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一日一剣

 五人は広場にやって来ていた。

 メイルは、背負っている剣を抜いて振る。


「大分さまになってるって」


「毎日毎日振っている。それでも、ようやく手に馴染んできたんだぞ?」


「使えば使うほどって?」


「革の財布とか鞄とか。深みが増すみたいなもんだ」


「剣、かァ。俺も何か持っとくかって」


「やめておけ。君には合わない。武器で立ち回るより、素手で暴れる方が、君らしい」


「それもそうか。手入れとか面倒そうだしって」


「本当に面倒臭がりだ、君は」


「メイル。ちょっとだけ、舞ってみてなのだよ」


「舞う? 振り回せということか?」


「うん!」


 期待の目をするメル。メイルはその目に弱い。

 一呼吸置いて振り始める。鋭い剣技を繰りだす。


「フン! ハッ! セイ! ヤッ!」


「ねえ、ウル。メイルの腕、凄い筋肉よ」


「剣を振り回すんだ。身体を鍛えとかないと扱えないって」


「ウルくんは筋トレしないの?」


「多少はするって。無理はしない」


「カッコいいしょ。アタチ、あんな見惚れるの、初めて見たしょ」


「カッコいい!? もしかしてメリーちゃん、メイルを狙ってるの!?」


「メル。そんな心配はしないで。アタチ、友達の彼氏を奪うことはしないしょ」


 ホッとするメル。

 メイルはというと、一汗かいて息を切らす。剣を鞘に納めて深呼吸した。


「ウル。君も朝練したらどうだ。良いもんだぞ?」


「起きれたら考えるって」


「そこからか。まあいい」


「メイル。お腹空いたのだよ」


「そうだな。適度に動いたし丁度いい」


 もうすぐ昼の時間。

 メルの腹時計は正確だったようだ。


※ ※ ※


「うーん」


「どしたの? 悩んじゃってらしくない」


「いや……その、なんかな」


「どしたのよ?」


「俺、最近変なんだ。朝の目覚めはいいし、朝陽を浴びるのが気持ちいいし、朝食は美味しいし……」


「……アンタ……それって普通だよ」


「そうって?」


「それが普通! でも欲を言えば、自分で起きれれば最高だね」


「剣を振るとは訳が違うって。身体を鍛えたら疲れて寝ちゃうし、睡魔は簡単に斬れないって」


「今度、メイルに頼んでみようかな?」


「え!?」


「試してみたいじゃない。睡魔を斬れるか」


「……自分で起きれるようになるって!」


 ウルは慌てた。ティタの笑みに。

 なんとしても永眠は避けたいウルだった。

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