メリーの散歩
目を開けると、朝陽が窓を強く照らす。それは、ホテルの窓とて例外ではない。
「む~……」
右目に眼帯をしたまま寝てしまう。彼女にとって、その眼帯はなくてはならない物だ。
「眩しい」
同じ部屋で寝ている友達の寝顔を見て、程よく覚ましていく。顔を洗って鏡を見る。自分の顔を見たところで、何が変わる訳ではない。頬を数回叩いて気合いを入れた。
※ ※ ※
「リイム。ちゃんと見ておきたい。アタチの、初めて泊まった街」
早朝だからなのか、ランニングをしている人や、体操をしている人。朝陽を眺めている人など、様々な朝の様子が見てとれた。
「何だか空気が澄んでるしょ」
朝の空気は気持ちがいい。メリーの身体が反応していた。ふと、視界を下に落とす。飛んでいる鳥が着地をし、街を放浪する猫が寛いでいる道。
「何がいいんだしょ?」
路地を歩く猫の後ろを追ってみる。ゴミが散らばっている箇所も見られ、街の景観を損なっているのが残念でならない。猫は人間よりも思っているのかもしれない。
「ん?」
猫の集会だろうか? どこからともなく集まってくる猫達。鳴き声が鳴き声を呼ぶ。なんとも微笑ましい集会に、メリーは腰を落として見いっていた。
「家族かな?」
母猫が仔猫に乳を与えている。小さいながらも懸命に生きていく命に、メリーは感動を覚えていた。
「お母」
写真に写る三人の姿。自分の家族と猫の家族を重ねたメリーは、思わず目を赤くした。
「生きるんだしょ」
路地を出たメリーは、表通りを歩いていく。
商店は開店準備をしており、人と人の会話が聞こえてくる。犬を連れた人も居た。
「皆、朝早く元気だしょ」
リイムの朝は早い。そう思ったメリーは、ホテルで寝ている友達を起こしにホテルへと戻っていった。
※ ※ ※
「起きるんだしょ!」
勢いよく叫んだメリー。
眠い目を擦りながら、ティタ、メルが起きる。
「「おはよう。メリーちゃん」」
「おはようだしょ」
続いて隣の部屋へ。ティタは遠慮なく入っていく。メルは挨拶代わりの抱き付き。
ウルは布団を剥がされ、メイルは苦しいのか抵抗している。どちらにせよ起きたようだ。
「おはようだしょ。ウル、メイル」
メリーの声に、ウルとメイルは手を挙げて応えた。
誰よりも早起きなのは、一番歳下の女の子のようだ。




