9 黒刀と肉
「ベルグ、“ダギラの剣"やっぱいい?」
ベルグの黒刀を見つめるトラン。
「うん。学校支給の剣とは段違いだね
かなり強く振れるから安心感があるよ。」
「ははは
苦労しただけあるな」
「はは
確かに」
2人の剣はある魔物の素材でできていた。
漆黒の刀身。
「よし!
じゃ肉切ってみるか!」
トランが嬉しそうに自身の黒刀を抜く
「えっ?
なんで切るの?」
「食うからだよ」
切りながら普通に答えるトラン
「食う?
えっ!この魔物食べるの!」
「うるせーな
だからそう言ってるだろ」
呆れるトランだが…
「そもそも食べれるの?」
「大丈夫大丈夫」
ベルグの心配を無視し、
トランは
めっちゃキレる
と黒刀の切れ味に喜びながら
薄く切った肉を焼き始める
…
…
ジュー
…
…
ジュー
…
沈黙し複雑な表情で眺めるベルグ
そしてトランは
パクっ
モグ
モグ
…
沈黙
「うっ!?」
口を押さてうずくまるトラン
「トラン!!どうしたの?」
ベルグは心配しトランに駆け寄る。
…
…
しかし
「うっ!うまァーい!!
…
…
いたっ
なんで叩くんだ!」
いきなり立ち上がって叫ぶトラン
だが
すかさずベルグがトランの頭を叩く。
「脅かさないでよ!
こんな緊急事態に何ふざけてるんだ!
君は!まったく!」
カンカンなベルグ。
「ははは
ほらベルグ」
トランはベルグに焼けた肉を勧める。
焼けた肉のいい香り。
先程の恐ろしい魔物とはとても思えない。
…
「いや…
僕は…」
といいつつ
ベルグは肉を取る…
恐る恐る口に運ぶ
そして
…
パクっ
…
突然!
目を見開くベルグ
「うっ!うまァーい!!」
トランと同じように立ち上がって叫ぶベルグ
…
今は緊急事態だ。
「ははは
だろ?」
「トラン!本当に美味しい!
あんな凶悪な魔物の肉だとは思えない!!
もっと筋張ってるのかと思ったけど、柔らかい。」
肉の美味しさに興奮するベルグ。
そして
「ベルグ、下山の時、ハーブを拾ったんだ」
トランがカバンから葉っぱを出す。
「いつのまに!」
驚くベルグ
「これと一緒に焼いたらもっと美味くなるんじゃないか?」
変人トランの提案にベルグは…
「トラン…君…
天才だったんだね」
真顔のベルグ
遭難した二人の騎士学生は魔物肉の美味しさに盛り上がる。
今は緊急事態だ。




