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ウル・ティタ:荒ぶる拳

「さあー、どっちから殴られるんだ。やっぱティタを泣かしたテメエからか?」


「このフウマ様の鼻を痛め付けておいた挙げ句、さらに殴るだと!? ふ、ふざけるな」


「ふざけてんのはどっちだって。列車内での迷惑行為に、無差別殺傷。オマケにセクハラかよ。シャレになってねえ」


「言ってろ……ライ、さっさと殺れ」


「そうそうそう! それを待っていたよ」


 ライは、硬貨から刃物を作り出して飛ばしていく。乗客の肩や足に刺さっていく。車内は悲鳴がこだまする。


「お遊びのつもりかって」


「本気の遊びだ。この列車を破壊するんだ!」


 フウマは、幾つもの爆弾を隠し持っていた。爆発すれば間違いなく列車は吹き飛ぶだろう。ウルはフウマとの距離を一定に保ちながら隙を窺う。


「フウマフウマフウマ、もう切っちゃっていい?」


「ああ。切り離せ」


 ライが車両の連結部を破壊した。それにより、ウル達の乗る車両だけが線路に取り残される形となる。


「車両が切り離されているのを気付いた頃にはもう、この車両は燃えているだろう」


「列車を壊すのが目的なのか? ……人を殺すのが目的なのか?」


「どっちもだ。全員一緒に死んでもらう」


 高笑いするフウマの様子は、本当に遊び感覚で物事を楽しんでいるようだ。ウルの拳が軋りはじめる。


「アンタら、異常よ」


「〈精進の儀〉とかで、このフウマ様を野に放っちまったのが運の尽きだ。はっはっは」


「サイテーよ!」


「最低で結構だ。やりたいことをやって死んでいく。それが理想なもんで」


「今すぐに、この爆弾を爆発させる。それで全てが終わる……全てだ……あははは!」


「……このぉー! クソやろーがあ!」


 ウルの拳がフウマの顔面を歪ませる。気持ちのいい右ストレートだった。フウマの殴られようにビビるライ。殴られたフウマ本人は、気を失い倒れていた。


「降参しろって。指示者は負けた」


「誰が誰が誰が……降参するか」


 にんまりと笑うライの目は少しも笑ってなどいなかった。フウマの側に座ると、爆弾を作り変えていく。


「何する気よ」


「めんどくさいから、全部の爆弾を一つに纏めたんだ。これでいい、これで!」


「……正気、かって……」


「正気だよ? これでもう殴れないだろ」


 爆弾を鎧に生成し、迷いなく身に纏ったライ。これには、ウルも殴れずにいた。握り締めた拳を構えつつ、ウルはライとの距離を縮めていく。いくら近くに寄っても手が出せず、ウルはヤキモキしていた。


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