺した事だ!」
「……オレが殺ったと言いたいのか……」
「違うとは言わせないって!」
ウルは、ギロリと〝左目〟を睨む。今にも飛び出しそうな体勢でいる。
「ウル。駄目よ、今は堪えてよ!」
「悔しいが、今の俺に〝左目〟をどうこうなんかできねえ。けどな、今に見てろって! 絶対に〝左目〟よりも強くなってやる。そんでもって、ショウの仇を討ってやる!」
「私もよ! 私だって、ショウさんの仇を討つよ! アンタを絶対に許さないよ!」
「仲良く吠え面か。そうか、いいだろう。オレの手で殺してやる。その日を待っている」
「待てって! テメエ、名前は何だ」
「仇に名を訊くとは……、ギルだ。待っている」
名を名乗ると、直ぐにその場を離れていった。ウルは何度も何度も『ギル』と復唱する。
「ティタ。俺、強くなれるか?」
「前向きなのが取り柄のアンタが、後ろ向きになってどうするよ。大丈夫、アンタは強くなれるよ」
「根拠でもあるのか?」
「私の第六感よ!」
「あはは。一杯食わされたって」
緊張の糸が解れ、二人に笑顔が戻った。その後、二人はロイズの探索を再び始めた。




