ウル・ティタ:鉄拳制裁
爆弾を鎧に生成したライの姿に、強気のウルも狼狽える。下手に攻撃して爆発されては、身に纏っているライも、乗客も只では済まないからだ。
「どしたどしたどした! フウマを倒した勢いはどうしたんだ?」
「とことん殺り合いたいんなら、せめて列車から降りようぜ」
「嫌だね。巻き添えが居なくなるもんね」
「最初から死ぬ気だったんだな、テメエら」
「〈精進の儀〉なんか乗り越えても何にも得るものなんかない。ならば、好き放題やって死ぬって決めたんだ。ねえねえねえ、いい考えでしょう!?」
「巻き添え食らう側の気持ちはお構い無しって?」
「一緒に死んでね?」
ライの鎧が赤くなる。それは、爆発するカウントダウンに入ったことを意味していた。
「「イヤーああ!!」」
客の悲鳴が車内に響く。生き地獄とはこういう事なのか。ウルは、ティタに指で合図する。それを見たティタは直ぐにそれを理解すると、列車の壁に触れた。
(いきなり高度な注文よ)
車両はみるみる粉々になっていく。ライは突然のことに動揺を隠せない。乗客は、驚きつつも一気に外へと溢れていった。
「フウマだって出来たんだから、私だって出来ると思っただけよ」
「……ちっちっちっ……ちくしょう!」
「ティタ、鎧を何とか出来ないのか?」
「無理よ。触れなきゃどうしようも……戻せるなら自分で何とかするでしょうよ」
「死ぬ死ぬ死ぬ!? ひ……と……りで!?」
ライの鎧が一気に膨れ上がる。最期の断末魔と共に、ライは爆炎に包まれた。
「……自業自得だってんだ……」
ウルの言葉は届かない。容赦なく、ライに制裁が下された。爆発の音でフウマが目を覚ます。そのフウマを出迎えたのは、ウルの容赦ない鉄拳だった。
「生きてることに感謝しろ!」
フウマを殴った右手はジンジンと痺れているのだった。




