思い出の街
五人は、ある街に来ていた。
一年前、ウル、ティタ、メイルが初めて泊まったホテル。そして、運命の出会いをした場所でもある。
メリーは、一人だけキョトンとしていた。
「僕が師匠と出会った街」
「私もよ」
「俺だって。ショウやダイと出会わなければ、核を会得しようなんて思わなかったって」
「三人にとってこの街は、とても思い出深いとこなのだよ。ボクも前に来たことがあるのだよ?」
「そうだったんだ。アタチは初めて来たしょ」
街の名前は、リイム。
ウル、ティタ、メイルにとって、リイムは切っても切れない街だ。三人が核を知り、会得に至るキッカケとなった男性と少年との思い出の街。
「ん? 君達は!」
五人に話し掛けてきた女性。反応したウル、ティタ、メイルは直ぐに思い出した。
「ショウさんのときのお姉さん!」
「久し振りね。元気にしていた?」
「あったりまえだって!」
「それはよかった。リイムにはどんな用で?」
「特に用はないって。只単にちょっと、初心に帰ろうと思ったって」
「そう……ね、よかったら会っていかない?」
「会うって誰にって?」
「ショウさんに」
※ ※ ※
街の中にある墓石。墓石には名前が彫られていた。
墓石の前で手を合わせる。目を閉じて思い出す。
「こんなところに墓を。前に来たときは知らなかったって」
「ごめんね。軍認の情報を見たのだけど、名前と住所くらいしか判らなくて。書かれていた住所に造ろうと思ったのだけれど、大将が五月蝿くて」
「リイムの大将が? あの大将ならそうだろう。怪我人すら見捨てるような人間だ。情報だってロクに寄越そうとしない奴だ、リイムでの出来事も内密に済まそうとした結果だろう」
「ショウさんを殺した者はその後、リイムに現れて騒動を起こして捕まり、処刑。その時の犠牲者のお墓も造ったの」
「「!!」」
ウル、ティタ、メイルは、墓石に彫られている名前を見て驚くと同時に手を合わせた。
「なんとか埋葬したのだけど、ご遺族には伝えるなの一点張りのせいで、誰も彼の死を知らなくて」
「……俺は知ってたって……。ずっと悔やんでた」
「僕も薄々気付いていたさ。この左腕が、ダイの腕だと」
「私も。だけどどこかで避けてた。ダイの死から」
「彼の死を知る人間が出来てよかった。誰にも知られずに眠ってしまうだなんて辛すぎるからね」
※ ※ ※
「君達と再会出来てよかった。ときどきでいいから、お参りに来てあげて?」
「「はい」」
「……それともう一つ。リイム司令部は危険。何か嫌な感じがするからね。特に大将が」
「うん。お姉さんも気を付けてって」
五人に忠告を言って、リイム司令部の女性は去っていった。五人は、その忠告をしっかり留めていた。




