夜空を彩る、花火と星と月光り
数日後。当初の目的であった、ノランの祭りの日。
街中の活気が増している。中心街では、模擬店の準備が慌ただしく行われていた。
ウル達は、祭りの時間までの暇潰しに模擬店の準備を手伝っていた。司令部建設を反対していた、アパートの住民だった人の模擬店だ。
「綿菓子! ボク、綿菓子が大好きなのだよ!」
「そうなんかい! それじゃあ、手伝ってくれたお礼だ、作ってあげる」
「わーい!」
甘い香りが辺りに広がる。真っ白い綿が、雲のようにふわふわな綿が出来上がっていく。
作る過程を見ていたメルの口からヨダレが垂れる。
「ほれ、出来立てだ」
「ありがとうございます!」
口いっぱいに綿菓子を頬張るメル。口の中で溶けていく綿菓子の甘さが、口いっぱいに広がっていく。
「甘いのだよ~!」
「そんなに喜んでくれるなら、こっちも作り甲斐あるってもんだ」
「作ってくれてありがとうなのだよ!」
無我夢中で食べていくメル。
綿菓子は、あっという間に姿を消したのだった。
※ ※ ※
そして夜になり、沢山の人がフォイン内外から集まってきた。夜風が気持ちよく、空気も澄んでおり、とても過ごしやすかった。
「やっぱ夜の風はいいって。身体がピンとする」
「意味が分からんぞ? 君が夜型なのは分かるが」
「生きてるってことだって。それだけ」
「ウルくんは直感で生きる人だからなのだよ、きっと」
「そんなもんなのか!?」
「皆、早く行かないと、場所が無くなっちゃうよ」
ティタの一声で動き出す。いつの間にか、仕切るのが板に付いてきたティタ。そんな彼女を誰も不思議がることもなかった。
「星も綺麗だよ。月も綺麗! ホントに今日はついてたよ」
「星だって月だって、いつでも見れるんじゃんか」
「フン。これだから君は駄目なんだ。星と月に加え、これから花火が上がるんだぞ? なんとも味のある光景じゃないか」
「……俺には分からないって。綺麗ってのは分かるけど、そこまでの感動はないって」
「そいつはどうかな? あっという間に魅了されるかもだぞ?」
花火が打ち上げられる。迫力のある音とは裏腹な、色とりどりの光が夜空を彩っていく。
誰もが言葉を失い、次々に打ち上げられる花火に心奪われていく。あれだけ言っていたウルも、模擬店で買っていた食べ物や飲み物を口にするのも忘れて見いっていた。
「来てよかったよ」
「そうか。来た甲斐があったって」
「今度はメリーちゃんも一緒に」
「そうだな。また来るのも悪くないかもって」
「フッ、言った通りになったぞ」
「メイル、ウルくんで遊ばないのだよ!」
一時間もの間、夜空に花火が咲き続けていた。
感動で涙する人もチラホラ。寄り添い合う人達もチラホラ。月と星と花火が、夜空というキャンパスを彩ったことで、人の心を動かしたのだ。
「……らしくないって……」
一筋の涙を流すウル。彼もまた、心を動かされた一人なのかもしれない。




